小5らくらくUnit 7「Welcome to Japan.」③【モトヨシ先生のスライドde外国語】

連載
モトヨシ先生のスライドde外国語(活動)~パワポで楽しくらくらくICT授業

パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のスライドde外国語」。今回は、NEW HORIZON Elementary English Course 5 Unit 7「Welcome to Japan. ~日本の四季ポストカードを紹介しよう」第3時(何の日本の行事かヒントを考えてクイズにして出し合おう)の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント(スライド)教材1つで、外国語の授業をらくらくクオリティアップ!

執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
授業提案/福島県公立小学校教諭・木田智子・佐藤有美・本好利彰
監修/拓殖大学教授・居村啓子

スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう

小学5年生の「NEW HORIZON Elementary English Course 5」のUnit 7「Welcome to Japan. ~日本の四季ポストカードを紹介しよう」全8時の3時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し、活用してください。

パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方

この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
パワポダウンロードへボタン

  • クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
  • デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。

目標と授業の流れ

○単元のゴール
留学生に「〇〇市のすてき」を紹介しよう。
○本時の目標
何の日本の行事かヒントを考えてクイズにして出し合おう。

単元の評価規準(クリックすると各領域の評価規準が表示されます)

【聞くこと】
●知識・技能
〈知識〉
What do you like ~? We have ~. I usually ~. You can ~. およびその関連語句などについて理解している。
〈技能〉
日本の四季や文化などについて、聞き取る技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
相手のことをよく知るために、日本の四季や文化などについて、短い話の概要を捉えている。
●主体的に学習に取り組む態度
相手のことをよく知るために、日本の四季や文化などについて、短い話の概要を捉えようとしている。
外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、日本在住の外国出身の人について、短い話の概要を捉えようとしている。

【読むこと】
●知識・技能
〈知識〉
アルファベットの活字体の大文字・小文字について理解している。
〈技能〉

アルファベットの活字体の大文字・小文字を識別したり、その名前を発音したりする技能を身に付けている。

【話すこと】やりとり・発表
●知識・技能
〈知識〉
What do you like ~? We have ~. I usually ~. You can ~. およびその関連語句などについて理解している。
〈技能〉
日本の四季や文化などについてWhat do you like ~? We have ~. I usually ~. You can~. およびその関連語句などを用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合う技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、日本の四季や文化などについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合っている(話している)。
●主体的に学習に取り組む態度
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、日本の四季や文化などについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを話そうとしている。
外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、日本文化について、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おうとしている。

【書くこと】
●知識・技能
〈知識〉
アルファベットの活字体の大文字・小文字について理解している。
〈技能〉
アルファベットの活字体の大文字・小文字を書く技能を身に付けている。

○言語材料
(表現)
Why do you like ~?  We have ~ in ….  What do you do on ~?  I usually ~. You can ~. It’ s ~.
(語彙)季節(springなど)、形(circleなど)、遊びなど(campingなど)、年中行事(birthdayなど)

本時の流れ(例)

  1. 挨拶
  2. デジタル教科書 Starting Out ③
  3. Small Talk
  4. 単元のゴール、本時のめあての確認
  5. デジタル教科書 Let’s Try ② 5ヒントクイズ
  6. デジタル教科書 Sounds and Letters 形のにている文字
  7. ふり返り

各活動の流れ

①挨拶

元気に明るく挨拶をして、授業をスタートしましょう。

②デジタル教科書Starting Out ③(P66)

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

デジタル教科書の Starting Out の問題に取り組みましょう。1時目には Starting Out の1問目、2問目を行いました。本時は3問目のAを行います。リスニングは What season do you like? 春夏秋冬どの季節が好きか、また、その好きな理由を聞く内容となっています。

デジタル教科書の Starting Out の活用方法の1つとして、次の学習につなげることができる場合は、関連するリスニング1問だけを意図的に扱うこともあります。リスニングの答えを確認してから以下のように進めて、Small Talk につなげてみてはいかがでしょうか。

Let’s check the answer.
O.K. Now, let’s talk about your favorite season. What season do you like?

と言ってSmall Talkを行います。

③Small Talk

活動②の流れから、まずは教師の自己開示を含めて、ALTとやり取りのデモンストレーションを行いましょう。次に、教師と児童で行います。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

Small Talk は、5年生では教師―児童、6年生では児童―児童でのやり取りを目標にしています。私の勤務している学校では朝の時間に「ショート・イングリッシュ・タイム」として、教育課程で位置付けています。そのため5年生でも、児童同士のやり取りをたくさん行っています。児童の実態に応じて、ペアでのやり取りを行うか判断するとよいでしょう。
ペアを替えて何度か行ったら、教師はやり取りをしていて困ったことはないかを児童に問います。児童が表現したいことや伝えたいことがあり、それらが既習事項から引き出せるようであれば全体に問い、思考させます。児童が言いたいことが既習事項から引き出すことができない場合は、ALTや教師が個別に伝えます。その際も、他の児童が分かるようなシンプルな表現にする配慮が必要となります。最後に教師と児童、児童と児童に発表させましょう。

④単元のゴール、本時のめあての確認

前時に確認した単元のゴール「留学生に〇〇市のすてきを紹介しよう」と本時のめあてを確認しましょう。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

⑤デジタル教科書 Let’s Try ② 5ヒントクイズ(P68)

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

教科書には、Let’s Try ②に「日本の遊びや年中行事などについて、友達とペアでクイズを出し合おう」と記載されていますが、自校化した単元のゴールに向けて、活動を5ヒントクイズにしました。

単元のゴールは、「留学生にいわきのすてきを紹介しよう」と本校では設定しました。先生方の学校で同じようなゴールを設定できなかったとしても、例えば「ALTの先生に日本の行事を伝えよう」と設定することができると思います。

単元のゴールに向けて学習を進めるにあたり、ここでは行事からイメージできることを英単語1語で児童が考える活動を行います。本時は行事からイメージできることを、まずは単語で言うことができるようになり、単元のゴールでは学習したことを文にして伝えることができるようにしていきます。

まず、学習のイメージをもたせるために、教師が5ヒントクイズを出題します。以下のようにパワーポイントを活用しながらクリックしてヒントを出していきます。

例題では、正解の行事を「花見」としてみました。スライド左側の×は Picture Dictionary にはのっていない行事だよと伝えるために、このようにしてみました。児童に、①~⑤のヒントから何の行事であるか What event is this? と質問してみましょう。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

デモンストレーションを行ったら、次は児童にクイズを考えさせます。4、5人のグループをつくり、グループで決めた行事に対して児童がヒントを5つ考えます。

全部のグループが5つのヒントを考えるまで待つと、ロスタイムが生まれて効率的ではないので、私の場合は5つのヒントを完成させたグループから順にクイズを出題させました。出題が終わったグループは、2つ目の行事のヒントを考えさせるようにしました。

また、ワークシートを準備すると児童がカタカナでメモをしてしまう様子が見られたことがありました。なので、メモなどは書かせずに話合いを行うとよいと思います。

ここでどれだけ多くのヒントを出せるかが、単元のゴールの学習を成功させる鍵です。本時のこの学習は、単元のゴールに向けた大切な学習となります。

グループによっては、なかなかヒントが思い浮かばないこともあるでしょう。そのときは、児童が具体的にイメージできるように下のようなスライドを提示して、児童が思考しやすいように手立てを講じましょう。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

教師の5ヒントクイズで出題した「花見」であれば、季節=spring、食べ物=lunch box、色=pink などが考えられます。またその他にも、その行事のイメージを形容詞を使って表現させてもよいでしょう。花見であれば beautiful のように表現することができます。

⑦デジタル教科書 Sounds and Letters 形のにている文字(P90)

教科書に載っている Sounds and Letters の問題です。本時は、大文字と小文字で形が似ているけれど、少しだけ違うアルファベットを、児童が考えることができるように指導していきます。

教科書を開いてしまうとどんな文字か分かってしまい、「なぞる」だけの活動になってしまうので、教科書は開かせずに、児童が思考できるように進めましょう。まずはモニターに以下のパワーポイントを提示します。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

形が似ている大文字・小文字なので、スライドの下の部分で、C c O o のように形のまったく同じ大文字・小文字ではないことを伝えます。英語で行う場合は以下のように進めてみてはいかがでしょうか。

Look at the screen.
Look at the first one with two blue squares. This is the big alphabet letter 「 I 」.

と言って、スライドをクリックして「 I 」を表示させます。

Can you write the small alphabet letter 「 i 」 on the blackboard?

Yes, I can.

児童が黒板に「 i 」と書いてから、スライドをクリックして「 i 」を表示させます。

I と i のように大文字と小文字で似ている文字は、他にどんなものがあるかな?
Talk with your friends, please.

と言って児童同士で考える時間を与えます。

児童が、教科書と同じ「形の似ているアルファベット」を発表したら、それぞれの色のパネルをクリックして、アルファベットを表示させましょう(教師は、教科書P90を手元に開いておきましょう)。また、黒板にアルファベットを書かせて発表させる方法もできると思います。実態に合わせて行ってください。

オレンジのパネルは、大文字の I (アイ)と小文字の l (エル)です。この文字は、児童は分からない場合が多いです。
そこで、このパネルだけは2重になっていて、1枚目のパネルをクリックすると、文字の上の部分が少し見えるようになり、これがヒントになるようにしました。

↑大文字アイ(I)、小文字エル(l)の上の部分が少し見える。

クイズの後は、ここで扱った「形の似ている文字」の好きなものを児童に書かせましょう。

⑧ふり返り

本時の学習をふり返り、全体で共有をしましょう。


居村啓子

居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。

本好利彰

本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。 2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。

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構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ・やひろきよみ・横井智美  アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子

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