いじめ・仲間はずれの保護者対応は学校チームで!
日頃から相手に共感し、信頼関係を築こうとしているか? それが保護者対応の際、トラブルに発展してしまうかどうかの分かれ道。今回は、「いじめにあっている」と訴えがあった事例の対応例の紹介です。
監修・東京都公立小学校校長・井口修
目次
1 管理職にすぐに報告
先生・学校側の対応
①いじめの相談は、担任の先生一人で対応しようとせず、必ず学年主任や生活指導主任、管理職にすぐに報告、相談。
保護者の気持ち
「深刻な状況を分かってほしい。すぐに対処してもらいたい」と悲痛な思いで訴えている。
2 チームで事実確認
先生・学校側の対応
学校として真摯に対応する考えを保護者に伝えることで、少しでも保護者の緊張・悲痛な思いを和らげる。そのうえで、すぐにチームで事実確認から始める。
保護者の気持ち
「受け止めてもらえた」と少し希望が見えてきた思い。
3 定期的に保護者に報告
先生・学校側の対応
休み時間や委員会活動など、担任以外の先生も子供の様子に気を配り、問題解決に取り組む。翌日、2日後、1週間後、2週間後、1か月後…など定期的に保護者に報告。
保護者の気持ち
定期的な報告を受け、ホッとし始める。
4 継続して関わっていくことを伝える
先生・学校側の対応
今後も継続して関わっていくことを伝えると、保護者は安心でき、学校への信頼もさらに増す。
保護者の気持ち
安心できるようになってホッとしている。引き続き、気にかけてもらっていることに感謝と信頼の気持ちが芽生える。
チームですぐ取り組み始め、継続的に関わり見守っていく
いじめは、いじめられた側がそう感じたら「いじめ」として認識し、学校としてすぐに対処すべきです。担任の指導だけで解決に至る場合もありますが、その場合も、必ず学年主任や生活指導主任、管理職にすぐに報告、相談します。そして、チームで事実確認から始めます。また、継続的に指導すべきケースの場合も、チームを組んで関わっていくことが大切です。
例えば、管理職も休み時間に教室やグラウンドを回って子供たちの言動をさりげなく見たり、専科担当の先生も交えて授業中の様子を情報交換したりして、状況をつかむことが大切です。
ポイントは、チームで情報を共有してすぐに動き始めることと継続性です。学校では大丈夫そうに見えても、家では泣いているかもしれません。ですから、ずっと見守り続け、保護者にも定期的に家での様子を聞くとよいでしょう。
子供と保護者に本当の笑顔が戻るまで、学校側が全力で見守っていることが伝われば、本人と保護者の不安な気持ちも少しずつ軽減されるでしょう。
構成・文/ひだいますみ
イラスト/新崎三幸
『教育技術小三小四』2019年10月号より