小6体育「ボール運動(ゴール型)」指導アイデア①

特集
【文部科学省教科調査官監修】1人1台端末時代の「教科指導のヒントとアイデア」
小6体育「ボール運動(ゴール型)」指導アイデア  バナー

文部科学省教科調査官の監修による、小6体育科の授業案です。1人1台端末を活用した活動のアイデアも紹介します。今回は「ボール運動(ゴール型)」の単元を扱います。

執筆/品川区教育委員会指導主事・石原朋之
監修/国立教育政策研究所教育課程調査官・塩見英樹
   品川区教育委員会統括指導主事 ・唐澤好彦

単元名

「サッカー」~キック&ダッシュでゴールを目指せ~

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単元目標

●知識及び技能
サッカーの行い方を理解するとともに、ボール操作とボールをもたないときの動きによって、簡易化されたゲームをすることができるようにする。
●思考力、判断力、表現力等
ルールを工夫したり、自己やチームの特徴に応じた作戦を選んだりするとともに、自己や仲間の考えたことを他者に伝えることができるようにする。
●学びに向かう力、人間性等
サッカーに積極的に取り組み、ルールを守り助け合って運動をしたり、勝敗を受け入れたり、仲間の考えや取組を認めたり、場や用具の安全に気を配ったりすることができるようにする。

授業づくりのポイント

ボール運動は、ルールや作戦を工夫したり、集団対集団の攻防によって仲間と力を合わせて競い合ったりする楽しさや喜びを味わうことができる運動です。

ゴール型では、攻守が入り交じったなかで、ボール操作とボールをもたないときの動きによって得点を競い合うことを課題としたゲームです。

授業づくりでは、攻撃側にとって易しい状況のなかでチームの作戦に基づいた位置取りをするなどの攻守入り交じった簡易化されたゲームや陣地を取り合う簡易化されたゲームをすることが課題となります。

例えば、攻撃側プレーヤーの数が守備側プレーヤーの数を上回る状態をつくり出すことにより、攻撃しやすく、また得点が入りやすくなるようにルールを工夫することで、作戦を生かしやすくすることができます。

また、チームを構成する一人一人のよさから、チームの特徴を捉え、その特徴に応じた作戦を選べるようにします。

〈感染症対策〉
授業を行う際には、地域の感染状況に応じて、以下の新型コロナウイルス感染症対策を講じることも考えられます。
・子供たちに授業前後の手洗いを徹底する。
・決まったグループで活動し、対戦チームを固定する。
・活動中は不必要に大声を出さないようにする。
・集合、整列時は子供どうしの適切な間隔を確保する。 など

単元計画(例)

小6体育「ボール運動(ゴール型)」指導アイデア 単元

楽しく運動をしよう

サッカーを楽しもう!

はじめは簡単なルールを提示し、ゲームやゲームにつながる運動を行いながら、サッカーの行い方を理解し、楽しさを味わうことができるようにします。

単元の前半では、試しのゲームなどを通して、誰もが楽しく安心してゲームに参加できるようにルールを選んだり工夫したりします。その際、安全面やフェアなプレーを守る指導をしっかりしていきましょう。

運動との出合い

ルールの工夫

はじめのルールの例
・1チームは4人程度が望ましい。
・1ゲームの時間は4分-2分(チームでの話合い)-4分。
・セルフジャッジ。
・ゴールは2m×3m(コーンやバーなどの簡易ゴールでも可)。
・ボールは、クッション性があり、あまり弾まないボールを使用することで、ボール操作が苦手な子供も楽しむことができる。
・コートは30m×20m(実態に応じて柔軟に変更)。

小6体育「ボール運動(ゴール型)」指導アイデア  イラスト
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追加のルールの例
【攻撃】
・得点をしたときにチーム全員が相手側のコートに入っていればプラス2点。
・ゲーム中、初めて得点する人は2点、その後の得点は1点。
【守備】
・キーパーは、得点が入る度にチーム内でローテーションする。
・攻撃側が優位になるように、オフェンスマン(仮称)は、自陣コートには戻れない。
【その他】
・判定に迷うときは、話し合ったり、じゃんけんで決めたりする。
・1チームの人数が多い場合、サイドマン(仮称)を配置する。サイドマンは、サイドラインを自由に動き回り、ボールがライン外に出た場合、コート内にパスを送ることができる。

 

ゲームにつながる運動の例

いろいろなドリブル
チームどうしで競争したり、タイムを計ったり、動きを工夫したりしながら、いろいろなドリブルを行う。ポイントはボールをコントロールすること。インサイドやアウトサイド、足の裏などの様々な場所を使うことでドリブルを楽しむことができるようにする。ペアで手をつないでドリブルをするなど、かかわり合いを取り入れたドリブルもある。

・ドリブルリレー 

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・ジグザグドリブル 

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・ペアでドリブル

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1vs1のボールキープゲーム
笛の合図で15秒間ボールキープを行う。このときに、ボールと相手の間に自分の身体を入れることを押さえる。また、できるだけボールを動かさずにキープするようにする。慣れてきたら、様々な姿勢でスタートするとよい。

小6体育「ボール運動(ゴール型)」指導アイデア  イラスト
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ドリブル鬼ごっこ
1人1個ボールをもち、自由に止まらずにドリブルを行う。笛の合図でドリブルしながら互いのボールをコートの外に蹴り出す。蹴り出された人は「復活パワーアップ」と声に出してから、再度コートに入る。目安の時間は1分程度。

小6体育「ボール運動(ゴール型)」指導アイデア  イラスト

 


安全面やフェアなプレーを守るための指導

安全面
・移動式のゴールを使用する場合は、風や子供がネットに足がかかった際に転倒しないように、重石や固定具などでしっかりと固定するように配慮する。
・ボールはなるべく当たっても痛くないものを選び、誰もが楽しめるように配慮する。
・授業開始前に靴紐などをチェックして、ゲーム中に靴が飛ばないようにする。

ゲーム前・ゲーム中・ゲーム後のフェアプレイ
・ゲーム前に「お願いします」、ゲーム後には「ありがとうございました」のあいさつを必ず行う。
・相手チームをリスペクトし、ゲーム前にゲームができる感謝の握手、ゲーム後にお互いの健闘を称える握手を行う。
・「がんばろうね」「ナイスプレイ!」などの言葉がけをしている個人やチームを賞賛する。
・チームで円陣を組む、かけ声をかけるなどを行い、チームの仲間意識を高める。
※子供どうしの接触や発声などは、地域の新型コロナウイルスの感染状況などに応じて実施しない、工夫して実施するなど判断する。

小6体育「ボール運動(ゴール型)」指導アイデア  イラスト

 

小6体育「ボール運動(ゴール型)」指導アイデア②
「工夫してもっと楽しく運動をしよう」はこちら

イラスト/みながわこう

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