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保護者面談で信頼を得る8つのポイント

2019/12/1

「保護者と何を話せばいいのかわからない…」、「会話が続かず気まずい雰囲気が流れる…」など、保護者面談を控えて悩みを抱えている新米先生も多いはず。そこで、現役教師が保護者面談をうまく進めるための秘訣を伝授。押さえるべきポイントをしっかりチェックしましょう。

執筆/兵庫県公立小学校・俵原正仁

たわらはら・まさひと●1985年兵庫教育大学卒。座右の銘は、「GOALはHAPPY ENDに決まっている」。好きな飲み物はトマトジュース。著書に『若い教師のための1年生が絶対こっちを向く指導!』(学陽書房)他、多数。

若手の頃の失敗が今の自信につながった

若い頃、保護者面談が苦手でした。お互い話すことがなくなり、シーンとした時間が長々と過ぎていったり、「友達と仲良く頑張っていますよ」と話をした直後に、「うちの子、最近仲間はずれにされているようなのですが…」と相談されてプチパニックになってしまったりするなど、多くの失敗を繰り返してきました。

そんな私でも、先輩の先生方の助言を聞き、本を読み、そして、自分なりに考えていくうちに、次第に保護者面談に関する苦手意識はなくなっていきました。いくつかの押さえるべきポイントが分かってきたからです。ここでは、私が若手教師の頃、特に苦手だった保護者との1対1の面談について紹介します。

面談の前日までに準備しておくべきこと

若い教師が、保護者面談に対してプレッシャーを感じるのは、当たり前のことです。ただし、準備をしっかりと行うことができれば、感じるプレッシャーは弱くなります。心に余裕を持って、面談に臨むことができるのです。まさに、備えあれば、憂いなしです。

ポイント1 廊下に待ち時間グッズを準備する

面談を予定の時間通り進めるように配慮することは原則中の原則ですが、そうは言っても、時間通りにピッタリ進めることはなかなか難しいものです。また、たとえ時間通りに面談を進めることができたとしても、余裕を持って、予定の時間より早く来られる保護者もいます。

つまり、「待ち時間がゼロ」という状況をつくることは不可能だということです。だからと言って、開き直ってよいものではありません。待ち時間をゼロにすることができないのなら、保護者の皆さんが、できるだけ快適に待ち時間を過ごすことができるようにしたいものです。待たされてイライラした状態で面談に突入されるよりも、ニコニコ笑顔で面談が始まった方が、お互い有意義な話ができるからです。ということで、当日、廊下に椅子を置くだけではなく、前日までにちょっとしたプラスアルファの準備を行う必要があるのです。

待ち時間に用意しておきたいもの

・読み聞かせ等で活用した絵本
・学級通信を綴じたファイル
・スライドショー
・ひざかけ&電気ストーブ(廊下に暖房が効いているなら必要なし)

ポイント2 面談用資料を作成する

当たり前のことですが、保護者と話をする時には、けっして、印象や思いつきで話をしてはいけません。例えば、学習の様子を話題にする時には、発言の内容や作品を示しながら話をします。テストなどの成績については、平均点などの数値で示す方が説得力は増します。

そのためには、話の根拠となる資料を整えておく必要があります。だからこそ、普段から授業中の子どもの発言や頑張りなどを、しっかり記録しておかなければいけません。

と、理想を言えば、そうなのですが、なかなかできることではありません。そこで、最低限、次のような資料は準備しておきましょう。

その① 「テスト結果の一覧表」

形式は、どんなものでも構いません。面談用に改めてつくる必要もありません。テスト結果については、普段から記録しているでしょうから、それでオッケーです。私は、エクセルで一覧表にしていましたが、最低限、面談の際に具体的なデータとして提示するための資料が手元に用意できていれば、それで構いません。

その② 子どもたちが書いた「学習&生活の振り返り」

たぶん一学期も行っていたのではないでしょうか? もちろん二学期も行う予定ですよね。ただ、その振り返りに次の項目はありますか?

・休み時間は誰と遊んでいますか?
・頑張っている友達を教えてください。

面談当日、話の種として使える項目です。抜けているようでしたら、ぜひ入れてください。

その③ 子どもの「ノート・作品」などの具体物

子どもたちの具体的な姿を話す際の参考資料となるものです。例えば、丁寧に平仮名の練習をしていたAさんの場合、国語のノート。遠足で行った動物園で見たライオンを大胆な筆遣いで描いていたBくんには、遠足の絵を用意するのです。一人一人違っていて構いません。それぞれの子の頑張りが見える具体物を用意してください。実物が用意できない場合は、写真を撮っておくとよいでしょう。

以上の3点は、今からでも十分準備できるものばかりです。あくまでも、最低限の資料です。手持ちの資料が充実すればするほど、当日、さらに余裕をもって面談を迎えることができるようになります。

面談までに準備しておきたいこと

・テスト結果をグラフ化して見やすくする。
・その子の頑張りを教科、領域ごとに一覧表にする
・その子オリジナルのスライドショーを作る。

まずは、最低限の資料の準備をして臨んでください。教師の話芸が、突然上達することはありませんが、事前準備については、時間とやる気さえあれば、より充実させることができます。「今回は、無理だ!」と言う人は、次回の面談までに頑張りましょう(笑)。

ポイント3 机&椅子の配置を工夫する

面談の際の机の配置にもひと工夫します。『教師の座る位置が保護者の正面に来ないようにする』のです。下のイラストのような机の配置です。この配置は、カウンセラーがクライアントから悩みを聴く時の座席の位置と同じです。

このように座ると、自然な感じで視線を外すことができます。お互い、必要以上のプレッシャーも感じなくてすみます。話が途切れた時に見つめ合って、気まずい雰囲気になることもなくなります。

面談ではまず、保護者から気になることを話してもらう

いよいよ保護者面談当日になりました。面談用の資料も子どもたちの作品も、机の上にスタンバイ済み。準備はばっちり、さぁ本番です。

ポイント4 まず保護者に話してもらう

「何か気になることはありませんか?」

保護者面談における私の第一声はいつも同じです。このように聞くことで、気になることがある保護者は、面談の最初に話をすることになります。教師から話し始めるのではなく、保護者から話していただくのです。これが、保護者面談をうまく進める最大のポイントです。理由は二つあります。

一つ目は、こうすることによって、予定の時間通りに面談を進めることができるからです。冒頭でも述べましたが、面談を予定通り進めるように配慮することは原則中の原則です。ダラダラと面談の時間が延びることで、面談を待っている保護者からの信頼は、間違いなく失われます。そうならないための必殺技です。

最初に、保護者の一番聞きたい話題から話ができるので、懇談終了間際に「実は、気になることがあるのですが…」と話を振られて、懇談時間が超過することがなくなるのです。保護者からの話題が終われば、残り時間を意識して教師が話をすれば、予定していた終了時刻ぴったりに面談を終えることができるのです。

また、このように聞いても「いえ、特にありません。学校の様子はどうですか?」と言われることもあります。その時は、教師が予定していた面談時間をフルに話せばよいのです。

二つ目の理由は、教師の思い込みが保護者の認識と違う場合、修正ができるということです。例えば、冒頭でも述べた次のような失敗を防ぐことができます。

「友達と仲良く頑張っていますよ」と話をした直後に、「うちの子、最近、仲間はずれにされているようなのですが…」と相談される。

そもそも、事前の振り返りなどで、その子の友達関係をしっかり把握しておけば、このような思い込みを告げることにはならなかったのですが、最初に保護者から気になることを話してもらうことによって、その場で自分の印象が思い込みだったことに気付き、「あぁ、そう言えば、確かに、最近Tさんとは遊ばなくなっているなぁ」と、いろいろなことにつながることがあります。

本来は、すでに把握しておかなければいけないことですが、全く気付かないまま過ぎていくことに比べれば、100倍マシです。このことを起点として、話を始めることができます。

ポイント5 予期せぬ話には即答しない

時には、保護者から言われたことが、まったく思い当たらないこともあります。実態を把握できていない状態です。私がそうだったのですが、このような時、ついつい若い教師は、その場しのぎの発言をしてしまいます。

保護者:「うちの子、最近、仲間はずれにされているようなのですが…」

教師:「えっ、そうですか? そんなことないと思いますけど。昨日も、Tさんと遊んでいましたよ」

保護者:「そのTさんから、嫌なことを言われているようなんです」

子どもたちのことをしっかり見ることができていないダメな教師であると思われたくないために、下手な言い訳や思い付きの対応策を述べてしまい、自ら墓穴を掘ってしまうのです。そして、そのことが、さらに保護者に不安や不信感を抱かせることになります。状況が分からないのであれば、なおさら即答してはいけません。

「明日、さっそく調べてお話しさせていただきます」
「学年の先生や管理職にも話をして、学年全体で見ていきます」

しっかり話を聞いて、これからの道筋を誠実に話すことで、保護者の不安は和らぎます。耳触りのよい答えを返す必要はありません。分からないことは「分かりません」とはっきりと言う誠実さが大切です。

ポイント6 具体的にほめる材料を準備する

保護者からの話が終わったら、教師の時間です。子どもの頑張っていることを具体的に話していきます。この時、子どもたちに振り返りで書かせた「がんばっている友だちがいたら教えてください」の項目が生きてきます。

教師:「後藤さんの頑張りはすごいですよね。友達も認める頑張りでしたよ」

我が子の頑張りが、担任だけでなく、クラスの友達からも認められているという事実に、保護者は喜びます。

教師:「いつも丁寧にノートを書いています。丁寧に学習に取り組む子は、これからも力がどんどん伸びていきます」

その子が書いたノートを実際に見せながら、説明します。具体物を見せることで、説得力も増しますし、話も盛り上がります。

ポイント7 気になることは最後に話す

頑張っていることをたくさん話した後に、その子の課題を示します。この順番を逆にしてはいけません。良さをたくさん認めてくれた後だからこそ、課題に対してもしっかり聞こうという気持ちになるものです。また、解決方法を示さずに、課題だけ話して終わるようなことは絶対にしないようにしてください。保護者の教師に対する不信感を増大させるだけです。

ポイント8 終了時刻が来たら、必ず終わる

話そうと予定していた内容がすべて終わっていなくても、終了時刻が近付いてきたら、話を閉めなければいけません。そのためにも、手元に時計を置いて、教師は残り時間を意識して話をしなければいけないのです。どうしても話さなければいけないことが残った場合、後日、話す場(電話でも家庭訪問でも可)を設定してください。

イラスト/浅羽ピピ

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