保護者クレーム対応に効く!誠実でやわらかい教師のフレーズ13
保護者からのクレームに対しては、まずその気持ちをよくきき、受けとめることが第一です。かっとして言い返したり、理屈で封じこめようとしてはいけません。よくある保護者の言葉への、誠実でやわらかい対応表現の例をあげてみました。
執筆/長谷川かほる
友人同士のけんか、学習についてのクレームなど、ケース別の保護者対応についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も必見!→保護者の怒りを鎮火させるプロ教師のクレーム対応11選
目次
保護者からのクレーム対応例あれこれ
「何度もお電話しているんですよ。」
→お電話いただいたのに、主張や会議などでなかなかタイミングが合わなかったようで、本当にもうしわけありませんでした。
「お忙しいでしょうが、もっとゆっくり、話をきいてください。」
→そんなふうに思わせてしまって、本当にもうしわけありません。今度お時間をつくっていただいて、ゆっくりお話しましょう。お母さんのご都合のよい日を教えてください。
「前の担任のA先生のときは、こんなことはなかったわ。」
→A先生はベテランの先生でしたから。私も、まだまだ未熟ではありますが、よいクラスにしていこうという気持ちは、誰にも負けないつもりです。ご一緒に最善の解決策を考えていきたいと思います。
「去年までとやり方が違う。おかしいじゃないですか。」
→子どもたちのようすも、昨年とは少し違ってきています。子どもたちの発達段階や成長のようすをみながら、実態に合ったやり方をしているつもりですが、どのようなやり方がよいとお考えでしょうか。ご意見をいただければと思います。
「ほかのお母さん方も、みんなそう言ってます。」
→お母さんお一人おひとりに私の考えをお伝えし、個別に対応させていただきます。今後のこともございますから、よろしかったらみなさんのお名前を教えていただけますか。
「どうして、すぐに改善してくれないんですか。」
→段階をふみながら、よりよい改善策を考えておりますので、少しお時間をいただけたらと思います。
「あなたじゃらちがあきません。教育委員会に電話します。」
→解決するために力を合わせなければならないのは、親御さんと私です。よりよい解決策を探すために、もっと話し合いましょう。
「校長先生はいないんですか。学校としての見解を知りたい。」
→わかりました。必ず校長に伝えます。校長は本日不在ですので、あらためてそちらのご都合をおききして、校長より説明させていただきます。
「うちの子の気持ちを、先生はわかってくれない。」
→私としては、B子ちゃんの気持ちに寄り添い、共感的に受けとめるようつとめているつもりでいましたが、B子ちゃんがもしそのように感じてしまったのなら、担任としてまだまだがんばらなければいけませんね。
「不安なので、私が毎日学校へ参観に行ってもいいですか。」
→お母さんのお気持ちはよくわかります。C男さんにとってそれが最善の方法か、もう少し様子を見てみましょう。もしかしたらC男さんにとって、大きく成長する絶好のチャンスかもしれません。少しお時間をください。
「うちの子には、特別に配慮してほしいんです。」
→親御さんは、みなさん「わが子は特別に」と思っていらっしゃるかもしれませんね。でも、一人だけ特別ということになると、ほかの子どもに不公平感をもたせてしまうかもしれません。D子さんにとっても、それはあまりよいことではないと思います。どうぞご理解ください。
「なぜうちの子ばかり、いろいろな仕事を担当させられるのですか。」
→そんなつもりはなかったのですが、E男さんはとても責任感があって、しっかりしているので、どうしても信頼して頼んでしまったのかもしれません。でも、クラスのみんなのために仕事をしてくれるE男さんは、本当にすばらしいです。
「私から、(うちの子にけがをさせた)Fくんの家に連絡します。電話番号を教えてください。」
→Fくんのおうちには私から連絡いたします。もしFくんの親御さんが、そちらにご連絡したいとおっしゃったら、おたくの電話番号をお教えしてもよろしいですか。
イラスト/須藤裕子
教育技術MOOK『COMPACT 64 保護者対応12か月』より