離任式、保護者会、学級の子供たちとのお別れの挨拶文例
学校の先生として、子供たちや同僚の先生方にお別れを告げるイベントでは、心に響く言葉を伝えたいですよね。この記事では、東京都公立小学校の松原夢人先生に、自身の経験から思いが伝わる挨拶文例をポイントとともに教えてもらいました。これらの例を参考にして、自分らしい挨拶を作ってみてくださいね。
執筆/東京都公立小学校教諭・松原夢人
目次
1 離任式での挨拶
皆さん、本日はこのような機会をつくっていただき、ありがとうございます。私はこれまで○○小学校で、◯年間を皆さんと共に歩んできました。今日、この離任式を迎えるにあたり、心の中は感謝の気持ちでいっぱいです。【ポイント1】
【ポイント1】子供たちだけでなく同僚の教員にも感謝の気持ちを伝えましょう。その時に学校に何年間勤めたのかを伝えるとよいでしょう。年数が長くなれば長くなるほど、その重みが増します。
私がこの学校に着任してからは挑戦と発見、そして成長の連続でした。初めて皆さんの前に立った日は緊張したのを鮮明に覚えています。それから日々が積み重なり、今では強い絆で結ばれていると実感しています。私たちは一緒に学び、時には悩み、成長してきました。こんなこと○○もありましたね。皆さんの一生懸命な姿、輝く笑顔、時に見せた涙、すべてが私の大切な宝物です。【ポイント2】
【ポイント2】学校に着任した時の気持ちを伝えましょう。学校にいることが当たり前の存在になった自分でも、最初の頃は緊張や不安があったこと、そして今では子供たちや同僚との温かな人間関係を築き、共に成長できたことなどを具体的なエピソードを交えて振り返りましょう。
この学校での経験は、私に多くのことを教えてくれました。最も大切なのは、「人との出会い」の価値です。皆さんとの出会いが、私の人生に大きな影響を与えてくれました。教えることの喜び、共に学ぶことの大切さ、そして何よりも人として成長することの素晴らしさを、皆さんは私に教えてくれました。【ポイント3】
【ポイント3】離任する学校で何を教えてもらったのでしょうか? あなたにとって、最も大切なことを明確に示してください。
これから私は新たな場所で新しい挑戦を始めますが、皆さんと過ごした時間、学んだこと、そして感じたことは、私の心の中に残り続けます。どんなに遠く離れていても、皆さんのことを応援し続けます。そして、皆さんの未来が明るく輝くことを心から願っています。【ポイント4】
【ポイント4】異動先の学校に行っても、運動会や学芸会、音楽会、展覧会などで、また会える機会があるでしょう。「みんなのことを決して忘れないよ」という思いをしっかり伝えるようにしましょう。
最後に、皆さんへのお願いがあります。これからも「夢」を追い続けてください。困難に直面した時は、その壁を乗り越える力が自分の中にあることを信じてください。そして、人として、学び続けることの大切さを忘れないでください。【ポイント5】
【ポイント5】最後のメッセージです。私の場合は自分の名前が「夢人」なので、「夢」についてのメッセージを伝えています。学校の教育目標やキーワード、自分の名前、学校でシンボルとなっているものなどから言葉をとって、その大切な思いを子供たちに贈りましょう。
今まで本当にありがとうございました。そして、さようならではなく、「また会いましょう」と言わせてください。皆さんのこれからの人生が、幸せで満ち溢れるものでありますように。【ポイント6】
【ポイント6】帰りの会では「さようなら」と挨拶をしていますが、私の場合は離任する日だけは「また会いましょう」と言うようにしています。こうすることで、また必ず会えるような気がするからです。さようならを言うと、寂しい気持ちになってしまいます。涙をこらえるためにも。
2 年度末(最後)の保護者会での挨拶
保護者の皆様、本日は最後の保護者会にお越しいただき、本当にありがとうございます。この1年間、皆様の大切なお時間を使っていただき、心から感謝しています。【ポイント1】
【ポイント1】保護者の支えがあるからこそ学級経営が成り立っているのです。また、保護者も忙しい中、わざわざ時間を割いて学校に来てくれています。第一声は感謝の気持ちを伝えて、挨拶を始めましょう。
今年度、子供たちにとって多くの挑戦と成長の機会がありました。担任として、毎日の小さな変化を見守り、彼らが自分の可能性を広げ、新しい一歩を踏み出す姿に、大きな喜びを感じています。そして「◯◯◯◯(学年目標や学級目標)」を大切にし、様々な活動を通して、子供たちが自分で考え行動し、助け合うことの意味を学んできました。時には困難にぶつかることもありましたが、自分の問題に立ち向かい、友達と一緒に目標に向かう姿は、とても素晴らしいものでした。【ポイント2】
【ポイント2】学級担任として何をテーマに掲げて1年間を子供たちと一緒に過ごしてきたのか? 学年目標や学級目標に照らし合わせて伝えるようにしましょう。
特に今年度は、◯◯活動や◯◯見学、◯◯の発表などの様々な学習を通して、子どもたちの好奇心を引き出し、学びへの意欲を高めるよう努めました。多くの子どもたちが、自分の興味を見つけ、深く探求し始めていることが、とても嬉しいです。【ポイント3】
【ポイント3】今年度の学習の中で象徴するような活動を伝えましょう。何かエピソードがあれば、具体的かつ簡潔に話をすると喜ばれます。「わが子がこんな学習をしてきたんだなあ」と振り返ってもらえるような内容にするとよいです。
保護者の皆様には、家庭での支援はもちろん、学校行事への参加や、日々の温かいエピソードの共有など、教育活動への理解と支援をいただき、深く感謝しています。お子さまの成長を支える上で、家庭と学校が手を取り合うことの大切さを、改めて感じています。これからお子さまが新しい学年へと進むにあたり、新たな挑戦が待っていますが、この1年間で積み重ねた経験は、彼らの前進する力となるでしょう。【ポイント4】
【ポイント4】様々な学習活動が実現できたのも保護者の方の支えがあったからです。そのことを思い出して、感謝の気持ちを伝えましょう。
来年度も、お子さまの学びと成長を全力で支えていくつもりですので、引き続きのご支援とご協力をお願いいたします。本当にありがとうございました。【ポイント5】
【ポイント5】来年度について、引き続き担任になるのか、他の学級を担任するのか、別の学校に異動するのかは、この時点で保護者に明言することはできません。けれど、どんな形であっても「子供たちのことを応援していきます」という思いは伝えられるでしょう。
3 学級担任としての最後の挨拶(修了式の日の言葉)
私が皆さんのクラスの担任になった日から今日この瞬間までの時間は、私の人生にとってとても貴重で、忘れられないものです。皆さんと過ごした日々は大きな喜びであり、毎日が新しい発見でいっぱいでした。【ポイント1】
【ポイント1】学級担任をしてきた子供たちに向けて、一年前に出会った頃のことを思い出しながら、語りかけるように話しましょう。
このクラスのみんなは、それぞれに個性があり、一人ひとりが輝く星のようです。皆さんの中には、算数が得意な子(◯◯くん)、絵を描くのが好きな子(◯◯さん)、スポーツが得意な子(◯◯くん)、音楽が好きな子(◯◯さん)など、いろいろな人がいます。しかし、最も重要なことは、皆さんがそれぞれの才能を持ちながらも、互いに協力し、支え合い、成長してきたことです。【ポイント2】
【ポイント2】一人ひとりの顔を見て、「算数が得意な◯◯くん」や「絵を描くのが好きな◯◯さん」など具体的なエピソードとともに名前を呼んであげると、話の内容に子供たちをグッと引き込むことができます。
私が皆さんに教えたかったのは、国語・算数・理科・社会・体育などの学習だけではありません。人として大切なこと、友情、協力、思いやり、そして何よりも自分自身を信じる力を育てることが私の願いでした。皆さんは、この1年間でこれらすべてを学び、そして実践してくれました。【ポイント3】
【ポイント3】1年間を通して、授業以外でも子供たちに様々な話をしてきたと思います。その話を総括して、子供たちの成長を願ってきた気持ちを伝えましょう。
私が皆さんに伝えたい最後のメッセージは、常に「夢」を追い続け、自分自身を信じることです。人生は挑戦の連続ですが、その挑戦を乗り越えることで、私たちはより強く、賢くなれます。私はこれからも皆さんのことを応援しています。遠くからでも、皆さんの成功を祈り、幸せで充実した人生を送ることを心から願っています。【ポイント4】
【ポイント4】最後のメッセージのポイントは、その時の感情をありのまま伝えてください。上記はあくまでも文例です。学級担任としての自分の言葉が子供たちの心に一番響きます。また、離任式で話した内容と関連させると、きっと子供たちの記憶に残すことができるでしょう。
最後に、私から皆さんへの感謝の気持ちを込めて、1年間、本当にありがとうございました。
いかがでしたか?
いろいろな先生の挨拶例を参考にしながら、自分の思いが伝わる挨拶を考えてみてくださいね。