小3らくらくUnit 7「This is for you.」①【モトヨシ先生のスライドde外国語活動】

連載
モトヨシ先生のスライドde外国語(活動)~パワポで楽しくらくらくICT授業
小3【モトヨシ先生のスライドde外国語活動】

ゆたかな言語活動を行うためにICTを活用した授業が求められる外国語活動。しかし、様々なツールや教材を切り替えながらでは、手惑う場面もしばしばでしょう。本好利彰先生がこれまでの授業で作成してきたパワーポイント(スライド)教材は、これひとつ、授業の導入から終末までモニターに映すだけで授業を組み立てられる”お助け教材”です。「モトヨシ先生のスライドde外国語活動」で外国語活動の授業を、らくらくクオリティアップ!
今回は、Let’s Try! 1 Unit 7「This is for you. カードをおくろう」第1時のらくらく授業の進め方です。

執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学准教授・居村啓子

スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう

小学校3年生の「Let’s Try! 1」のUnit 7「This is for you. カードをおくろう」全5時の1時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し活用してください。

パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方

この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
パワポダウンロードへボタン

  • クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
  • デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。

目標と授業の流れ

【本時の目標】
形の英語での言い方を知り、日本語との違いを知ろう!
【単元のゴール】
「ありがとう」を伝えたい人にThank youカードを作って、紹介しよう!
【単元の目標】
〇日本語と英語の音声の違いに気付き、形の言い方や、欲しいものを尋ねたり答えたりする表現に慣れ親しむ。(知識及び技能)
〇欲しいものを尋ねたり答えたりして伝え合う。(思考力、判断力、表現力等)
〇相手に伝わるように工夫しながら、自分の作品を紹介しようとする。(学びに向かう力、人間性等)

【言語材料】
○相手に伝わるように工夫しながら、自分の作品を紹介しようとする。(学びに向かう力、人間性等)
○want, this, a, for 状態・気持ち (big, small) 形 (square, rectangle, star, diamond), bus, flower, shop, balloon, house, car, candy 動物 (dog, cat, panda, mouse, bear)
[既出]I like (blue). Do you like (blue)? Yes, I do. / No, I don’t. I don’t like (blue). What (sport) do you like? How many(apples)? 形、色、数 (1~30)、tree

本時の流れ(例)

  1. 挨拶
  2. 導入→めあて
  3. Touch the pictures game.
  4. ボードゲーム
  5. シェイプクイズ
  6. デジタル教科書P28 Let’s Watch and Think→単元のゴール
  7. ふりかえり

各活動の流れ

①挨拶

挨拶のあとに Unit 6 までに学習した What ○○ do you like? 等の質問を児童にしてみてもよいでしょう。

②歌

Unit 4 で歌っていた色の歌です。本単元は色を扱うので以前歌っていた曲で復習をしましょう。

③導入→めあて

教科書P26、27の誌面を開かせ、「どんな形が見えるかな?」と児童に質問したりして、めあてにつなげていきましょう。

I like ferris wheels. Do you like a ferris wheels?

Yes, I do.

I see. I have questions. What ‘’katachi” do you see?

星。

Nice! Where is a star?(A triangle?  Really? 児童の反応により教師の表現をかえましょう。)
Stand up and touch the screen. Where is a heart?

児童にstarの場所がスクリーンのどこにあるか指さしてタッチさせましょう。そして今日のめあてにつなげましょう。

Today’s goal is “形の英語での言い方を知り、日本語との違いを知ろう!”

④Touch the pictures game.

教師が発話した単語(色+形)を児童にタッチさせましょう。非表示で1つ前のスライドにすべての色と形を入れておきました。必要に応じて活用してください。

ワークシートはパワーポイントといっしょにダウンロードできます

Touch a pink heart.(Touch色+形)

※机間巡視をしながらスピードをあげるなどして進めていきましょう。

⑤ボードゲーム

どんな単語でも活用できるボードゲームです。汎用性があるので他の学年の新出単語を指導する際などにも同じようにボードを作成して活用してみてください。

ゲームボードはパワーポイントといっしょにダウンロードできます


印刷してラミネートしたボード(B4、A3など大きい方がやりやすいです)、形カード(本記事でダウンロードできます)、消しゴム


2人1組で活動する。コマ(消しゴム)をそれぞれAとBの位置に置く。
形カードをシャッフルし、裏返しにして机の上に広げる。
Aからスタートする児童が裏返したカードを1枚めくり、カードの色とマークを言う。次のマスと同じカードが出たら1つ進む。
 (例)Aからスタートする児童は、最初に yellow star を当てないと次に進めません。
めくったカードは、裏返しにして元に戻す。
めくったカードが当たりでコマを進めた場合は、連続で次のカードをめくれる。当たらなかったら、次はBがカードをめくる。
 (例)Aがyellow starを引いたら、次は red heart をめくるとさらに続けてめくることができます。
 (例)Aが間違えたら、Bにチャンスがきます。Bは blue heart にコマ(消しゴム)が置いてあるので、white star を当てられればコマを進めることができます。
勝敗は、ABどちらかが相手の消しゴムに追いついたら勝ち。

神経衰弱と同じやり方なので、裏にしたカードの位置を覚えられれば逆転勝ちをすることも可能です。もしくは、時間で区切る方法もあります。あまり長く行わずに、多く進んだ方を勝ちとしてもよいでしょう。

席を移動させペアを替えましょう。

机間巡視の時のポイントは児童が発音しているか確認することです。もちろんここでは正確に言えることを求めるわけではありません。児童が分からないようであれば、教師が教えてあげたり、ペアの児童同士で教え合いをさせてみたりしてもよいでしょう。

重要なことは児童がカードをめくった時はカードの形を発音することです。この活動をすると児童が発音しないで活動が進んでしまう様子がよく見られます。
○教師はルール説明の際に、カードをめくったらまずは発音することを伝えましょう。大切なポイントです!
○児童が発音していなかったら「ちゃんと言いなさい!」と言うのではなく、そのカードを指して What’s this? と聞いてあげるとよいでしょう。
○本時の1回目の活動の際にルールは徹底させておくと、次時からもスムーズに行います。本時に「発音する」をしっかり取り組ませないと、次時でも児童は発音せず、ただコマを移動させる活動になってしまいます。何事もそうですが「最初が肝心」です。

⑥シェイプクイズ

デジタル教科書p26-27と同様のシェイプクイズです。クリックしていくと徐々に絵が見えるように作成してあります。また、教師が児童とやり取りするための表現もクリックしていくと表示されていきます。クリックしながら進めていきましょう。

⑦デジタル教科書P28 Let’s Watch and Think→単元のゴール

帰国したALTから「ありがとう」の手紙が届くという設定をして、みんなが「ありがとう」を伝えたい身近な人は誰かな?と問い、単元のゴールを「Thank youカードを作り、紹介しよう!」と設定した時の流れです。

クリックしてカードの音声を流し、聞こえた順にカードをタッチさせていきましょう。教科書の順番では、①クリスマスカード、②誕生日カード、③バレンタインカード、④ありがとうカード、⑤年賀状の順番になっていますが、今回は「ありがとうカードを作ろう」としたので、このスライドではそこにうまくつながるように「ありがとうカード」の音声を一番最後にしました。自分の行いたい授業に合わせて音声の順番を入れ替えるなどすることも可能です。

①Happy Valentine’s Day
②Happy Birthday
③Merry Christmas
④Happy New Year
⑤Thank you

ありがとうカードをタッチさせたら、教師は、「ありがとうカードって、どんなカードかな?」と児童に聞いてみましょう。そして「みんなにも実は、Thank youカードが届いています!」と伝えると、児童は「え? だれから?」と興味をもって聞くようになります。この後の流れはスライドを非表示設定してありますので参考にして実態に合わせて変更してください。

私の授業では、アメリカに帰国したALTのレット先生にビデオレターを録画して送ってもらい、パワーポイントに入れました。目的意識をもたせるために、録画などを活用すると時短にもつながると思います。一昔前なら外国からビデオを録画して送ってもらうことは困難でしたが、今ではメールなどでも簡単に録画データをやり取りすることができます。機会があれば是非チャレンジしてみてください。なにより子供たちがとても喜び、単元のゴールをイメージさせやすく学習の意欲を高めることができます。
パワーポイントには、実際に作成したレット先生からのビデオレターや児童が興味をもって単元のゴールを把握するまでのスライドが収録されています。ぜひ参考にしてみてください。

単元のゴールを提示したら、ゴールまでの流れも提示し、児童が学習の見通しもてるようにしましょう。また、この単元のゴールの確認は、授業の最初に行ってもよいと思います。

⑧ふりかえり

本時のめあてから振り返りを行いましょう。児童の感想を全体で共有し、称讃しましょう。

居村啓子

居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科准教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。

本好利彰

本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。

パワーポイント(スライド)ダウンロード

下記ボタンをクリックして、データをダウンロードしてください。

構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ・やひろきよみ  アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子

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