ケガをしにくい身体をつくるオススメ「運動遊び」4選【中学年向け】
運動会、マラソン大会など、二学期はスポーツ行事が多い時期。いつも以上に子供のケガに注意したいものです。子供のケガを防ぐためには、まずケガをしにくい身体をつくることが重要です。そのために役立つ、中学年の子供にぴったりの「運動遊び」を紹介します。
監修/奈良教育大学保健体育講座教授・整形外科医師・笠次良爾
専門分野は学校保健とスポーツ医学。児童生徒や選手が主体的にケガや熱中症などの傷病予防に取り組むための方法、スポーツ医学の最新の知見を現場に落とし込むための方法等について研究している。
目次
ひよこの闘い
【用意するもの】
・マット(薄いほうがよいが、なくてもよい)
【遊び方】
- マットの上に四角いコートを描きます。
- しゃがんで右手で右の足首、左手で左の足首を持ちます。
- その状態で歩き、肩や背中を使って相手を倒します。頭やおでこで相手を押すのは反則です。
- 制限時間(2~5分程度)まで倒れずに残っていた人が勝ちです。
【アレンジのポイント】
- コートを狭くしてみましょう。
- 安全地帯をつくって、数秒間休憩できるようにしましょう。
【効果】
筋力の強化、柔軟性の向上
しゃがみ込みが苦手な子供も、この遊びによって、鬼ごっこをしながらトレーニングできます。人数は何人でも楽しく遊べます。
ショートトラックの勇者!
【用意するもの】
・雑巾、長いタオル各2枚
・コーン2個
・ボール2~4個
【遊び方】
- 体育館にコーン2個を置いてコースをつくります。
- 基礎遊びは、雑巾がけのスタイルでボール1 個を運びながらコースを回ります。個人戦で行い、早く2 周した人が勝ちです。
- 展開遊びは、3 人組になり、長いタオルを持ち、雑巾がけのスタイルで、ボール1 個あるいは2 個を運びながらコースを回ります。2 チームによる対抗戦として、正反対の場所からスタートします。早く2周したチームが勝ちです。
【アレンジのポイント】
- チームの数を増やし、リレー形式で行ってもよいでしょう。
- 運ぶボールの数を増やしても楽しいでしょう。
【効果】
下半身の強化、協応動作の向上、敏捷性の向上
最近の子供は雑巾がけをしなくなりましたが、転ぶときに手をつく練習になりますし、足腰も鍛えられます。ボールが飛び出さないようにショートトラックをうまくターンすることの難しさ、コースどりの戦略性がおもしろい遊びです。ただし、床がささくれ立っていると雑巾が引っかかって手首を捻ったり転倒したりしますので、注意が必要です。
おっとっと
【用意するもの】
・手ぬぐい(タオル)一人1本
・マット(薄いほうがよい)
【遊び方】
- マットの上に、足を肩幅に広げて相手と向かい合って立ち、両手でそれぞれ手ぬぐいの両端を持ちます。
- 足を踏ん張りながら、手ぬぐいを引いたり緩めたりしながら、相手のバランスを崩します。ただし、相手のバランスが急に崩れると危険なので、両方の手ぬぐいを同時に離すのはやめましょう。
- 足が動いたり、手ぬぐいを離したりしたら負けです。
【アレンジのポイント】
- 両足の幅を狭くしてみましょう。
- 3~4人組で遊んでみましょう。
【効果】
筋力の強化、平衡性の向上、巧緻性の向上
これはバランスをとるトレーニングになります。握力も鍛えられますし、全身の運動になります。シンプルですが、おもしろい遊びです。
ひらり、かわして!
【用意するもの】
・ 小さなボール(テニスボール、ソフトボールなど)15~20個
・大きなボール(ドッジボール、バレーボールなど)8個
・バケツ2個
【遊び方】
- 二つのバケツを9m離して置き、一方には小さなボールを入れておきます。
- 小さなボールを運ぶチームと、大きなボールを当てるチームに分かれます。運ぶチームはスタートラインから矢印に従って動き、反対側のバケツの中から小さなボールを取ってきて、スタート地点にあるバケツに入れます。ボールを1個持ってこられたら1点です。
- 当てるチームは、運ぶチームのメンバーにスローエリアから大きなボールを投げ当てます。ボールを当てられた人は、スタートラインからやり直しです。制限時間3分間で、何点取れるかを競います。当てるチームのボールキーパー役は、1分間で交代します。バケツが置いてある安全地帯では、ボールに当たっても無効です。
【アレンジのポイント】
- 走り方やボールの取り方について相談させ、チームプレイを促しましょう。
- 大きなボールは、転がしてもOKです。
- うまく投げることができない子供は、スローエリアの少し手前から下手投げをさせてもよいでしょう。
【効果】
敏捷性の向上、身体コントロール能力の向上、状況判断力の向上
これはとてもおもしろい遊びです。周辺視野を鍛えるのにも役に立ちますし、防御動作・回避動作の向上にもつながります。
構成・文/林孝美、イラスト/佐藤道子
『教育技術小三小四』2019年10月号より