【相談募集中】問題行動のある児童とこの先、どう接していけばよいかわかりません

特集
先生のための個別相談サービス【みん教相談室】相談&回答一覧

教育アドバイザー

多賀一郎

20代の女性教諭から「みん教相談室」に相談が届きました。問題行動のある児童に対してどんな支援、声かけをするのが良いかという相談内容です。これに回答してくれたのは教育アドバイザー・多賀一郎先生。相談者に寄り添い、今できることをアドバイスしてくれました。その内容をシェアします。

イラストAC

Q. トラブルの多い児童、担任の私に問題があるからでしょうか

質問失礼します。クラスにこんな児童がいます。小学校1年生です。いい所ももちろんありますが、困っている所を挙げます。

  • カッとなるとすぐに手が出る(友達とのトラブルが頻発)
  • 体が大きく力が強いため、された側は痛みが強い
  • 口が悪い
  • 友達にも大人にも、遊んで欲しい、かまって欲しいという気持ちがとても強く、それが理由でちょっかいを出すこともある
  • 担任や支援の先生に反抗的(舐めている? 甘えている?)
  • しないといけない行動を取るよう促してもすぐには聞かない、時間がかかるか、聞かないか、反抗するか
  • 男性教員の言うことは比較的すんなり聞く
  • 強く言うとしおらしく話を聞く時もある
  • したことを素直に認めようとしない
  • 朝、教室に入ることを渋る
  • 「何もおもしろくない」「お母さんは俺の事を好きじゃない」など否定的な言葉が出ることが多い
  • 授業が始まるのに外に飛び出して遊び始める時がある
  • 当番活動なども自分がやりたいことしかしようとしない
  • 飽きっぽい

現状、1人での対応が難しく、教室を勝手に出た場合や渋りが長い場合は別の教員に対応をお願いしています。このような児童と、これからどのように接していけばいいのか分かりません。この子の現状は、担任である私が作り出してしまったのでしょうか。そうしてもいいと思わせたのでしょうか。男性教諭や他の先生の言うことは比較的聞くので、そういうことでしょうか。

このような児童に効果的な声かけはありますか。 教えていただきたいです。

(駄菓子先生・20代女性)

A. 子どもの言動がすべて担任の責任と感じる必要は全くありません

大変な子どもを受け持ってしまいましたね。朝、トイレに入ったらまずその子のことが頭に浮かんで、憂鬱になるのではありませんか?

「いい所ももちろんありますが」という言葉に、一生懸命に子どもの良いところを見つけようとしていらっしゃる先生の姿勢が垣間見えます。でも、それを簡単に凌駕してしまうほどのマイナス面の目立つ子どもなんですよね。

その子の問題行動を見ていると、愛情不足のような感じですよね。「自分を見てほしい。かまってほしい。」という目的が子どものモチベーションなのでしょう。

厳しく強めの指導をされる先生には、一応従うようですが、圧の強い指導は、その子のことを一時的に抑えるだけで、何も解決していかないでしょう。おそらく先生は圧をかけずにこの子の現状に対して優しく接しようとされて、そのことがうまくいかず、無力感にさいなまれているのだと推察します。

まず、責任というのは、何割くらいあるのでしょうか。圧倒的に責任があるのは、ご家庭です。ご家庭の教育によってかわいそうに、その子はそんなふうにしか自分を表現できなくなっているのでしょうね。それを全部担任の責任だと感じる必要は全くありません。

また、他の先生だったらうまくやれるのではないかという思い、分かります。若い時はそんな思いばかりを重ねていくのですよ。

では、その子にどうしていけば良いのかということですが、まずは、その子の存在がすべてと感じないように、他の子どもたちに対して一生懸命にすることです。もちろん、これは、その子を無視することでも、阻害することでもありません。

その子のことばかり考えず、また、自分の力だけでなんとかしようとせず、ある程度は開き直って、他の先生方にお願いするようにしましょう。

そして、もしもまだ余裕があるなら、問題行動が何もないときに、その子と対話してみましょう。その子の好きなことや、好きな食べ物の話などをしてみてください。叱らないといけないときや、注意するときにばかり、その子との付き合いになってしまっていませんか。普通の対話をしてみましょう。


みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

学校の先生に役立つ情報を毎日配信中!

クリックして最新記事をチェック!
特集
先生のための個別相談サービス【みん教相談室】相談&回答一覧

学級経営の記事一覧

雑誌『教育技術』各誌は刊行終了しました