小5らくらくUnit 5「Let’s go to the zoo.」②【モトヨシ先生のNEWスライドde外国語】
パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のNEWスライドde外国語」。2024年度の教科書改訂に合わせて、パワーポイント教材をリニューアル。
今回は、NEW HORIZON Elementary English Course 5 Unit 5「Let’s go to the zoo. ~場所をたずねたり、案内したりしよう~」第2時(道案内に必要な表現を実際に使ってみよう!)の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント(スライド)教材1つで、外国語の授業をらくらくクオリティアップ!
執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学教授・居村啓子
目次
スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう
小学5年生の「NEW HORIZON Elementary English Course 5」のUnit 5「Let’s go to the zoo. ~場所をたずねたり、案内したりしよう~」全8時の2時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し、活用してください。
パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方
この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
- クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
- デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。
目標と授業の流れ
◎単元目標
好きな施設などを知ってもらうために、施設や場所、道案内について聞き取ったり、場所をたずねたり案内したりすることができる。また、単語のはじめの音を聞き取ったり、複数の文字の名前を聞いて小文字を書き取ったりすることができる。
○単元のゴール
場所をたずねたり、案内したりしよう。
○本時の目標
道案内に必要な表現を実際に使ってみよう!
【聞くこと】
●知識・技能
〈知識〉
・What do you have in town? Go straight for one block. You can see it on your right. およびその関連語句などについて、理解している。
〈技能〉
・町の施設などがある場所についてのやり取りを聞いて、話の内容を聞き取ることができる。
●思考・判断・表現
・町についてよく知るために、町の施設などがある場所についてのやり取りから、話の内容を聞き取っている。
●主体的に学習に取り組む態度
・町についてよく知るために、町の施設などがある場所についてのやり取りから、話の内容を聞き取ろうとしている。
【読むこと】
●知識
・アルファベットの活字体の小文字について理解している。
●技能
・アルファベットの活字体の小文字を識別することができる。
【話すこと】
●知識・技能
〈知識〉
・What do you have in town? Go straight for one block. You can see it on your right. およびその関連語句などについて、理解している。
〈技能〉
・町の施設などがある場所について、What do you have in town? Go straight for one block. You can see it on your right. およびその関連語句などを用いて、考えや気持ちなどを伝え合うことができる。
●思考・判断・表現
・友達に自分の町についてよく知ってもらうために、町の施設などがある場所について、簡単な語句や学習した表現を用いて、考えや気持ちなどを伝え合っている。
●主体的に学習に取り組む態度
・友達に自分の町についてよく知ってもらうために、町の施設などがある場所について、簡単な語句や学習した表現を用いて、考えや気持ちなどを伝え合おうとしている。
【書くこと】
●知識・技能
〈知識〉
・アルファベットの活字体の小文字について理解している。
〈技能〉
・アルファベットの活字体の小文字の名前が発音されるのを聞いて、そのアルファベットを書くことができる。
本時の流れ(例)
- 挨拶
- 単元のゴール、本時のめあての確認
- 教科書 Let’s Chant
- Let’s Play “サイモン・セズ” direction バージョン
- Activity ① “ビデオ通話で道案内”
- Activity ② “アプリで3D迷路”
- Activity ③ “Google Earth で道案内”
- Let’s Write
- 教科書 Sounds and Letters
- ふり返り
各活動の流れ
①挨拶
元気に明るく挨拶をして、How are you? How’s the weather? などの質問をしてみましょう。
②単元のゴール、本時のめあての確認
本単元のゴール、本時のめあてを全体で確認しましょう。
③教科書 Let’s Chant (p.50)
教科書 p.50の Let’s Chant ①と②です。本単元で学習する表現に少しずつ慣れることができるようにしていきましょう。朝の時間や帰りの会など、授業以外の時間に行うと効果的です。
④Let’s Play “サイモン・セズ” direction バージョン
“サイモン・セズ(Simon says…)”のルールを活用して行います。ここでは Turn right. Turn left. のみを使って、ウォームアップとして行いましょう。
まずは練習として、目を開けたまま、「Simon says」という指示なしで行ってみましょう。
教師が Turn right. と言ったら、児童はその場で90度の角度で右に向きを変えます。つまり Turn right. を4回言ったら、1回転して元の向きに戻ります。歩いて移動はしません。Turn left. も同様です。
目を開けたままでルールに慣れてきたら、Close your eyes, please. と言って、児童に目を閉じさせます。先程と同じように Turn right. Turn left. Turn left.…… と伝えて、最後に Open your eyes, please. と言って目を開けさせます。中には、向いている方向が違う児童もいて、楽しい雰囲気でウォームアップを行うことができるでしょう。
そして、いよいよサイモン・セズ バージョンです。本時のサイモン・セズは、学級開き(Unit 1の1時目)のときに行った Stand up. / Sit down. の指示をTurn right. / Turn left. に変えたものです。スライドには、Stand up. / Sit down. バージョンの説明アニメが入っているので、参考にしてください。
Simon says, “Turn right.”
Turn right.(Simon says を言わない)
Simon says, “Turn left.”
Turn left.(Simon says を言わない)
テンポよく活動を進めましょう。
⑤Activity 1 “ビデオ通話で道案内”
スマートフォンやタブレットで使用できるビデオ通話機能のあるアプリを使って、校内で道案内を行う活動です。アプリは実態に合わせて選んでください。
この活動の場面設定で一番簡単にできるのは「ALTが迷子になってしまった」というものです。若干のわざとらしさを児童も感じて「先生、それはないでしょ」などと発言しますが、目的は言語材料を自然に使わせることなので、上手に演じてください(笑)。
私の授業では、ALTに「単語のフラッシュカードはどこ?」と聞き、ALTが「職員室に忘れた」という設定にしました(忘れ物は、ワークシートでもアルファベットテストでも何でもよいと思います)。ALTは教室から出て行き、別の場所からインターフォンで教室の内線に連絡をしてきます。教師は「Where are you?」「え? 迷子?」などと演じます。
ここでビデオ通話機能を使って、ALTの先生の映像をスクリーンに映し出します。ALTの先生は今自分がどこにいるのか、児童たちが分かるようにタブレット(スマートフォン)で周りを映して説明します。すると児童が「あっ、放送室だ!」などと教えてくれるでしょう。すかさず教師は、児童に「Rhett(ALTの名)is 迷子. Everyone, please guide Rhett to come back to our classroom.」と課題を与えます。児童は「なるほど、そういうことね!」などとつぶやくでしょう。
教師は全体に「Go straight? Turn right? Turn left?」と言って、ALTがどちらに行けばよいかを児童に問います。あとは児童とやり取りをしながら、児童に案内をさせましょう。クラス全体である程度まで道案内をしたら、途中からは個別に挑戦させるのもできますね。
ALTが徐々に教室に近づいてくる様子を、児童はわくわくしながら見ています。このとき、児童は伝える必要があるので、自然に言語材料を発話しています。
以前は、自分のスマートフォンを使っていましたが、今はタブレットが学級に配備されているので、いろいろな活用方法があると思います。児童も大好きな活動ですので、ぜひ挑戦してみてください。
⑥Activity 2 “アプリで3D迷路”
前時にも行った、アプリを使って3D迷路に挑戦する活動です。
私は、前時ではレベル1のみ。本時ではレベル2、3を行いました。④の学習で、全体で発話を行ったとしたら、⑤の迷路の活動は個々に指名して発話させるとよいでしょう。全体での発話で児童が自信を付け、さらに個人が発話をすることで、英語の表現の定着につながると思います。
※非表示にしているブラウザでプレイする3Dゲームにはレベルがないので、そのまま行ってください。
⑦Activity 3 “Google Earthで道案内”
最後は Google Earth を活用して道案内をします。学校の近くの公園やお店など、児童がよく知っている場所の景色が映るように、ストリートビューに切り替えてください。
右下の人の形のアイコンをタッチすると、道路が青線になります。青線上をタッチするとその場所がストリートビューに切り替わります。
今回は、児童にとって身近な場所から学校までの道のりを、児童に案内させましょう。教師は少し演じながら「ここから学校への行き方、分かる?」と問います。④のビデオ通話機能を使った活動と進め方は同じなので、ここでも児童とやり取りをしながら進めていきましょう。
⑧Let’s Write
これまでに学習してきた表現を “なぞって” まねして書いてみる活動です。薄く印刷された文字をなぞらせましょう。
なぞりの活動のときこそ、机間指導が重要です。児童がなぞっている間は、ALTと手分けして机間巡視しながら、ワークシートにある英文をできるだけ多く読ませて評価していきましょう。
文字を読むことが不安な児童もいるので、教師が Can you read this? と聞いて、児童が Go straight. の文を発話できたら、すかさず Very good. Go straight. と大きな声で言うようにしています。それは、その子に対しての支援というより、他の児童に聞かせるためです。
また、上位児童には全部読ませたり、ワークシートの質問をそのまま児童に聞いてみたりすることもできます。
児童が指示された英文をすらっと言えたとしたら、その児童の音声と文字の認識ができ始めていると評価することができます。逆にここで読むことができない場合は、教師自身の指導をふり返り、インプットやアウトプットが足りなかったと捉え、改善するための判断材料となります。
【ダウンロード】
道案内なぞり書きワークシート
(記事の最後でダウンロードできます。)
⑨教科書 Sounds and Letters (p.60)
「文字の名前を続けて聞いて、小文字を書こう。」
教科書 p.60の Sounds and Letters の複数の文字の問題です。
本時では、2つの文字を続けて聞いて小文字を児童に書かせます。教科書では、k g、j p などが取り上げられています。p.60 複数の文字⑤の右側の空いたスペースは、書き取りの練習をさせたり、指導者が追加で問題を出したりして効果的に活用できるようになっています。
追加用問題として文字の名前を聞いて小文字を書く問題を一括でダウンロードできるように準備しました。実態に合わせてご活用ください。詳しくはこちらの記事をご確認ください。
【ダウンロード】
複数文字の書き取り(小文字)ワークシート
(記事の最後でダウンロードできます。)
⑩ふり返り
本時の学習をふり返り、全体で発表させるなどして共有しましょう。
居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。
本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。 2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。
パワーポイント(スライド)ダウンロード
5年Unit5-2パワーポイント(27スライド)、複数文字の書き取り〈小文字〉パワーポイント(24スライド)、ワークシート(2点)
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構成/本田有紀子 イラスト/畠山きょうこ・やひろきよみ・横井智美・本田有紀子 アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子