6年生「最後の学級懇談会」の素敵な仕掛けは、この2つ
3月。保護者にとってこの時期は、1年生の入学式から見守ってきたわが子の小学校生活が終わりに近づいてきたのを実感し、感慨もひとしおのことと思います。 教師にとっても、4月に出会った子どもたちが、その巣立ちを目前に控え、心身ともに大きく成長したことを様々な場面から感じ、何にも代え難い素敵な時間を過ごしていることでしょう。そして、子どもたちとの別れを寂しく感じてもいると思います。
このような時期に実施する6年生の最後の学級懇談会は、保護者の方々に直接話ができる最後の機会です。この懇談会を、教師にとっても保護者にとっても有意義な会にするために、素敵な仕掛けを用意して臨みましょう。
執筆/大阪府公立小学校・川村幸久
目次
最後の学級懇談会を計画しよう
■ 設定時間から逆算して、懇談会の流れを計画しよう
懇談会の時間は、通常30分~45分間に設定されていると思います。それぞれの時間に合わせて下記のプランA(45分)もしくはプランB(30分)の中から適宜選び組み合わせ、このような流れで行ってみてはいかがでしょう。
■ 3月に実施する卒業式等の行事の詳細は、漏れなく確実に説明しよう
3月に実施する卒業関連行事(卒業遠足・卒業茶話会・卒業式)は、集合・終了時間や持ち物等、通常授業とは違い変則的なものが多く、子どもたちや保護者の方にもその詳細を丁寧に伝える必要があります。また、卒業式以降にも、卒業アルバムを取りに来る日・離任式・進学先中学校の入学式の日時等、確実に伝達しなくてはいけない予定が多くあり、学年だよりで伝えることと思います。
その行事の詳細を漏れなく確実に伝達する手段の1つとして、懇談会を活用するとよいでしょう。保護者に直接説明することで伝え漏れが回避できるからです。伝える内容は、あらかじめ『学年だより【学級懇談会号】』としてまとめておき、目を通してもらった上で質問を受け付けます。
保護者の方から出た質問について、すぐに回答できない事柄は、学年で一度相談し、改めて回答するようにしましょう。また、懇談会に参加することができなかった保護者もいることから、説明した内容や保護者から出た質問事項の回答等を記した【学年だより臨時号】を次の日に配付するとよいでしょう。
この重要説明は、懇談会のはじめの「①担任からのあいさつ」の後に、すぐ行うのがポイントです。懇談会の終盤になると、担任も保護者も感極まってしまい、つい大事なことを伝え漏らしてしまう可能性があるからです。
今からできる‼ 素敵な懇談会にするための先生からのサプライズ
■ 過去の担任や関わった先生方からのメッセージ
素敵な懇談会にするための取組の1つとして、過去(小学校1年生から5年生まで)の担任や担当をした先生方に、卒業を控えた子どもたちに向けてのメッセージ動画を依頼しておき、懇談会の場で保護者に見ていただく方法があります。
一昔前は、容量の大きい動画をメール等で送受信するのも大変でしたが、今は比較的容易にできます。そこで子どもたちへの30秒~1分程度のメッセージ動画を先生方に依頼してみてはどうでしょうか。
懇談会当日は、この動画を保護者の方に見ていただくと同時に、この動画を見た子どもたちの反応や教室の様子も、併せて保護者に伝えるようにします。保護者たちは、これまで関わってくださった先生方を動画で思い出しながら、わが子の成長や小学校生活の様々な思い出をふり返る機会になることでしょう。
懇談会に参加することができなかった保護者には、「別の日の放課後に動画を見に来ていただいてもいいですよ」と案内したり、学年だよりでそのメッセージ内容を伝えたりするのもよいでしょう。
■ 子供たちの卒業を間近に控えた気持ちを作文に
もう1つ素敵な懇談会にするためにできる取組として、子供たちの「卒業を間近に控えた気持ち」を綴った作文を、懇談会の場で披露するという方法があります。卒業文集とは違い、表現や文量等は問わず、素直な気持ちを自由に思いのままに書かせるようにします。
懇談会の場で時間を設け、保護者の方々にじっくりと読んでいただくようにします。わが子の、家では見せない一面が綴られた作文を読むことで、教室は静まり返り、なんとも言えない温かな空気に包まれることでしょう。
イラスト/中林まどか(@chu rin mdk)