【相談募集中】不適切な問題行動をとる子と揉めてしまいました
ある相談が「みん教相談室」へ寄せられました。遠足からの帰り、不適切な問題行動をする児童のリュックをめぐり、揉めごとが起きてしまったそうです。当時を振り返り、どのような指導をするのが適切だったのか、という相談内容です。これに回答をしたのは教育アドバイザー・多賀一郎先生。その内容をシェアします。
目次
Q. 遠足の帰り、担任ではないクラスの子と揉めてしまいました
小学3年生の担任をしていたときのことです。遠足のため、子どもたちと一緒に電車で移動していました。行きの車内はそれはもう惨憺たるものでしたが、帰りは乗車の際のマナーを他の子に注意する子も出てきて、比較的静かに過ごせていたと思います。
そんな中、一人マナーを守れない子が。遠足の間も担任に(私ではないです)暴言を吐いたり、危険なルートをあえて使ったり、クラスの子とも揉めごとがあったりと、そこそこ問題行動がありました。そして帰り道、「リュックは膝の上」と指導しても、「んなこと知るか」と言われ、自分の体の横に置くことをやめなかったので、一時預かることにしました。
すると、私が見ていないタイミングを見計らって、その子は自身のリュックを奪取。私が「マナーを守れるなら返してあげる」と言ったところ、「守る気はない」と返事があったので、「じゃあリュックは要らないよね」と言い、リュックを預かろうとしました。
しかし、その子はリュックを渡したくはないと抵抗し、仕舞いにはリュックの一部が千切れてしまいました。その子は「あーあ、壊れちゃった、こりゃ弁償だわ、どうしてくれるんだよ」と言ってきたので、自分も「言われてもわからないなら幼稚園生として扱うね、ごめんねー」と言ってしまいました。
結果的に、私は当時の教務主事の方と一緒に、帰校したのち、その子のお家に謝罪をしに行きました。 今思えば、何故あんなにも短絡的な行動をとってしまったのか、毅然とした姿勢でいればよかったのにな、とも思いますが、反面、じゃあどんな指導をとればよかったのか、担任の方に任せるべきだったのか、と今でも悩みます。どのような指導が適切だったのでしょうか。
(あ先生・30代)
A. 子どもとの良好な関係性を築けていないと、指導の効果がないこともあります
若いころは血気盛んだし、余裕もないから、ついつい子どもと同じ土俵に乗って、やりとりしてしまいます。そして、それはほとんど良い教育的な効果は得られません。
でも、多くの先生方が通る道です。あなたのように反省しようという気持ちがあるなら、きっと良い先生になっていかれることでしょう。
それで、どうすれば良かったのかということを少しだけ話しておきましょう。
まず、担任ではないということがとても重要なことです。子どもとの関係性が構築できていないのですから、その状態で何をしてもうまくいかないのは、当たり前です。
あなたのとった行動は、担任をして子どもと関係ができていて初めて効果があるものです。担任ではなくても、特別に関係が作れていたら良いのですが、そうではないのならば、軽く注意して、それで聞かなければとりあえずスルーしておく方が良かったですね。その行為そのものは、危険なものであったり、人を傷つけたりするほどのことではなかったのですから。
そして、やり取りを見ていると、いわゆる「売り言葉に買い言葉」になっています。子どもの煽り言葉にのっかってしまっています。子どものネガティブな言葉は、額面通りに受け取るべきではありません。どこかで
「ふうん。そうかあ。」
などと、かわすようにすると、それ以上のトラブルには発展しなかったのではないでしょうか。
子どもに指示したことを徹底しようとするあまり、かえってトラブルを強化してしまうことがあると、心しておきましょう。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。