【相談募集中】多忙の中、自分だけが全ての授業や持ち帰り仕事の記録をさせられている

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元東京都公立小学校校長

清水弘美

自分だけが何かと管理されていてつらいと感じている、教員歴13年目の専科の先生。ここでは、「みん教相談室」に届いた相談への東京都公立小学校校長・清水弘美先生からの回答をシェアします。

イラストAC

Q.持ち時間数が多い上に、全ての授業記録や持ち帰り仕事の記録など、自分だけがやらされている

各学年1クラスの学校ですが、3年生以外の音楽、外国語教育&外国語活動、家庭科、3年生の体育、図書館(1~4年)に加え、クラブと委員会をもたされています。

祝日や行事等が1つでも入ると、振替授業をしないと授業時間数が足りなくなるため、全く空き時間はありません。

全ての授業において授業記録も書くよう指示され、でも毎日6時間の授業の後は、ほぼ毎日会議。そして、定時で帰るよう促されます。授業準備の時間が無いのは当たり前で、授業で使用したワークシートは見ている余裕がありません。家に帰れば小さな子どもたちの育児に追われ、家でやることもなかなかできません。

それでも実家の母に来てもらうなどしながら何とかやっていますが、成績をつける時期の持ち帰り仕事等の時間が他の先生方よりはるかに多く、3学期からは持ち帰り仕事の内容や時間等、毎日記録をするよう言われ、管理される毎日です。

外国語の授業においては、少し宿題を出したくて、数日間でできるようにワークブック1ページ(ローマ字のなぞり等)程度の量を出したところ、事前に宿題を出す旨を伝えてあったのにも関わらず、「事前にどのくらいの量を出すときちんと言ってくれないと困る!」とお叱りを受けます。

授業記録や持ち帰り仕事、時間等の管理全て、やらされているのは私のみです。

ちなみに、途中産休育休のブランクが4年ありますが、教員になって13年目です。

ここまでされると自信が無くなり、持ち時間数の多さ、自分だけ管理されている感を感じるところから、精神的にもつらいです。

多くの児童、そして昨年受け持ったクラスの親御さんからは慕われているのが実感でき、それがあるから何とか職場へ毎日行けている状態ですが、この状態で来年度も、というのは、しんどくて仕方ありません。どこに相談したら、この待遇は改善されるのでしょうか。

(りりママ・30代女性 専科[音楽、外国語、家庭科等])

A.管理職にはアドバイスを求め、そして他の人の力をどんどん借りましょう!

仕事にやりがいを感じられないのは残念ですね。でも関わってきた子供や保護者からの信頼をエネルギーにできているので、きっといい仕事をしているのでしょう。

それなのに、管理職からあなただけが管理されているなら、何か原因があるはずです。なぜ自分だけなのかと管理職に尋ねましたか? 人間は話し合うことで理解し合うのが基本です。勇気を出して聞いてみましょう。課題と改善策のアドバイスを求めましょう。記録を書くことで授業準備ができないのは本末転倒だと伝えましょう。負担になっている授業記録については、単元名と本時のねらい、主活動は週ごとの指導計画に書いているはずですから、実際の授業での変更点だけを赤で追加する形にすることなどを管理職に提案してみてはいかがでしょうか。

少し気になるのが、不満を抱えながらやっているあなたの授業です。教師の力量は勤務年数ではありません。子供たちは授業が楽しければ成長します。授業の準備が不十分だとつまらない授業になりがちです。そうすると子供たちの顔が曇ります。自分の授業を子供たちの顔で評価してみましょう。いい授業は自分も楽しいものです。

お母さんをしながらの仕事は時間のやりくり勝負です。宿題を出さない、テストは授業時間内に各自が採点する、教材研究は昨年度その学年を持っていた先生に相談するなど、他の人の力を借りるのも大切なことです。子供同士の学び合いで子供に頼ることもできます。クラブや委員会は、子供が主体的に動くので、本来教師の負担はほとんどないものです。そうなっていないなら学校全体の課題ですから、校内研究で特別活動を研究することで仕事が楽になります。

最後に、教師にとって最も大切なのは、“機嫌がいい”ということです。母親としても同じです。自分の機嫌は自分でよくするものです。疑問に思うことを抱えたままにせず、常に解決に向けた行動を起こしましょう。ここに相談できたことは、その第一歩です。


みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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