小6らくらくUnit 7「My Best Memory」②【モトヨシ先生のスライドde外国語】

連載
モトヨシ先生のスライドde外国語(活動)~パワポで楽しくらくらくICT授業

パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のスライドde外国語」。今回は、NEW HORIZON Elementary English Course 6 Unit 7「My Best Memory ~小学校の思い出のアルバムを紹介し合おう」第2時(学校行事の英語の言い方を身に付けよう)の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント(スライド)教材1つで、外国語活動の授業をらくらくクオリティアップ!

執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学教授・居村啓子

スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう

小学6年生の「NEW HORIZON Elementary English Course 6」のUnit 7「My Best Memory ~小学校の思い出のアルバムを紹介し合おう」全8時の2時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し、活用してください。

パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方

この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
パワポダウンロードへボタン

  • クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
  • デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。

目標と授業の流れ

単元のゴール
小学校生活の思い出を伝え合おう。
○本時の目標
学校行事の英語の言い方を身に付けよう。 

単元の評価規準(クリックすると各領域の評価規準が表示されます)

【聞くこと】
●知識・技能
〈知識〉

My best memory is ~. We went ~. We saw ~. I enjoyed ~. およびその関連語句などについて、理解している。
〈技能〉
小学校生活の思い出などについて、聞き取る技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
相手のことをよく知るために、小学校生活の思い出などについて、短い話の概要を捉えている。
●主体的に学習に取り組む態度
相手のことをよく知るために、小学校生活の思い出などについて、短い話の概要を捉えようとしている。
外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、海外の国について、短い話の概要を捉えようとしている。

【読むこと】
●知識・技能
〈知識〉
小学校生活の思い出などについて、簡単な語句や基本的な表現を理解している。
〈技能〉
小学校生活の思い出などについて、書かれた英文を理解する技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、小学校生活の思い出などについて、書かれた簡単な語句や基本的な表現の意味が分かり、声に出して読んでいる。
●主体的に学習に取り組む態度
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、小学校生活の思い出などについて、書かれた簡単な語句や基本的な表現の意味を分かろうとし、声に出して読もうとしている。

【話すこと】
●知識・技能
〈知識〉

My best memory is ~. We went ~. We saw ~. I enjoyed ~. およびその関連語句などについて、理解している。
〈技能〉
小学校生活の思い出などについて、My best memory is ~. We went ~. We saw ~. I enjoyed ~. およびその関連語句などについて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合う(話す)技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、小学校生活の思い出などについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合っている(話している)。
●主体的に学習に取り組む態度
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、小学校生活の思い出などについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おう(話そう)としている。
外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、わたしの学校について、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おうとしている。

【書くこと】
●知識・技能
〈知識〉

小学校生活の思い出などについて、英文の語順などを理解している。
〈技能〉
小学校生活の思い出などについて、例文を参考に書く技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、小学校生活の思い出などについて、例文を参考に書いている。
●主体的に学習に取り組む態度
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、小学校生活の思い出などについて、例文を参考に書こうとしている。

○言語材料
(表現)
My best memory is ~. We went ~. We saw ~. I enjoyed ~. など
(語彙)学校行事(chorus contestなど)、したこと(wentなど)、建物など(templeなど)、動作など(sing, playなど)

本時の流れ(例)

  1. 挨拶
  2. Small Talk
  3. ALTの Best Memory2
  4. 単元のゴール、本時のめあての確認
  5. デジタル教科書 Starting out ③④
  6. 学校行事ボードゲーム
  7. Let’s Read
  8. トルネード・ゲーム
  9. デジタル教科書 Sounds and Letters 音つなぎ
  10. ふり返り

各活動の流れ

①挨拶

元気に明るく挨拶をして、How are you? How’s the weather? などを児童に質問してみましょう。

②Small Talk

「週末について」Small Talk を行います。

Unit 4 Summer Vacationwent, enjoyed, ate などの過去形を学習しています。本単元でも、それらの過去形などを活用して、小学校生活の思い出を児童が伝えます。過去形の表現を身に付けるために、Small Talk のトピックを「週末について」にしました。

ワークシートは記事の最後でダウンロードできます

児童がワークシートにそれぞれの週末に行った場所や楽しんだこと、食べたものなどを記入していきます。児童のワークシートは、すべて提出させます。教師は、ワークシートの中から1枚選び、Who am I? と「なりきりクイズ」にして、クラスの誰の週末だったかを児童に当てさせましょう。教師は学級の児童の「誰か」になりきっているので、児童には Are you(児童名)? で質問をさせ、Yes, I am. / No, I am not. で答えましょう。友達だからこそ「これ、○○さんでは?」などと予想をするので、児童も楽しんで活動することができます。

児童がワークシートに記入している間に、教師は学級の「誰で」なりきりクイズをするか見取りましょう。意図的に選ぶことで、楽しい週末を過ごした児童を選ぶことができます。家でゲームをしていた児童がいたら、「絶対○○君だ!」などとつぶやきがあったりして、楽しい雰囲気で学習を進めることができるでしょう。

本時では、なりきりクイズで行いましたが、次回の Small Talk ではペアで会話を行います。

③ALTのBest Memory2

前時でも、ALTの小学校の思い出を児童に伝えてもらいました。当時の勤務校はALTが複数名いるときがあったので、2人のALTにそれぞれの小学校時代の思い出を話してもらい、2人目は第2時に行いました。そのときのALTの録画データをパワーポイントに挿入してあるので参考にして、自校のALTに動画を作成してもらって進めてみましょう。進め方は前時の内容を確認してください。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

ALTでなくても、児童と関わりの深い学年の先生や専科の先生、前担任などの思い出を録画しておいて活用したりすることもできるでしょう。特に異動された前担任の先生のMy Best Memoryを3月の終わりに前もって録画しておくと、児童も喜ぶこと間違いありません!

④単元のゴール、本時のめあての確認

単元のゴール、本時のめあてを確認しましょう。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

⑤デジタル教科書 Starting out ③④(P64)

日本や世界の子供たちの小学校生活の思い出について、聞こえた順に□に番号を書こう。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

教科書の Starting Out の問題です。前時で(DAの2問)を、本時で(CBの2問)を扱うとよいと思います。

なお、デジタル教科書には映像用のクリックと音声用のクリックがあります。どちらを活用するかも先生の判断になります。私は Unit 7 では、1、2問目は映像を見せて、3、4問目は音声のみという使い方で行いました。実態に応じて使い分けてください。

⑥学校行事ボードゲーム

前時に行ったボードゲームです。詳しくは前時の記事を確認してください。

ゲームボードは記事の最後でダウンロードできます

前時と同じボードを活用した活動ですが、まったく同じルールで行うと、児童は飽きてしまいます。ちょっとした工夫を行うだけで、児童の意欲を高め、そして楽しみながら行事の英語での言い方を身に付けることができます。

基本的なルールは同じです。追加するルールは、カードをめくって進める場合のみ、さいころを振ることです。出た目の数だけ進むことができます。その際、コマにある行事名を英語で発話するように伝えましょう。私の場合は、出た目が2と3のときは1マスずつ、4と5のときは2マスずつ、6のときは3マス、そして1のときは0マスとしました。オリジナルルールをつくって行ってみましょう。

⑦Let’s Read

児童が本時で扱った学校行事の表現をどれくらい身に付けることができたか、個別に発話させてみましょう。教師は机間指導を行い、I can not read. のほうに児童がカードを置いている場合は、個別に対応しましょう。ALTと協力してサポートすることができると思います。机間巡視を行うことで、児童がどの行事名が言えないのか、それは特定の行事名に限られているかなどを把握することができます。そうすることで、全体で発話をする際に、どの行事を重点的に扱えばよいのか選ぶことができます。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

児童の中には、すべての行事名を英語で言えるようになっている場合もあります。そのときは、児童を先生役にして教え合いを行わせることもできます。

⑧トルネード・ゲーム

I ate ~. の表現を楽しみながら身に付けることができるように、簡単な活動を準備しました。

縦のイラスト、横のイラストから好きな食べ物を選んで I ate ~ and ~. の一文を発話させ、交差したところの青いパネルをクリックしてめくります。パネルをめくると得点が表示され、グループやペアで得点を競わせる活動です。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

では、具体的にどのように活動を進めていくか紹介します。まずは、どのようなゲームなのか、教師とALTのデモンストレーションにより理解させましょう。

(スクリーンを指して)Look at the screen.

You can see a lot of food pictures here.(縦と横のイラストを指さしながら)

例えば赤い○のところのパネルの得点を取りにいくとします。英語で行う場合は、以下のように進めてみましょう。

What did you eat?

I ate sushi and spaghetti.

O.K. You ate sushi and spaghetti.
Let’s see how many points you can get.

と言って、赤い○のパネルをクリックして得点を表示します。

You got 60 points!!  Now, it’s your turn.

たくさんの児童に発話する機会を設ける場合は、I ate sushi and spagehtti.をペアが1文ずつ、縦と横のイラストから選んで答えることもできます。

A-san, what did you eat?

I ate sushi.

How about you? B-san, what did you eat?

I ate spaghetti.

このようにすると、ペアでまずどのパネルの得点を取りにくか相談したり、そのパネルを取るための英語の言い方を確認し合ったりすることができます。私は児童に多くの発話の機会を設けたいのでこの方法で行っています。

活動の仕方は2パターン準備しましたので、実態に合わせて選んでください。

1.トルネード、リバースのルールあり
学級をAとBの2つのグループに分けます。クリックすると得点が表示されますが、得点以外に2つのアイテムがどこかに隠されています。

1つ目のアイテムはトルネードです。例えば、Aグループの誰かがトルネードのパネルを開いてしまったら、Aグループの得点が風で吹き飛ばされて0点となります。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

2つ目のアイテムはリバースです。どちらのグループでもリバースを開いてしまうと、AとBのグループの得点が交換されてしまいます。リバースアイテムはとても盛り上がります。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

2.得点コントロールあり
この活動は、得点がないとなかなか成立しないと考えたので、得点を与えることにしました。私がここで工夫したポイントは、得点を教師がコントロールできるようにしたことです。

この活動は、得点をとることを楽しみにして、児童が意欲的に取り組みます。ところが、グループ毎の得点差があまりに離れてしまうと、得点が伸びないグループの児童の意欲が低下してしまいます。教師の意図としては、学習している表現を個人個人が自信をもって言えるようになってほしいということです。よって、児童に分からないように、得点差が開き過ぎないようコントロールして、活動の意欲を持続させるように仕かけをしておきました(笑)。

得点のコントロール方法
青いパネルの右側をクリックするか、左側をクリックするかで、表示される得点が変わるようになっています。パネルの「右側」をクリックすると「やや高めの得点」が表示され、「左側」をクリックすると「やや低めの得点」が表示されます(パネルをクリックするときは、真ん中を避けて、必ず右側か左側かをクリックするように注意して行ってください)。

この方法で行うと、ある程度、教師が得点をコントロールできるようになります。
教師は、高い得点、低い得点が書かれたメモを印刷して手元に置きながら授業を進めるとよいでしょう。

↑高い得点、低い得点が書かれた確認用のメモ。パワーポイントに非表示で入れてあります。

この活動は、I ate ~. の表現を身に付けて「小学校生活の思い出」を伝えるときに自己表現ができるようにするために行います。言語活動ではなく、ゴールに向けてのインプット活動と捉えて行いましょう。活動する前に何のために行うのかを児童と確認するようにしましょう。本時以降も I saw ~.  I enjoyed ~. で同じ活動を行っていきます。

⑨デジタル教科書 Sounds and Letters 音つなぎ(P93)

デジタル教科書のQuiz⑦⑧⑨の問題を行います。音声を聞いて、絵に合う文字を線で結ぶ活動です。デジタル教科書の音声で難しいと児童が感じているようであれば、教師やALTが再度繰り返し読んでみましょう。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

⑧ふり返り

本時の学習をふり返り、全体で共有をしましょう。


居村啓子

居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。


本好利彰

本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。 2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。


パワーポイント(スライド)ダウンロード

6年Unit7-2パワーポイント(38スライド)、ワークシート(3点)

パワーポイント見本
学校行事カード
学校行事ボードゲーム
週末についてワークシート

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構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ・やひろきよみ・横井智美  アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子

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