2024年度版・保護者懇談会資料|5年生の「心と体」データ集
身体的にも精神的にも成長が著しい、思春期初期の5年生。2024年度の新5年生をよりよく理解するための最新資料を集めました。記事内容を1枚のプリントとしてダウンロードできます。保護者会、懇談会などでの配付資料にご活用ください。
目次
身長・体重
令和4年度の文部科学省「学校保健統計調査」によると、身長の平均値は平成6年度から13年度あたりをピークに、その後は横ばい傾向にあります。体重の平均値は平成18年度あたりからほぼ横ばいとなっています。
視力・むし歯
健康についてはどうでしょうか? 視力についての調査によると、裸眼視力1.0未満の子供の割合は年齢が上がるにつれておおむね高くなる傾向にあり、5年生では45%を超えています。
むし歯(う歯)の項目では約4割とこちらも高くなっています。永久歯に生え変わるこの時期の歯磨き習慣は、将来の健康な歯のためにもとても重要です。
■視力 1.0未満
■むし歯(う歯)
運動習慣
コロナ禍では子供の運動量の減少が心配されていましたが、通常の生活にほぼ戻った現在において高学年の子供たちの運動習慣はどう変化したのでしょうか。ママソレ編集部が2023年10月に行ったアンケートの結果では、小学校高学年の1週間の運動時間は、2時間未満が21.6%という結果に。2位は3時間未満で19.9%となりました。
■小学校高学年の子供たちの1週間の運動時間
■何をして体を動かしている?
また、小学校高学年の子供たちに何をして体を動かしているか聞いたところ、男子は「おにごっこ」などの外遊びが1位、2位が「野球やサッカーなどのスポーツ」という結果に。女子は「自転車やキックボードやスケートボード」が1位、2位が「おにごっこや缶蹴り」となりました。
インターネットの利用時間
1日当たりのテレビ、スマートフォン、ゲーム機等による映像の視聴時間は、どうなっているでしょうか? 小学校5年生では、一番多い回答がなんと5時間以上の視聴でその割合も22.9%。次いで2時間〜3時間未満で21.3%となりました。インターネット利用時間の長時間化は体力や視力の低下に影響するため、時間を決めて使用するなど、注意と対策が必要です。
■10歳の子供のインターネット利用時間
起床時間・就寝時間
学研教育総合研究所が2023年10月に発表した「小学生白書Web版」小学生の日常生活・学習に関する調査によると、5年生の平均起床時間は6時38分であり、この起床時間は学年が上がってもほとんど変化がありません。一方就寝時間に関しての平均は21時50分で、学年が上がるにつれて遅くなる傾向も例年通りとなります。特に深夜(22時00分以降)に就寝する子供の割合は5年生で40.0%となっています。これは塾や習い事など、高学年になると放課後の活動が変わることや、通信機器の使用率が上がることが関係しているかもしれません。
読書量(まんが、雑誌以外の紙の本)
子供たちはどのくらい読書をしているでしょうか? 5年生男子の1か月の読書量は平均して2.8冊、女子は3.2冊という結果に。全く読まないという子供も、男子では32%、女子では41%に上ります。女子の全く読まないという回答41%は小学校全体で4年生男子の43%に次いで2番目に多い数値となっています。学年が上がるにつれて読書量が減っていくのは習い事や塾、部活動の時間との関連がありそうです。
性教育について
身体も心も大きく変化し、少しずつ大人へと近付いている小学5年生。ビッグローブ株式会社が2023年6月に行った性教育に関する調査結果を見てみましょう。
■性的同意を含む、性教育がどの年代から行われるのが良いと思うか?
「性的同意を含む、性教育がどの年代から行われるのが良いと思うか」の質問に対しては、「10歳~12歳」が37.6%と全体の約4割を占めて最多となり、小学校高学年を性教育の開始のタイミングと考える人が多いことがわかりました。また、次いで多かった回答が「12歳~13歳(中学校一年生)」の22.4%である一方で、「10歳以下」と回答する人も19.6%という結果から、早期の性教育を必要と考える人が少なくないことも分かりました。
また「性的同意に対する意識教育・啓発はできているか」について、「学校、家庭、学校・家庭以外」に分けた質問に対しては、「できていると思う」と回答した人の割合が最多だった「学校」でも18.8%であり、総合的にみても15.0%にとどまりました。子供と性教育は大きな注目を集めているテーマであり、関連する書籍も続々と出版され「ブーム」とも言える状況。性教育の在り方はさらに議論が続きそうです。
■性的同意に関する意識教育、啓発はできているか?
楽しいと感じる時
5年生に何をしている時が一番楽しいかを聞いたところ、男子の1位はテレビゲーム・携帯ゲームで60%となり、半数を上回っています。外遊びや友達、家族との交流などの倍以上という結果に。コロナ禍に進んでしまったゲームへの依存傾向を、様々な方向へ興味が向くようにサポートして行くことも課題と言えそうです。女子は「友達とおしゃべり」が約3割で1位、続いて「インターネット」「絵や漫画を描く」と続いています。
思春期の始まりにいる5年生の子供たち。学習量も増え、習い事や塾など学校以外のスケジュールも忙しくなってくる頃です。楽しみの時間も大切にしつつ、心も体も不安定になりがちなこの時期の成長をサポートしていくことが必要と言えそうです。
●この記事に限り、文章や画像を保護者会資料等の作成にご利用いただけます。
文/ルル 構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ