クイズで児童と仲よくなろう!!

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元山形県公立学校教頭

山田隆弘

学級経営で何より重視したいのは、教員と児童との信頼関係。ちょっと堅苦しい言い方をしましたが、要するに児童たちと仲良くなるきっかけをたくさんつくりたいですよね。
そして、同じ仲良くなるなら、教員として少しでも児童のためになることをしてあげたい、と考えるのは自然なこと。そこで効果的なのが「クイズ」です。たいていの児童は興味をもってくれますし、思考力やコミュニケーション力の育成など、メリットも多いです。たくさん活用していきましょう!

【連載】マスターヨーダの喫茶室~楽しい教職サポートルーム~

1 赴任先や新学期でクイズ

新しく赴任した学校で自己紹介をするときや、新たに受けもつ学級で、自分のことを印象深く覚えてもらえる手法にクイズがあります。例えば…。

「今度、この学校に赴任してきた○○です。せんせいは、ずっとスポーツをやってきました。さて、それは次のうちどれでしょうか??
①野球  ②水泳  ③すもう
(間をおいて)みなさんと廊下ですれ違ったときなんかに、正解を教えますので、声をかけてね!

新任式後、3日間くらいは、このクイズの答えを聞きたくていろいろな学年の児童が話しかけてくれ、仲良くなることができます。

2 校長せんせいのクイズ

校長室は、外来のお客さんが通されることも多く、児童にとっては学校で最も近づきがたい場所かもしれません。しかし、校長は少しでも児童理解を進めたいし、学校の施設全体で子どもたちは心のハードルを感じず、主人公であってほしい…。
こんなことをやっている校長せんせいがいました。

①校長室の前に、クイズを掲示しておきます
②チャレンジしたい人は、校長室に入ってください(必ずノックしてね)
③正解だったら、校長せんせいから、とっておきのシールがもらえます

児童は校長室に入ったことをクラスの友達に自慢します。
そして、児童は校長せんせいと親しく話したことを家庭でも話します。
校長せんせいをぐっと身近に感じることができます。
校長せんせいにとっても、児童の顔と名前が一致するようになり、児童理解が深まります。

3 学級づくりのクイズ

入学したばかりの児童は、お互い知らないことが多く、友達もいません。
なかなか打ち解けにくく、また不安でいっぱいです。
ある1年生担任のせんせいは、こんなことをやっていました。

①教室の入り口に小さなホワイトボードをかけておきます
②ボードに、担任に関するクイズを書きます
③「せんせいの すきな いろは なんでしょう?」
 「せんせいは きのう なんじごろ いえに かえったでしょう?」
 「せんせいが こどもの ころ すきだった おべんきょうは なんでしょう?」
 「せんせいが いちばん すきな のみものは なんでしょう?」
 などなど…。
④朝の会などで「今日のクイズ分かったかな?」と、話のフリにします

担任と児童が話すキッカケを増やすことはもちろん、児童同士で「答えは何だと思う?」などと、話題を提供することにもつながるでしょう。
通常の会話が苦手な児童も、ゲーム感覚であれば、すんなり話せるようになるものです。

4月のはじめの頃はもちろん、学校探検を行うときにクイズを各所にちりばめたり、夏休み前に生活習慣への注意を題材にしたり、休み明けのリスタート時に新学期をネタにしたりと、時期に合わせたクイズを用意するとおもしろく、児童間でも会話が盛り上がるなど、学級づくりに役立ちます。

4 掲示物を活用するクイズ

学校では、出版社や企業、各種団体から提供された掲示物を貼っておくことが多いです。
最初は多少の注目を集めますが、やがてただの背景となり、誰も気に留めなくなってしまいます。
結構良いことが書いてあったりするのに…、もったいないです。
そこで付箋紙にクイズを書き、掲示物に貼ってみましょう。さらに、児童にも、自分で考えたクイズを追加してOKとしてみます。
これだけで、結構な学びになります。
英語コーナーを作り、覚えてもらいたい単語を、身近なクイズ形式にするのもオススメです。

科学的アプローチから「たのしい授業」を研究している仮説実験授業研究会では、授業づくりの手法として、児童に3択問題を出し、答えを予想させ、その理由を考え、検証させていく、という流れをとります。科学の原則である、
仮説→実験計画→実験→データ分析→解釈
を、児童にも分かりやすい方法で行う、ということですね。理科はもちろん、そのほかの教科でも応用できます。わたしは、よく体育の学習などで使いました。3択で疑問を投げかけると、児童は思考の手がかりを得て、授業に集中し、より深く考えるようになります。
これも、一つの「クイズ」ですね。
児童がクイズに挑戦することで、児童とわたしたちが近くなれるし、話題も共有できるし、効果的に授業を進めていくこともできます。困ったときにクイズ! で硬直した事態を打開することもできます。
どんなクイズが現代の児童にウケるか考えてみたいですね。


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マスターヨーダの喫茶室は土曜日更新です。

山田隆弘先生

山田隆弘(ようだたかひろ)
1960年生まれ。姓は、珍しい読み方で「ようだ」と読みます。この呼び名は人名辞典などにもきちんと載っています。名前だけで目立ってしまいます。
公立小学校で37年間教職につき、管理職なども務め退職した後、再任用教職員として、教科指導、教育相談、初任者指導などにあたっています。
現職教員時代は、民間教育サークルでたくさんの人と出会い、様々な分野を学びました。
また、現職研修で大学院で教育経営学を学び、学級経営論や校内研究論などをまとめたり、教育月刊誌などで授業実践を発表したりしてきました。
『楽しく教員を続けていく』ということをライフワークにしています。
ここ数年ボランティアで、教員採用試験や管理職選考試験に挑む人たちを支援しています。興味のあるものが多岐にわたり、様々な資格にも挑戦しているところです。

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