小3算数「そろばん」指導アイデア(1/3時)《そろばんの仕組みと数の表し方》

特集
【文部科学省教科調査官監修】1人1台端末時代の教科指導ヒントとアイデア
小3算数「そろばん」指導アイデア

執筆/神奈川県横浜市立西富岡小学校教諭・純岡尚史
監修/文部科学省教科調査官・笠井健一、島根県立大学教授・齊藤一弥

小三算数 年間指導計画

単元の展開

第1時(本時)そろばんの各部の名称、仕組み、数の表し方の理解。

第2時 そろばんを使って、繰り上がりのない加法及び繰り下がりのない減法の計算の理解。

第3時 そろばんを使って、繰り上がりのある加法及び繰り下がりのある減法の計算の理解。

本時のねらい(単元の導入)

そろばんの各部分の名称を知り、数のおき方、はらい方を理解する。

評価規準

そろばんの仕組みや十進位取り記数法の仕組みに着目し、数の入れ方、はらい方を理解し、そろばんを使って数を表すことができる。

本時の展開



横はま駅から川さき駅を通って、川さき大しまではおよそ12308.5mです。そろばんでは、12308.5を次のように表します。そろばんの数の表し方を調べましょう。

横浜から川崎大師まで、どのくらいの距離だと思いますか。

10㎞ぐらいかなあ。

横浜駅から川崎駅までの間が、だいたい10㎞です。

じゃあ、10㎞から15㎞ぐらいの間だから、12㎞かなあ。

地図アプリで検索すると、だいたい12308.5m離れているみたいですね。

ということは、㎞だとだいたい12㎞ぐらいね。

昔は、アプリなんかないので計算をするとき、そろばんという道具で数を表していました。

そろばんだと、どうやって数を表していたんですか。

そろばんで、横浜駅から川崎駅と、川崎駅から川崎大師駅までの距離を足した12308.5を次のように表します。

珠と数にきまりがありそう。

そろばんの珠をよく見て、どんな仕組みで数を表しているのかを考えましょう。



そろばんの仕組みと十進位取り記数法の仕組みを関連付け、数の表し方を考え、数の入れ方や取り方を説明することができる。

見通し

珠の数を数えれば、何かきまりが見付けられそうだな。(方法の見通し)

珠も玉がないところは0を表しているので、十の位かなあ。(方法の見通し)

上の珠と下の珠で、数の表し方に違いがありそうだな。(解決の見通し)

自力解決の様子

A つまずいている子

一球と五珠の関係が分からずに困っている。


B 素朴に解いている子

定位点に着目し、数の表と珠の数の関係を考えている。


C ねらい通り解いている子

一珠は1個で1を表し、五珠は1個で5を表すことを理解し、関係を調べている。

学び合いの計画

そろばんは古くから日本で用いられてきた計算のための道具であり、数を表したり、計算したりするのに便利なものです。

そろばんの仕組みが分かると、珠を操作することによって、数の加減乗除の計算ができるようになります。そろばんは、どの桁の珠も同じ大きさの形でできていて、同じ記号で異なる数を表すという位取り記数法に沿ったものです。そろばんで、数を表したり計算したりすることは、位取り記数法の理解を確かにすることにつながります。

第3学年では、そろばんによる整数や小数の表し方について指導し、十進位取り記数法の仕組みにより、整数や小数を表せるようにします。整数では、万の位まで表し、小数では、[MATH]\(\frac{1}{10}\)[/MATH]の位の数を表現できるようにします。

第4学年では、そろばんの計算の仕組みについて理解を深め、整数については、億や兆までの数を表すこと、小数については[MATH]\(\frac{1}{100}\)[/MATH]の位までの数を表すことができるようにします。 

本時の学習では、既習の「長さ」や「10000より大きい数」と関連付けた問題場面を設定することで、子供が学習の見通しをもち、自ら課題解決に向けて問題を解決していく文脈を位置付けます。

また、数学的に表現・処理したことを価値付け、十進位取り記数法のよさについて実感できるようにします。

ノート例

ノート例

全体発表とそれぞれの考えの関連付け

C1 定位点は、赤い点と黒い点がある。赤い点が、小数点を表していると思いました。

C2 はりより下の珠は、1を表し、はりより上の珠は、5を表しています。

C3 そろばんの何も珠がないところは、0を表していると思います。

友達の発表を聞いて、考えたことを発表しましょう。

※数とそろばんの関係を発表する。

C2さんの考えを聞いて、お金と似ていると思いました。はりの上の珠は五円玉と同じで、はりの下の珠は、一円玉と同じだと考えました。

C3さんの考えを聞いて、そらばんは位取り板と同じ仕組みだと思いました。位取り板も、数が何もないときは0を表したからです。

そろばんを使うと大きな数や小数も表せるので、とても便利な道具だと思いました。

小数や整数のときと同じ仕組みで数を表しているのだと思いました。

同じ仕組みとはどういうことですか。

一つの位に数は、0から9まで数が入り、10になると位が一つ上がることです。

確かにそろばんは、小数と整数の仕組みと同じですね。昔の人は、すごい道具を発明しましたね。

でも、違うところもあります。五珠は、1個で5を表すところが、これまでのブロックの置き方や数の仕組みと違うところです。

まだ、違うところがあります。位取り板は、一つの部屋にブロックを9個まで置くことができたけど、そろばんの場合は、珠の数が5個までしかないよ。

どうしてそろばんは、5個までしか珠がないんだろう。

分かった。珠の数が多いと重くなったり、大きくなったりして不便だからだ。

お金と同じで、一円玉、五円玉、十円玉、五十円玉、百円玉、五百円玉……と同じだ。

なるほど。そろばんはお金の関係ともよく似ていますね。

でも、お金は大きさが違うけど、そればんの珠は全部同じ大きさのところは、違うと思いました。

算数ブロックとお金を合わせた関係になっていると思いました。

今日は、すごいたくさんのことを発見しましたね。昔の人のアイデアにとても驚かされますね。では、仕組みが見えてきたところで、そろばんの使い方を勉強していきましょう。



・そろばんの仕組みは、小数や整数の表し方と同じ仕組みで数を表せる。
・一つの位には、9までの数が表せ、10になると位が一つ繰り上がる。

評価問題

横はま(現在地)から○○県までの道のりをアプリでけんさくし、その数の入れ方をそろばんで友だちにせつ明しましょう。 ※ペアで問題を出し合う。

子供に期待する解答の具体例

  • 横浜(現在地)から大阪までは、509㎞です。そろばんで表すと次のようになります。
イラスト1

本時の評価基準を達成した子供の具体の姿

そろばんの数の仕組みを理解し、数の入れ方や取り方を友達に説明している。

感想例

  • 今日は、そろばんについて学びました。整数や小数と同じ仕組みで数が表せることにびっくりしました。昔の人は、とても便利に道具を発明したなと思いました。もっとそろばんが使いこなせるように勉強していきたいです。

1人1台端末活用ポイント

そろばんによる加法および減法のしかたをよく理解するためには、計算のしかたを覚えるだけでなく、その意味についての理解を深めることが大切です。

そろばんの下段の1の珠5個分で上段の5の珠になり、5の珠2個で繰り上がりをして、一つ上の位に上がることの理解が困難な子供もいます。小数や整数と同じ仕組みで数を表すことができることや、お金の仕組みなどと関連付けることでその理解が深まります。

また、1人1台端末が配られ、ICTの「効果的な活用」が期待されます。例えば、教育出版が公開している「まなびリンク」などの無料サイトもその一つです。このソフトを使えば、そろばんと数がリンクして視覚的に捉えることが可能となり、授業の自力解決で困っている子供にとっては、大きな支援となります。

イラスト/横井智美、やひろきよみ

【関連記事】
【文部科学省教科調査官監修】1人1台端末時代の教科指導ヒントとアイデアシリーズはこちら!
・小5外国語 Unit 8「Who is your hero? あこがれの人について発表しよう」指導アイデア①
・小6外国語 Unit 8「My Future, My Dream」の指導アイデア①
・小3 国語科「わたしたちの学校じまん」全時間の板書&指導アイデア
・小4外国語活動 Unit 9「This is my day.」指導アイデア
・小3外国語活動 Unit 9「Who are you?」指導アイデア
・小1体育「体つくりの運動遊び(多様な動きをつくる運動遊び)」指導アイデア①
・小1体育「体つくりの運動遊び(多様な動きをつくる運動遊び)」指導アイデア②
・小6体育「陸上運動(ハードル走)」指導アイデア①
・小6体育「陸上運動(ハードル走)」指導アイデア②
・小2体育「器械・器具を使っての運動遊び(マット使った運動遊び)」指導アイデア①
>>もっと見る

学校の先生に役立つ情報を毎日配信中!

クリックして最新記事をチェック!
特集
【文部科学省教科調査官監修】1人1台端末時代の教科指導ヒントとアイデア

授業改善の記事一覧

雑誌最新号