小1[A節度、節制]「わがままをしないで」を考える授業【前文部科学省教科調査官同行監修】動画・道徳科実践レポート
今回は小1の内容項目A[節度、節制]、 主題名「わがままをしないで」の授業レポートをお届けします。世の中が不透明になっている時代だからこそ、特に道徳性を養う道徳科の授業が重要視されています。今回はスペシャル企画で、特別に浅見哲也前教科調査官の授業実践を動画で分かりやすく紹介します。調査官のふり返りの動画もぜひご覧ください。
授業者/前文部科学省初等中等教育局教育課程課 教科調査官
十文字学園女子大学教育人文学部児童教育学科 教授・浅見哲也
目次
小1 A[節度、節制]「わがままをしないで」を考える授業
主題名:わがままをしないで 内容項目 A[節度、節制]
教材名:「かぼちゃのつる」(文部科学省)
本時のねらい:わがままな行動や自分勝手なふるまいをしない生活をしようとする態度を育てる。
導入
1 かぼちゃがつるを伸ばすことは子供たちが遊ぶことと同じというイメージを想起させる
●「晴れた日にどんなことをして遊ぶのが好きですか?」という発問から、子供の好きな遊びを思い起こし、かぼちゃがつるを伸ばすことと重ね合わせ、自我関与につなげる。
晴れた日にどんなことをして遊ぶのが好きですか?
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展開
2 教材「かぼちゃのつる」の内容に沿って、子供たちがそのときどきの気持ちを考える
●かぼちゃがつるを伸ばしている気持ちを考える。そこへみつばちやちょうが飛んできて、注意をされることについてどんな気持ちになるかを考える。
つるをぐんぐん伸ばしているかぼちゃは、どんな気持ちでしょうか?
(好きなことをして遊んでいるときの気持ちを考える)
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みつばちやちょうに注意されたかぼちゃは、どんな気持ちでしょうか?
(好きなことをして遊んでいると注意された。そのときの気持ちを考える)
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すいかに「ここには入ってこないで」と言われて、かぼちゃはどんな気持ちでしょうか?
(私たちの場所だから入ってこないで、と注意された。そのときの気持ちを考える)
犬に、「みんなが通る道だから困るよ」と言われて、かぼちゃはどんな気持ちになったでしょうか?
(「ここの場所で遊んでは困るよ」と言われたときの気持ちを考える)
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トラックにつるを切られたかぼちゃは、どんなことを考えたでしょうか?
(失敗をしてしまったときの気持ちを考える)
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かぼちゃにみんなが教えてあげたいことは、何かありますか?
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●ICT端末のお絵描きソフトを使って、子供たちがかぼちゃになった気持ちで、自分だったらつるをどのように伸ばすかを描く。その後、描いた絵をみんなで共有して、気を付けたいことを考える。
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3 学習課題である「遊ぶときに気を付けること」について考え、ふり返る
●楽しく遊ぶときにどのようなことに気を付けたらよいかを考え、ふり返り用紙に書く。書いたことをみんなで共有する。
楽しく遊ぶとき、どんなことに気を付けますか?
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終末
4 教師の説話を聞く
●「心の目」は、周りを見る目、そして先のことを見る目であるという話をする。「心の目で見ると楽しい生活ができるので、これからは心の目も大切にしてください」と結ぶ。
●道路に出ないように気を付けて伸ばすこと。いくら楽しくてもふざけすぎないこと。
●もしボールで遊んでいて、ボールが公園や学校から出たら、右と左をよく見てから取りに行く。それか大人の人に取ってもらう。
●みんなに言われたことを守る。車にひかれないようにする。
●もしもフェンスや壁があっても、とても高いわけではないから、ボールがフェンスや壁から出てしまう。ボールなどを強くけりすぎるとボールがどこかに飛んでいってしまうから、ボールなどを強くけりすぎないほうがよいと思う。
<ダウンロード資料>
前文部科学省教科調査官・浅見哲也先生の授業実践のふり返り
<浅見先生のふり返りはこちら>
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プロフィール
浅見哲也(あさみてつや)
前文部科学省教科調査官・十文字学園女子大学教授/1967年埼玉県生まれ。埼玉大学教育学部卒業後、1990年より埼玉県熊谷市及び深谷市内公立小学校教諭、埼玉県教育局指導主事、深谷市教育委員会指導主事、深谷市内公立学校教頭、小学校校長兼幼稚園長を経て、2017年より文部科学省教科調査官、2023年4月より十文字学園女子大学教授。どの立場でも道徳の授業をやり続け、今なお子供との対話を楽しむ道徳授業を追究中。
取材・文・構成/浅原孝子 撮影/北村瑞斗