学習カードゲーム「Well-Beingトランプ」【ダウンロード&プリントOK】

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カード用紙等に印刷して自作する学習ゲームのシリーズ企画です。今回は、トランプに書かれている質問で交流を深め、自己理解・他者理解を育むことができる「Well-Beingトランプ」です。

カードデータは記事の最後でダウンロードできます。印刷して使用してください。

ゲーム考案・執筆/鹿児島県公立小学校教諭・浦元康

プリント&プレイ!学習ゲーム「Well-Beingトランプ」

対象 幼児~小学生全学年、大人
人数 2人~学級全員
時間の目安 5~10分
使用するもの Well-Beingトランプ54枚

自己理解・他者理解を育む「Well-Beingトランプ」

デジタル機器やSNS等の普及により、人間同士のコミュニケーションの希薄化が問題視されています。また、不登校の人数も年々上昇し続けています。そのような背景もあり、他者とのつながりのなかで「自分」を見いだし、同時に他者理解を育むといった経験が、今の子どもたちには少ないように感じます。「できるようになりたいことは?」と聞いても首をかしげ、答えることができる子どもは多くありません。

自分とは何か。何ができるのか。何をしたいのか。これらの自己認識を深める必要があります。「Well-Beingトランプ」で遊ぶことで、自分について理解を深めながら、他者とつながることができるようになります。

Well-beingトランプには、大きく5つの効果があります。

1自己理解の促進
自己認識:自分自身の好きなものや興味があることについて考えることで、自己認識が促進されます。
自己表現:自分の意見や感じたことを表現する機会を得られます。

2社会性の向上
相互理解:他者の答えを聞くことで、参加者間の相互理解を深めることができます。
多様性の尊重:同じ質問に対してもそれぞれ異なる考え方や感じ方があることを理解できます。
コミュニケーションスキル:会話を通じて意思疎通の能力を高めます。
共感力:他者の感情や考えに対する共感力を育てます。

3思考力の養成
様々な質問に答えることで、思考力や問題解決能力を鍛えます。
想像力を働かせ、創造的な答えを考える機会を提供します。

4アイスブレイクの活用
子どもたちだけでなく、保護者会や教職員の研修など、新しいグループやコミュニティにおいても、親しみやすく会話を始めるための道具として役立ちます。

通常のカードゲームでは、カードゲームを遊ぶグループごとにカードを用意する必要がありますが、このWell-Beingトランプは1セットで1学級全員でプレイすることもできるように、たくさんの遊び方を考えました。

また、既存のトランプ遊びを改良して、家庭や少人数でも遊べる方法も提案しています。

Well-Beingトランプ 見本

Well-Beingトランプには、マークごとに系統立った質問が記されています。

①ハート
自己理解を引き出す質問が示されています。「好きな〇〇」という質問形式なので、子どもの好きな物を知ったり、考えていることを探ったりすることができます。新しい環境で子どもが自己紹介するときなど、「好きな〇〇は?」と聞かれることがありますね。そのような場でも落ち着いて自分のことを話せるようになります。

②クローバー
想像力を広げる質問が示されています。子どもが何を考えているか、どのような発達段階なのかを理解することができます。時には、子どもの想像力に驚かされるという場面もあるでしょう。

③スペード
選択できる質問が示されています。子どもが質問に答えづらいときに有効なカードです。絵を見て選ぶだけでもよいです。理由まで言うことができると、主張→理由といった筋道の通った話し方の練習にもなります。

④ダイヤ
願望を引き起こす質問が示されています。子どものしたいことに気付くことができます。子どもが考えていることを現実的な目線で語ってくれます。教師や保護者はそれに対して取り組める環境づくりや声かけを考えることができます。

ゲームの遊び方

シンプルに1枚ずつめくって質問に答える遊び方もできますが、トランプ遊びをアレンジして質問に答える遊びにすることと、より楽しみながらカード遊びをできます。以下に、7つの遊び方を紹介します。

●少人数用
神経衰弱
①カードを裏面にして並べる。
②カードを2枚めくる。
③同じ数字だったら、後に引いたカードの質問(もしくは選択したカードの質問)に答えてカードをもらう。

1・9・3
①山札のカードを1枚めくり、中央に出す。
②1・9・3のカードが出たら、全員で手を伸ばして取るスピードを競う。
②カードを取った人が質問に答えて、カードをゲットできる。
③7・5・3といった数字でも代用可能。

勝負!
①「勝負!」のかけ声に合わせて、全員で手札から1枚カードを出す。
②一番数値が高いカードを出せた人が勝利。
③勝利した人は、質問に答えてカードをゲットできる。

どっちが大きい?小さい?(ハイ&ロー)
①山札から1枚カードをめくり、場に置く。
②次にカードを引く人は、めくったカードの数字が場のカードより大きいか小さいかを予想してからめくる。
③大きいか小さいか当たったら、カードの質問に答えてカードをゲット!

●大人数用
ゲス・ジ・アンサー
①グループに分かれる。代表児童(質問に答える児童)を決める。
②教師が質問トランプを引き、代表児童は答える内容を決める(まだ言わない)。
③グループごとに代表児童が答えそうなことを予想して、各グループのホワイトボードなどに書く。
④代表児童が答えを発表する。
③当たったら1ポイントゲット!

ラッキー・セブン
①カードを1枚ずつ配る。
②カードを持ち寄り、他の人とカードを交換。
③交換したカードの質問にそれぞれ答える。
④時間内に交換と質問を繰り返す。指定した時間になったときに「7」のカードを持っていた人が勝ち。

あわせて〇〇
①任意の数字を設定する。カードを裏面にして並べる。
②カードを1枚ずつめくっていく。表にしたカードの数を合計していく。
③数字の合計が、最初に設定した数字と同じになったらカードの質問に答えて、カードをゲットする。

これ以外にも、全部で24の遊び方をまとめた「遊び方シート」(PDF)を用意しました。カードといっしょにダウンロードして参考にしてください。

ゲーム活動による効果

私の学校現場では、1年生から6年生まで活用しています。実際に使ってみると、子どもたちは、普段は自分のことについて考える機会があまりないので、楽しそうに活動していました。また、友達の意見を聞けて嬉しそうでした。

「社会性」や「学力」といった面でも、以下のような効果が期待できます。

表 ゲーム活動による効果

学級の子どもだけでなく、保護者懇談会のアイスブレイクなどでもWell-Beingトランプは活躍します。ぜひ活用してみてください。

浦元 康(うらもと・こう)
小学校教員歴7年目。体育主任・生徒指導主任・研究主任・複式学級経営等の教育論文で6年連続入賞。著書に「先生1年目からの授業づくり完全ガイド」(明治図書出版)、2024年4月に新刊「机間指導」(明治図書出版)を刊行。

カードデータダウンロード

●学習カードゲーム「Well-Beingトランプ」(遊び方シート付き)

A4用と名刺サイズ用(55×91㎜)の2タイプを用意しました。名刺サイズ用紙を印刷できるプリンターをお持ちの方は、名刺サイズ用で印刷すると簡単です。裏面のデータは、薄い紙で透ける場合に使用してください。

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構成/みんなの教育技術編集部

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