小1算数「ふえるといくつ」指導アイデア《加法の意味を考える》

特集
1人1台端末時代の「教科指導のヒントとアイデア」


監修/文部科学省教科調査官・笠井健一、新潟市立新津第一小学校・第一幼稚園校園長・間嶋哲

単元の展開

第1時 合併の場合の数量の関係に着目し、加法の意味や式の表し方を考える。

第2時 合併の場面を加法の式に表し、答えを求める。

第3時 増加の場合の数量の関係に着目し、加法の意味や式の表し方、計算の仕方を考える。

第4時 増加の場面を加法の式に表し、答えを求める。和が10以内の加法の計算。文章問題を通して加法の意味理解を深める。

第5時 計算カードを使った、和が10以内の加法計算の練習を行う。

第6時 0を含む場面で数量の関係に着目し、加法の意味や式の表し方を考える。

第7時(本時)お話づくりで、式の読み取りに着目して、加法の意味を考える。

第8時 学習内容の習熟・定着を図る。

本時のねらい

合併や増加の場面を想像し、問題づくりを行うことを通して、加法の意味理解を深めることができる。

評価規準

  • 絵を見て、加法の合併や増加の問題をつくり、図や式を関連付けて解くことができる。(知識・技能)
  • 絵を見て、加法の合併か増加かを判断し、問題をつくることができる。(思考・判断・表現)
  • 絵を見て、加法の合併や増加の問題をつくろうとしている。(主体的に学習に取り組む態度)

本時の展開


子供にとって身近な日常場面を問題場面として扱いましょう。合併や増加の問題がつくりやすいように、人や植物、虫や鳥、遊び道具などを入れるとよいでしょう。
(例)
・公園やグラウンドで遊んでいる場面
・教室で友達と過ごしている場面
・運動会の場面

(教室の大型テレビやスクリーンに場面絵を写して)この絵を見てください。

公園の絵だ。楽しそう。

みんなも放課後に公園に行って遊ぶことがありますよね。

あります。私は近所の公園で毎日遊びます。

昨日○○さんと行きました。

この絵からどんなことが分かりますか。

子供が遊んでいるところに、3人の友達がやってきたよ。

赤い花が2本と黄色い花が3本あるよ。

なるほど。数字を使って、絵のことを説明できるんですね。まだまだありそうなので、もう少しペアでお話しましょう。

※どんな場面か、何があるかを、数字を使って話合う場を設定します。場面を想像させ、問題づくりに繋げます。

たくさん出てきましたね。今日は、この絵から分かることを使って問題をつくってもらおうと思います。


こうえんの えから、もんだいを つくろう。

問題をつくるってどういうことかな。

問題のお話をつくるということです。何算のお話ができそうですか。

たし算のお話ができそうです。

前にやった「合体」のたし算とか「増える」のたし算ができそうです。

たしかに。でも、お話はつくったことないな。

「合体」のたし算や「増える」のたし算を、どうやって問題にすればいいのかな。


いろいろなたし算を問題にするにはどうすればよいかな。

見通し

問題をつくるときに、どんな言葉が使えそうですか。

合体のたし算だったら「合わせて」です。

増えるたし算だったら「やってきました」とか「ぜんぶで」です。

なるほど。それでは、問題をつくってみましょう。問題ができたら式や答えも書きましょう。(この後、ワークシートを配付する。)

自力解決の様子

A つまずいている子

加法の問題場面を絵の中から見付けられるが、合併か増加かは捉えていない。場面を表す言葉と図、式が関連していない。


B 素朴に解いている子

加法の合併と増加の違いを絵から見付け、「合わせて」「やってきました」などの言葉が問題文に表れる。図と式の関連は意識していない。


C ねらい通り解いている子

加法の合併と増加の違いを正しく捉えているため、「合わせて」「やってきました」などの言葉が問題文に表せる。問題文と図、式が関連している。

学び合いの計画

できた問題は、ペアやグループの友達と出し合います。以下の活動の流れを学級全体で確認したうえで、活動に取り組ませましょう。

たくさんつくることができた子の問題を例にするとよいでしょう。

①問題を読む。
②問題の場面をブロックで表す。
③ブロックを操作しながら説明する。
④操作を基に、式を立てて答えをノートに書く。

このような流れで問題を解きます。①~④が終わったら交代です。 教師は、机間指導をしながらほめたり、困っている子がいないか確認したりしましょう

ワークシート例

イラスト/横井智美、やひろきよみ

学校の先生に役立つ情報を毎日配信中!

クリックして最新記事をチェック!
特集
1人1台端末時代の「教科指導のヒントとアイデア」

授業改善の記事一覧

雑誌『教育技術』各誌は刊行終了しました