ページの本文です

【小三小四国語】物語文を教材とした「深い学び」の工夫

新学習指導要領のキーワード「主体的・対話的で深い学び」の中で、特にイメージしにくいのが「深い学び」です。ベテラン教師は、「深い学び」をどのように捉えて授業に臨んでいるのでしょうか。小三国語「サーカスのライオン」、小四国語「ごんぎつね」、それぞれの物語文を使った「読むこと」「書くこと」の授業について、具体的な授業の進め方を紹介します。

執筆/新潟県公立小学校教諭・山田綾子

キツネ
イラストAC

主体的・対話的な学びを工夫する

「主体的・対話的で深い学び」は一連のものだと思いますが、この一連の学びの結果として、「深い学び」に到達することが、学習の目的だと私は考えます。つまり、主体的・対話的な学びを工夫することで、結果として深い学びが起こるようにしていくことが大切だと思うのです。

例えば対話的も、他者との対話として捉えている先生が多いように思いますが、本や資料を読み込むことも、個人内での自問自答のようなものも対話です。子供たちが自ら学ぼうとし、それらの対話の過程を通して、何かが更新され、上書きされて新たな考えや価値を得る。それこそが深い学びであり、そのような過程を、学ぶ内容に応じて工夫することが必要だと思います。

教科の本質に近づく

深い学びのもう一つの側面は、教科の本質に近づくことだと思います。国語における本質とは、例えば「読むこと」であれば、物語文で一つの叙述から考えるのではなく、いくつかの叙述を関連付けて考えていくと、登場人物の心情がより分かってくるということもその一つです。叙述と叙述を結び付けて考えることは、国語の見方・考え方にも通じることであり、そのような学びを経験させていくことが大事だと思います。

あるいは「書くこと」で、文章の書き出しの工夫といった技能も、大切な国語の学びの本質だと思います。緊張感を表現するために、敬体ではなく常体で書く、時系列ではなくあえて結末から書くといったことも重要な学びです。加えて、このような技能系の深まりは、「自分で書いたものを書き直してみると、よくなった」という手応えも実感しやすいという点があります。

また深い学びは、学びの過程にある、主体的・対話的とは異なり、子供の姿では見えにくいため、表現させることが必要です。その深い学びを顕在化させるため、元々あった力にどのような上書きがなされたのか、学習のねらいに沿って視点を示しつつ、子供自身の評価としてのふり返りを書かせることが大切だと思います。

「じんざ日記」を書かせ、学習をふり返る

学校の先生に役立つ情報を毎日配信中!

クリックして最新記事をチェック!

人気記事ランキング

授業改善の記事一覧

フッターです。