小6らくらくUnit 1「This is me!」②【モトヨシ先生のNEWスライドde外国語】
パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のNEWスライドde外国語」。2024年度の教科書改訂に合わせて、パワーポイント教材をリニューアル。
今回は、NEW HORIZON Elementary English Course 6 Unit 1「This is me! ~自分についてスピーチをしよう~」第2時(名前や好きなもの、季節や教科などを言ったり、書いたりしてみよう)の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント(スライド)教材1つで、外国語活動の授業をらくらくクオリティアップ!
執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学教授・居村啓子
目次
スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう
小学6年生の「NEW HORIZON Elementary English Course 6」のUnit 1「This is me! ~自分についてスピーチをしよう~」全8時の2時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し活用してください。
パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方
この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
- クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
- デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。
目標と授業の流れ
〇単元目標
自分のことを話したり、友達のことをよく知るために、好きなものや宝物などについて紹介したりすることができる。また、例文を参考に文を読んだり、書いたりすることができる。
○単元のゴール
お互いのことをよく知るために、好きなものや宝物などを紹介しよう。
○本時の目標
名前や好きなもの、季節や教科などを言ったり、書いたりしてみよう。
【読むこと】
●知識
・I like ~. My treasure is ~. It’s from my ~. 関連語句について理解している。
●技能
・I like ~. My treasure is ~. It’s from my ~. 関連語句を用いて書かれた文で、音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や学習した表現を読んで理解することができる。
●思考・判断・表現
・友達のことをよく知るために、好きなものや紹介したい宝物について、音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や学習した表現で書かれた文の意味を理解して、声に出して読んでいる。
●主体的に学習に取り組む態度
・友達のことをよく知るために、好きなものや紹介したい宝物について、音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や学習した表現で書かれた文の意味を理解しようとし、声に出して読もうとしている。
【話すこと】
●知識・技能
〈知識〉
・I like ~. My treasure is ~. It’s from my ~. 関連語句について理解している。
〈技能〉
・好きなものや紹介したい宝物について、I like ~. My treasure is ~. It’s from my ~. 関連語句を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合うことができる。
●思考・判断・表現
・自分のことを話したり、友達のことをよく知ったりするために、好きなものや紹介したい宝物について、簡単な語句や学習した表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合っている。
●主体的に学習に取り組む態度
・自分のことを話したり、友達のことをよく知ったりするために、好きなものや紹介したい宝物について、簡単な語句や学習した表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おうとしている。
【書くこと】
●知識・技能
〈知識〉
・好きなものや紹介したい宝物について伝えるために、音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や学習した表現を理解している。
〈技能〉
・好きなものや紹介したい宝物について伝える文を、例文を参考に書くことができる。
●思考・判断・表現
・自分のことを伝えるために、好きなものや紹介したい宝物について、音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や学習した表現を用いて、例文を参考に書いている。
●主体的に学習に取り組む態度
・自分のことを伝えるために、好きなものや紹介したい宝物について、音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や学習した表現を用いて、例文を参考に書こうとしている。
本時の流れ(例)
- 挨拶
- ゴースト・ゲーム
- 単元のゴール、本時のめあての確認
- 教科書 Listen and Think
- スモールトーク
- インフォメーション・ギャップ
- ライティング(季節・教科)
- Sounds and Letters
- ふり返り
各活動の流れ
①挨拶
元気に明るく挨拶をして、児童にHow are you? How’s the weather? などの質問をしてみましょう。
②ゴースト・ゲーム
前時でも行ったゴースト・ゲームの活動です。6年生最初の単元の授業なのでウォーミング・アップとして行ってみてください。行い方の説明動画をスライドに入れてあるので、参考にしてください。
③単元のゴール、本時のめあての確認
本単元のゴール、本時のめあてを確認しましょう。
④教科書 Listen and Think(P6,7)→ ⑤スモールトーク(Do you have a dog?)
前時にListen and Think ①の「英語を聞いて、場面の順に番号を書こう。」を行いました。本時はListen and Think ②「それぞれの場面で分かったことを書こう。」を行うこともできます。ただ授業構成によっては、リスニングに時間を割けない場合もあります。今回は最後の3問目が When is your birthday? What sport do you like? What is your treasure? Do you have a dog? について話している内容なので、子供たちと簡単なやり取りをすることもできます。No.3のアニメーションを一時停止しながら行ってみましょう。
Let’s watch the movie.
ここでナディアの友達の田村大地さんがWhen is your birthday?と質問して、ナディアがMy birthday is October 13th.と答えたところで一時停止します。そこで教師が全体に When is your birthday? と問い、Any volunteers?と聞いたり、意図的指名、ペアでのやり取りを行わせることもできます。実態に合わせて行ってみてください。
同じ要領でWhat sport do you like? What is your treasure?でも児童とやり取りをしながら進めることができます。
また、教科書P6のスモールトークのトピックも「Do you have a dog?」なので、リスニングからスモールトークへつなげるように以下のように進めてみてはどうでしょうか。
What kind of animal does Nadia have?
A dog.
Do you have a dog?
Yes, I do. / No. I don’t.
What is your dog’s name?
名前を聞くと一気に教室の雰囲気が和みます(笑)。
そのほかにも Is your dog a boy? Is your dog a girl? How many dogs do you have? などを質問してもよいでしょう。
私の場合はもっと話の幅を広げることができるように、Do you have a pet?でスモールトークを行いました。
次にALTがペットを飼っているか聞いてみましょう。
Do you have a pet?
Yes, I do.
What kind of pet do you have?
I have cats.
ここから上記に記載したような質問をしていくこともできます。
次は、ALTから教師へ質問してもらいます。
Do you have a pet?
No, I don’t.
もちろんペットを飼っていない児童もいると思うので、教師も飼っていない場合を想定してデモンストレーションを行うとよいでしょう。この場面では、ペットを飼っていない児童は Do you have a pet? という問いに対して No, I don’t. と答えてスモールトークを終えるのではなく、 Do you want a pet? What kind of pet do you want? と会話を続けられるようにデモンストレーションも行いましょう。
Do you have a pet?
No, I don’t.
What kind of pet do you want?
I want a hamster.
That’s nice.
児童の何人かを指名して教師やALTとやり取りをしたり、ペアでスモールトークを行わせたりしましょう。
⑥インフォメーション・ギャップ
インフォメーション・ギャップは、小学校でも中学校でもよく行われる活動なので、すでに行っている先生方も多いかと思います。
1.児童は、カード(ワークシート)の一番左の列の中から、どのキャラクターになりきるかを決める。そのキャラクターに赤で○をする。
2.ペアになった友達とじゃんけんをする。勝ったほうが質問を1つだけする。
例:What color do you like? と質問して、友達が I like blue. と答えたとします。その場合、友達は Mr. Simon、Baby Simon、Simon Dog のいずれかということになります(Mr. Simonのキャラクターの絵は本連載のオリジナルです)。
3.友達が何のキャラクターになっているか、Are you ~?を使って質問する。
4.友達がなりきっているキャラクターを当てることができたら、カードを友達からもらう。
5.挨拶をして別れ、別の友達とペアになって2からを繰り返す。
6.カードをたくさん集めた児童の勝ち。
本時では、ライティングの活動で「好きな季節」と「好きな教科」を児童に書いてもらいます。インフォメーション・ギャップの活動の段階から、意図的にそれらの表現を扱い、慣れ親しむことができるようにしましょう。以下のようなやり取りをして、先程と同じようにペアで質問をし合ってもよいと思います。
What season do you like?
I like summer.
Oh, you like summer.
What season do you like?
I like fall.
Oh, you like fall.
私が行う場合は、じゃんけんで勝った児童のみ質問することができ、質問は1つまでと制限しています。2、3問質問をすると、友達がどのキャラクターになっているかが分かってしまいます。ちょっとしたゲーム性も取り入れて行うことで、楽しみながら活動をすることができます。
実施する前にALTとデモンストレーションを行い、何度か見せると児童も理解できるでしょう。パワーポイントでも説明できるようにスライドを作成してあるので、活用してみてください。なお、カードがなくなった場合は、教師やALTからもらうように指示しましょう。
中間指導
中間指導では、児童に I like dog. と I like dogs. の違いに気付かせるように指導してみましょう。ほとんどの児童は I like cat. や I like dog. と発話しています。そうすると「私は犬の肉を食べることが好きだ」という意味になってしまいます。児童の「気付き」を大切にしたい場面でも、説明的になりすぎないことが重要です。スライドで視覚情報を与えながら、ALTと協力して英語で指導することも可能です。
では、実際どのように指導していくかご紹介します。ALTに I like dog. と I like dogs. でリアクションをとってもらいます。
この段階では、児童は「え? なんで?」というような表情をしています。教師が2、3回同じように英文を言ってALTがリアクションを繰り返しましょう。そうすると「ズって言っているよ」と気付く児童が出てきます。しかし、反応している児童がいるからといって、意味を理解しているわけではありません。そこで次は、意味理解を促す指導をパワーポイントのスライドを使って行います。見せるスライドはこちらになります。
このスライドを見せながら教師は I like dog. と I like dogs. の英文を言うだけです。それだけで児童は意味を捉えます。日本語で「sが付くとね」などと説明する必要はありません。では、意味理解ができたか確かめるために、犬を例にしたスライドを表示します。
I like dogs. Dogs are very cute. I like dogs very much.
と言いながら、スライドをクリックしていきます。この時、まず英文が先に表示され、次のクリックで絵が出るようにしてあります。このように、英文と絵は同時には提示しません。基本原則は、音声→文字→絵とするとよいでしょう。英文と同時に絵も見せてしまうと、絵から意味を捉えてしまうからです。音から入るというステップの積み重ねが大切です。授業では、意識して行っていきましょう。
I like dog. のスライドを見せます。犬のイラストがない状態です。そしてクリック!
教師が I like dog. と言いながらこのスライドを見せると、多くの児童が「えー」「だめでしょ」などと反応します。意味を理解した時の反応です。このやり方で十分に児童は理解します。使う表現は I like dog. と I like dogs. そしてスライドとALTの演技で、説明的にならずに、簡単に意味を捉えさせることができます。ぜひチャレンジしてみてください。
⑦ライティング(季節・教科)
本時で話題にした好きな季節と好きな教科を、My Picture Dictionary のスペルを参考にして、前時に配付したワークシートに書かせます。My Picture Dictionary の「P19 季節」「P28 教科」を見て、単語と単語の間のスペースを意識してワークシートに書き写すように指示をしましょう。
ここで机間巡視をしながら教師が行うべき指導は「スペース」です。Ilikesummer. と書いてしまう児童は多いです。英語が苦手な中学生も、スペースを空けずに書いてしまいます。英語は、語と語の間にスペースがあり、その語順が入れ替わることにより意味も変わるので、語と語の認識がもてるようにすることが大切です。ただし、小学校の段階では、例を参考にして気付かせることが大切です。ピリオドについても、教師が「ピリオドを忘れているよ」と言うのではなく、お手本の英文を見せ、児童自身の英文と比較して気付かせるとよいでしょう。自分で気付かせることが大切です。
また、ALTと机間巡視しているのであれば、教師が指でなぞったところを児童が言えるかどうかを確認しながら回りましょう。そうすることで、どの児童に対してより支援が必要なのか把握できます。つまり、「記録に残す評価は行わないが、学習状況を確認する」ためです。また、個別で支援していくことで、単元末の発表に向けての積み重ねになります。本時では、例文を参考に季節と教科についての文を書くわけですが、ここで自己紹介の文をすべて書くとなると、児童にとっては負担です。単元を進めていくうちに少しずつ英文を書き、それが終末になるとある程度の文量になっているとすると、児童の負担も少なくて済みます。
⑧Sounds and Letters (P14)
教科書P14の Sounds and Letters です。短時間の積み重ねを大切にしましょう。私は YouTube のフォニックスを児童といっしょに行ってから、Sound and Letters を行います。本時はCのフォニックスを扱い、問題に取り組みましょう。
⑨ふり返り
本時のめあてからふり返りを行います。児童の感想を全体で共有し称賛しましょう。⑧の Sounds and Letters と⑨のふり返りを逆にして行ってもよいと思います。先生方の進めやすいようにアレンジして行ってください。
居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。
本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。 2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。
パワーポイント(スライド)ダウンロード
6年Unit1-2パワーポイント(50スライド)、ワークシート(2点)
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イラスト/畠山きょうこ・やひろきよみ・横井智美 アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子