【相談募集中】専科と少人数指導担当、時間の制約で十分な指導ができずに反省の日々

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元札幌市立小学校長

佐藤裕三

小学校高学年の理科専科と、算数の少人数指導の担当になった先生から「みん教相談室」に相談が寄せられました。他教科の空き時間を使うこともできず、限られた時間の中で思うような授業ができない悩みに、元札幌市立小学校長・佐藤裕三先生が答えてくれました。高学年少人数指導担当という共通の立場からのアドバイスをシェアします。

悩む女性の先生
イラストAC

Q. 高学年の理科専科と算数少人数指導の担当になりました。限られた時間の中で思うような授業ができておらず、じくじたる思いです。

10年以上、小学校講師をしています。これまでは、ありがたいことに毎年、担任をさせていただきました。

しかし今年は、理科免許を持っていないのに、理科専科(4、5、6年)と5、6年算数少人数指導の担当になりました。

思考力・判断力・表現力をつけたいのですが、そうすると45分で授業が終わりません。専科なので、他教科の空き時間にできなかった内容をやることもできません。

時数も心配なので、ただ淡々とその日の内容を進めていくことしかできず、モヤモヤします。

学級の実態もあります(何をするにも時間がかかります)。

講師経験がこんなにあるのに、これしかできないのか……と反省の毎日です……。(どら先生・40代女性)

A. まずは、目の前の事実に今の立場でできる限りを尽くすことから。子供や学年の先生方とのコミュニケーション、同じ悩みをもつ仲間を見つけることも視野を広げてくれます。

私は現在、「算数の少人数指導のための非常勤講師」をしています。高学年少人数指導担当という立場での共通点もありますから、相談者の方の葛藤、というか「もやもや感」もある程度分かるように思います。

担任という立場でなくなって、仕事の上でも周囲との人間関係や、気持ちの上でもいろいろなギャップに戸惑っておられるのかな……と、そんなふうにも感じました。

目の前の事実に、できる限りを尽くす

そこでまず思うのは、「専科や少人数でも、授業の中でできること・やるべきことは、たくさんあるはず」ということです。

目の前にある子供の事実。そして、今の自分の立場では何ができるのか。そこが全てのスタートではないでしょうか。

私の場合は、

「算数が苦手な子が数直線をかけるようにするには……」

「この問題文の意味をどの子も理解できるようにする手立ては……」

「九九を覚えていない子が3人いるけれど、どう対応したらいいか……」

「面倒くさいという子にどう対処するのか……」

そういう目の前の事実に悪戦苦闘しながら、できることを模索する毎日です。そして、それが私たちの仕事の原点ではないかと思うのです。

「他者」や「環境」は変えられません。変われるのは「自分」です。

「与えられた条件の下で最善を尽くす」

……カッコイイと思いませんか!?

学年の先生方や子供とコミュニケーションをとる

それから、学年の先生方との情報交換も大事です。

単一校でフルの勤務であれば、授業時間以外に子供と接する機会や、学年の先生方と話すことのできる場面も少なからずあるはず。

気になる子はどんな背景をもっている子なのか、担任の先生方が何を大事にしたり課題に感じたりしながら学年学級経営をしているのかを知るだけでも、自分のできることがクリアになってきます。

相談者の方は、学年をサポートする大事なチームメンバーなのです。

同じ悩みをもつ仲間を見つける

それでも、同じ立場の先生が校内にいなければ「一人で抱えてしまう思い」があるかもしれません。

そんなときは、例えば専科担当を対象とした研修会などはないでしょうか。また、似たような立場で頑張っている知り合いの方などはいないでしょうか。

「同じ悩みをもっている先生が他校にもいる」ということを知るだけでも、とても安心できるものです。

一人だけで悩むのではなく、視線を広げてみませんか?

同じ目線で話せる仲間が見つかること、そして今の立場の中に「やりがい」を見つけることができることを心よりお祈りします。


みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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