教師が知るべき「保護者対応」のポイント記事まとめ
保護者対応に悩んだ経験がある小学校教諭は少なくないでしょう。うまく信頼関係が築けない、要望やクレームにどう対処したらよいものか……。『教育技術』でもさまざまな保護者対応を紹介してきました。ここでは、これまで紹介した記事の中から、《保護者から相談を受けたとき》《保護者からの強いクレームには》《保護者会アイディア》の3つのテーマに分けて、目次やポイント、アドバイスなどをまとめてご紹介します。
目次
《保護者から相談を受けたとき》きっぱりと受け答え! タイプ別保護者対応マニュアル
目次
①周りを見ない、見えない過保護タイプ
②無責任と紙一重。放任タイプ
③正しいのは我が子! 溺愛タイプ
④自分の考えが全て! 自己主張タイプ
⑤「自分さえ、我が子さえ」の自己中心タイプ
⑥揺れる気分で突然行動。不安定タイプ
③正しいのは我が子! 溺愛タイプ
きっぱりと受け答え! タイプ別保護者対応マニュアル(みんなの教育技術)より抜粋
【わが子に非があっても、わが子が正しいと主張】
わが子がいちばんかわいい、わが子がいちばん正しいと信じて疑わないタイプの保護者がいます。このタイプの保護者は、じっくり話を聞き、信頼関係をつくることで、担任の助言も聞き入れるようになります。
ここではタイプ別の保護者対応マニュアルを紹介しています。 この記事でとりあげた事例やヒントをもとに、ぜひ保護者とのよりよい関係を築いていただければと思います。
《保護者から相談を受けたとき》いじめ・仲間はずれの解決は学校チームで!「保護者あるある」
目次
1 管理職にすぐに報告
2 チームで事実確認
3 定期的に保護者に報告
4 継続して関わっていくことを伝える
・ チームですぐ取り組み始め、継続的に関わり見守っていく
1 管理職にすぐに報告
いじめ・仲間はずれの解決は学校チームで!「保護者あるある」(みんなの教育技術)より抜粋
先生・学校側の対応
いじめの相談は、担任の先生一人で対応しようとせず、必ず学年主任や生活指導主任、管理職にすぐに報告、相談。
保護者の気持ち
「深刻な状況を分かってほしい。すぐに対処してもらいたい」と悲痛な思いで訴えている。
日頃から相手に共感し、信頼関係を築こうとしているかどうか。それが保護者対応の際、トラブルに発展してしまうかどうかの分かれ道。ここでは、「いじめにあっている」と訴えがあった事例の対応例を紹介しています。
《保護者から相談を受けたとき》子どものケンカ! クレームを「相談」に変える解決法とは!? 「保護者あるある」
目次
1 電話をかける前に確認
2 和やかな会話の流れをつくる
3 「一緒に考えたい」と提案
4 時間に余裕も生まれる
・ 日々の「よいところさがし」を大切に!
3 「一緒に考えたい」と提案
子どものケンカ! クレームを「相談」に変える解決法とは!? 「保護者あるある」(みんなの教育技術)より抜粋
先生・学校側の対応
悪かった点について冷静に伝え、「今後、どう指導していくか一緒に考えたい」と提案。
保護者の気持ち
うちの子、「ダメでどうしようもない子」じゃないのね。よいところを分かってくれているから、悪かった部分は素直に受け止められそう…。
保護者とのパイプをしっかり築けていれば、トラブルは「クレーム」ではなく、「相談」になります。ここでは、「子供同士のケンカ」のシーンを例に、保護者対応の取り組み方とポイントを紹介しています。
《保護者からの強いクレームには》危機を乗り切る“硬派なクレーム対応”術
目次
Point1 必ず管理職を含む複数で対応しよう
Point2 職員室に「お客様コーナー」をつくって対応しよう
Point3 基本的に文章での回答は断ろう
Point4 面会人数を制限しよう
Point5 毅然として警察の協力を仰ごう
Point6 対話の主導権を握るテクニックを身につけよう
Point7 怒らせたことについて謝罪する必要はない
Point8 教育三法をはじめ法律を斜め読みしておこう
Point2 職員室に「お客様コーナー」をつくって対応しよう
危機を乗り切る“硬派なクレーム対応”術(みんなの教育技術)より抜粋
学校を訪れる保護者は、原則、職員室内等に「お客様コーナー」を設けて対応しましょう。常に複数の教職員が見ている場所で対応します。非常識な保護者や理不尽なクレームの場合、できればやり取りを録音しましょう。「聞き間違いがあってご迷惑をおかけするといけませんので、録音させていただきます」と穏やかな声でにこやかに伝え、レコーダーを机の上に出します。
保護者と王道の関係づくりをしていても、しばしば非常識な態度や理不尽なクレームに悩まされてしまうのが、学校現場の現実です。度が過ぎる保護者に対しては、時には、自分や同僚を守るための硬派な対応も必要です。元警察官で、NPO法人ちば危機管理研究支援センター理事長の星幸広先生からアドバイスをもらいました。
《保護者からの強いクレームには》保護者クレーム対応に効く! 誠実でやわらかい教師のフレーズ13
目次 保護者からのクレーム対応例あれこれ
「何度もお電話しているんですよ。」
保護者クレーム対応に効く! 誠実でやわらかい教師のフレーズ13(みんなの教育技術)より抜粋
→お電話いただいたのに、出張や会議などでなかなかタイミングが合わなかったようで、本当にもうしわけありませんでした。
「どうして、すぐに改善してくれないんですか。」
→段階をふみながら、よりよい改善策を考えておりますので、少しお時間をいただけたらと思います。
保護者からのクレームに対しては、まずその気持ちをよくきき、受けとめることが第一です。かっとして言い返したり、理屈で封じこめようとしてはいけません。よくある保護者の言葉への、誠実でやわらかい対応表現の例を13あげてあります。
《保護者からの強いクレームには》小学校保護者クレーム11選:正しい対応をこまやかに解説
目次
・「友達関係」のクレーム
・「学習について」のクレーム
・「給食について」のクレーム
・「学校行事について」のクレーム
・「個人面談」で信頼を得る
「学習について」のクレーム
小学校保護者クレーム11選:正しい対応をこまやかに解説(みんなの教育技術)より 抜粋
【ケース❷】
「○○さんがいるために、先生がいつもその子に指導の時間をとられて授業が遅れる。なんとかならないの?」
クラスに、落ち着きがなくいつも先生から注意される子や、立ち歩いて授業を妨害する子などがいる場合には、保護者からこのようなクレームがくることがあります。
→その子の指導に時間がとられすぎないように、まず、日常の授業を見直してみます。どうしてこのような苦情がくるのかを考えてみると、まわりの子どもたちがその子のために、いろいろなことをがまんさせられている可能性があるということです。
小学校教師を悩ませる保護者からのクレーム。対応を間違えると些細な言葉が火種となって炎上し、精神的にも時間的にも圧迫することになりかねません。これまであらゆる修羅場をくぐりぬけてきた元校長が、ありがちな11シーンを厳選。それぞれに対する対応術を細やかに教えてくれました。新任教師も必読!
《保護者会アイディア》【マンガでわかる】信頼関係をつくる保護者会&家庭訪問
目次
・保護者会のアイディア
・家庭訪問のコツ
・保護者に伝えたいこと
保護者に伝えたいこと
【マンガでわかる】信頼関係をつくる保護者会&家庭訪問(みんなの教育技術)より抜粋
〇親同士でつながる
例えば、親のいない間に家に上がりこんできて困るといった相談を受けても担任ではなかなか解決できないものですが、親同士が仲良くしていれば、トラブルになる前に話し合えるので、事態が深刻化する前に問題回避できます。
〇「我が子」だけでなく、「我がクラス」
子供は集団生活の中で日々成長していきます。「我が子」のことを気にするのではなく、「我がクラス」を意識してほしいことを伝えたいものです。
保護者会や家庭訪問で、保護者との信頼関係をしっかり築くことが肝心。何かトラブルがあっても、戦う姿勢ではなく、相談という形で向き合ってくれるようになりますよ。
保護者会と家庭訪問は、先生と保護者、あるいは保護者同士でよい関係を築く絶好のチャンス!…そうとわかっていても、イマイチ盛り上がらずに、なんとなく終わらせてしまっていませんか? そんな先生のために、保護者対応の達人、公立小学校教頭の藤木美智代先生が、保護者会や家庭訪問で使えるちょっとした工夫やミニゲームなどを教えてくれました。
《保護者会アイディア》保護者を味方に付ける! 保護者会のNG&ベスト対応例
目次
・「宿題が少ない(あるいは多い)気がするのですが、大丈夫ですか?」
・「忘れ物は届けたほうがよいですか?」
・「クラス替えをして、仲のよい友達がいないと不安になっています。」
・「けんかが多いようなのですが、大丈夫ですか?」
・「家で言うことを聞かないのですが、学校ではちゃんとやっていますか?」
・「お小遣いはいくらが妥当ですか? 携帯電話も与えてよいでしょうか?」
「クラス替えをして、仲のよい友達がいないと不安になっています。」
保護者を味方に付ける! 保護者会のNG&ベスト対応例(みんなの教育技術)より 抜粋
【×NG回答例】
それは不安ですよね。しっかり見ておきます。
【◎BEST回答例】
不安なお気持ちは確かに分かります。しかし、クラス替えは新しい友達をつくるチャンスでもあるので、おうちでも不安な気持ちは受け止めながらも、「大丈夫。新しい友達に声をかけてみたら?」などと笑顔で背中を押してあげてください。決しておうちの方も一緒に不安になって落ち込まないようにしてください。
保護者との良好な関係をしっかりつくることで、1年間の学校生活も楽しくスムーズに過ごせます。保護者との重要な接点となる保護者会で、よく出される質問とNG回答、及びベストな対応術を、ベテラン先生方に聞きました。
《保護者会アイディア》授業参観&保護者会ベテラン教師の失敗談
目次
・授業参観の失敗談
・保護者会の失敗談
授業参観の失敗談
授業参観&保護者会ベテラン教師の失敗談(みんなの教育技術)より抜粋
〇掲示物が抜けていた子の保護者から猛抗議を受けた
A先生
若い頃、子供の一部の作品を掲示できず、保護者から厳しく指摘されたことがあります。「なぜうちの子だけないのですか?」「うちの子だけ、仲間はずれにされているようで、とても悲しかっ た」「どうして事前に知らせてくれなかったのですか」などと、連絡帳等にご意見をいただいたこともあります。
子供には事前に言ったつもりでしたし、そもそも図工の週だけ連続で休んでしまって、作品が完成できないのはわかるはずだけどなあ、じゃあいつ作ればいいのさ? なんて愚痴の一つも言いたくなりましたが、全員分そろわなかったこちらの負けです。
授業参観や保護者会は、保護者を味方にするか敵にするかの分岐点。ベテラン小学校教員といえども、過去には思い出したくもないクレームや失敗体験があるものです。そこで、『教育技術』でもご活躍の先生方3人に、ご自身の苦~い経験を思い出していただき、授業参観&保護者会の失敗談を語っていただきました。新任教師も必読の「挨拶のコツ」も伝授しています。
構成/みんなの教育技術編集部