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あなたのビジョン、伝わっていますか?【赤坂真二「チーム学校」への挑戦 #23】

連載
赤坂真二の「チーム学校」への挑戦 ~学校の組織力と教育力を高めるリーダーシップ~
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上越教育大学教職大学院教授

赤坂真二

多様化、複雑化する学校の諸問題を解決するためには、教師一人の個別の対応ではなく、チームとしての対応が必須である。「チーム学校」を構築するために必要な学校管理職のリーダーシップとは何か? 赤坂真二先生が様々な視点から論じます。
第23回は、<あなたのビジョン、伝わっていますか?>です。

執筆/上越教育大学教職大学院教授・赤坂真二

望ましい校長

ある研究主任の先生とお話をしました。彼は学校改善の推進役でした。彼がいなかったらプロジェクトは成果を収めることはなかったと思うほどの実力者です。彼は、研究主任として3人の校長に仕えました。私は彼に聞いてみました。

「先生は、率直に言ってどんな校長先生がやりやすいですか?」

彼は即答しました。

「ビジョンのある方です。」

確かに、彼は実働部隊としてかなりパワフルな動きをしていましたが、その方向性と活力を与えていたのは歴代校長のビジョンだったのです。私はその学校の研修アドバイザーを務めさせていただいていましたが、確かに校長室でも、また、駅や空港から学校までの移動の間もずっとビジョンを語っておられました。

ビジョンとは「未来像」などと説明されますが、目標と言い換えることもできるでしょう。リーダーにとってビジョンをメンバーに伝えることはとても大事な仕事のようです。『最高のリーダーは何もしない』と、逆説的なタイトルの書籍を著した藤沢久美氏は、「『本来の仕事』にリーダーが徹すれば徹するほど、その姿は『何もしない』ように見える」と言います※ 1。しかし、その藤沢氏をして、「リーダーの最も大切な仕事は、ビジョンをつくり、それをメンバーに浸透させること」と言わしめるのが、ビジョンの大切さです※2。ビジョンの大切さを訴えるのは、藤沢氏だけではありません。かの松下幸之助氏も、「会社の社員が、今、会社は、社長は、どういうことを考えているんだろうか、どういうイメージをもっているかということを、社員は知りたいだろうし、そういうものを社員に絶えず知らせないといかん、それを知らせていないと、どうしても力が入らない、なにげなしに働いているということになる」と言っています※3。ビジョンを伝えることは、部下やメンバーのモチベーションを高め、生産性を高めるためには不可欠であることは、以前から指摘されていることです。

組織にとって、それだけビジョンとは重要なものであり、それを伝えることは、リーダーにとって優先順位の高い仕事だと言えるでしょう。読者である校長先生方も、きっと職員の皆さんにビジョンを伝えておられることでしょうが、どのように伝えていらっしゃるでしょうか。

自ら学び、ビジョンを示す

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