学び続ける教師になって学級経営に自信をつけよう!
子供の前に立つことから教師としての第一歩が始まります。教員免許を取得することは、教師としてのゴールではなく、日々、教師として「学び続ける」ことが大切になります。もちろん若手教師だけが「学び続ける」わけではありません。ICTを駆使する若い先生を見て「さすがだなぁ」と思うことがあります。ベテラン教師もまた、目まぐるしく変化する情勢に対応すべく、「学び続ける」ことが必要です。では、教師として成長するために、どのように「学ぶ」のでしょうか。ここで、それを整理してみましょう。
執筆/北海道公立小学校教諭・佐野正樹
目次
授業することを通して学ぼう
学ぶことの大原則のひとつは、「なすことによって学ぶ」ことです。教師の力量を向上させるためには、授業の構想 → 授業の実施 → 授業の省察の一連の過程を意識し、実践していく中で学ぶことが大切になります。
1 授業を構想しよう
事前に完璧な指導案などを作成することも大切ですが、形式にとらわれすぎることで肝心の授業の構想まで行き着かないこともあります。子供に力が身についたのか、教師が学ぶことができたのかという事実を大切にしながら取り組むことが重要です。
また、授業を構想する際には、教師(大人)の理屈でこと細かく授業を構想しすぎてしまうことがあります。子供の思いや考えが表出される(=子供が主語になる)構想であることを大切にし単元や本時で育成を目指す具体的な「子供の姿を想定することが大切です。そうすることで、単元や授業に基づいて省察することができるようになります。
2 授業を実践しよう
構想した「具体的な子供の姿」を念頭に置きながら授業を実践していく中で、発問や指示に対する子供の反応や違和感を簡単でもいいので具体的に記述することで、授業の省察につなげやすくなります。
3 授業を省察しよう
授業が終わった後は、省察することが大切です。授業を実践している中での手応えや違和感をもとに自分の言葉で語ることができるようにしていきましょう。例えば、次のような枠組みで省察をしてみるといいでしょう。
- どんな事実(子供の姿、発言、ノートの記述など)があったのか。
- どのような意味があったのか。何がよくて何がまずかったのか。
- これからどうしていくのか。
具体的な視点を設けて省察することは、子供についての事実を大切にした授業の構想につなげやすくなります。
また、ひとりで省察をすることも大切ですがときには同僚など他の教師に見てもらうことも大切です。
その際には、子供の具体的な事実を大切にしてアドバイスをもらったり、代案をもらったりできると思います。そのとき、自分の授業観が揺さぶられたり、再構築するきっかけが生まれたりして、教師として「学び続ける」ことにつながります。
ほかの先生の授業を見よう
他の教師の授業を見ることにより、授業づくりや学級経営の様子を学ぶことができます。授業を参観するときには、自分が何を学ぼうとしているかをはっきりさせることも重要です。
例えば、1の場所では、子供がどのように取り組んでいるのか表情も含め確認することができます。2の場所では、教師の指示や発問の出し方や身振りや目線の送り方などの教授行為を確認することができます。3の場所では、教師と子供や子供同士が対話している様子を確認することができます。
もちろん複数の場所で授業を見てみましょう。目的に応じて、何を学ぶために、どのように見るのか考えることが大切になります。
イラスト/北澤良枝
『教育技術 小五小六』2021年10/11号より