書道家直伝。硬筆で美しい字を書くための準備~苦手な子どもも上手に書ける!「硬筆」指導のポイント①~

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「硬筆」は、文字をきれいに書くための土台です。しかし、文字を書くことに苦手意識をもつ子や、集中して書けない子が多いのではないでしょうか。そこで、プロ書道家である石川香雪先生に、鉛筆で上手に字を書くコツや指導ポイントを伺いました。今回は、鉛筆とノートの使い方を伝授します。

本記事は二回連載の1回目です。2回目はこちら。

正しい鉛筆の持ち方から文字を書く際の姿勢、ノートの使い方まで、文字を書くときの基本をおさらいしましょう。

鉛筆の持ち方/動かすのは親指と人差し指だけ

鉛筆は削った部分が見える位置で、親指と人差し指で軽く握り、中指で支えます。薬指と小指は添えるだけ。また、人差し指の第2関節より指の付け根近くで寝かせるように持つと、ちょうどよい角度になり、鉛筆を動かしやすくなります。

文字を書く前に、準備運動を

すぐに文字を書き始めるのではなく、軽く鉛筆を動かしてみましょう。このとき、鉛筆を2cmほど上下に動かして、指を慣らします。丸を書く練習をしてみるのもおすすめです。尖っていた鉛筆の先が丸くなり、紙になじんで書きやすくなりますよ。

鉛筆は柔らかく、折れにくい硬筆書写用の6Bがおすすめ。太い線が書けて、文字が整っているように見えます。よく消えて、筆のように筆圧を調整できるのも◎。

姿勢/目と手元の距離は30cm

ノートと目の距離は、30cmが目安。背筋を伸ばし、肩の力を抜きましょう。子どもに30cm定規を見せて実際の距離を体感させたり、「背筋ピンだよ」と声をかけたりしましょう。

ノートの使い方/十字リーダーを活用しよう

ぜひ硬筆の練習で使ってもらいたいのが、十字リーダー入りの8マスのノート。特に低学年は、マス目いっぱいに大きく書くように指導をします。最初は、ひらがなから練習しましょう。1画で書ける「つ」や「し」がおすすめです。

十字リーダーがあれば、「書き始めは、点線の少し上からだよ」「少し斜めに書くよ」「中心より少し右で、おにぎりをつくるよ」など、具体的な指導がしやすくなります。

文字は大きく書いて練習しよう

小さいマスのノートでは、漢字の細かい部分が疎かになってしまいます。字のつくりをきちんと知るためにも、大きく書くことが大切です。中学年以降であっても、新出漢字を初めて書くときは大きく書く機会があるとよいですね。文字を書くことが苦手な子どもには、4マスを1マスとして、練習してみるのもよいでしょう。

本記事は二回連載の1回目です。2回目はこちら。

お話を聞いた先生
香雪書道教室 石川香雪さん
毎日書道展審査会員、佑育書道会副代表などを務める。香雪書道教室主宰。東京女子大学書道部講師。過去に小学校での書道指導、高校での書道科講師の経験もある。

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