【相談募集中】引継ぎもなく辞めた学校の周辺地域で講師の仕事を望むのは不可能か
みん教相談室に寄せられたのは、「引継ぎもしないまま年度途中で退職してしまった事実があると、同じ地域でまた講師の仕事を得ることは難しいか」という相談。ここでは、元札幌市立小学校長・佐藤裕三先生からの回答をシェアします。
目次
Q.引継ぎもなく辞めた学校の地域周辺で講師の仕事を望むのは不可能でしょうか
常勤講師をしていましたが、年度途中で辞めてしまいました。荒れた気質の子どもたちが集まったクラスに公務も多く、突然引き継ぎもなく辞めてしまいました。その地域周辺で、講師の仕事を望むのは無理でしょうか。お願いします。
(アマイ先生 50代)
A.まずはアクションを起こしてみないことには分かりません
ご相談の内容は「引継ぎもせずに途中で辞めてしまったこと」が、「近接地域での講師としての採用のマイナス材料」にならないだろうか、ということだと理解しました。結論から言うと、これは「分かりません」。
確かに学校や教育委員会から見れば好ましくない辞め方だったのかもしれません。ただ、詳しい事情やこれまでの実績を教育委員会はどのように判断しているのか、また、各自治体の教員の需給関係はどのようになっているのか、そういったことは地域によってそれぞれですし、外部の人間には分からないことです。
不安をおもちでしょうが、起こるかどうか分からないことを心配しても仕方がありません。本当に再度教員を目指したいのであれば、まずは「応募してみる」の一手でしょう。
唐突ですが「地震」のことを考えてみてください。巨大地震は何十年かの間に必ず起こると言われています。ですが、私たちは毎日巨大地震を心配しながら暮らしているでしょうか? 私たちがしているのは、水や食料を備蓄したり、家具が倒れにくいようにしたり、ガスや電気が止まったときの用意をしたり……といったことですよね。
つまり、「考えても分からない」ことに対しては、「心配する」ことよりも「備える」ことが大切になるのです。
例えば私の知り合いの講師で、心を病んで学級担任を途中で退職したあと、同じ自治体で特別支援学級担任として採用された方がいます。専科指導教員や特別支援学級の担任など、枠を広げて考えておくこともあり得るでしょう。
また、残念ながら希望が叶わなかったときはどうするか。他の地域で講師にチャレンジするのか、別の仕事も視野に入れるのか。他にも考えられることがあるかもしれませんね。
一歩踏み出すことでよい職が見つかり、今度は最後までご自身の納得のいく仕事ができますよう応援しています。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。