気づこう! 教室のジェンダーバイアス

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多様性を認め合う社会は、いきいき過ごせる教室から。ジェンダーバイアスについて考えましょう。

執筆/沖縄県公立小学校教諭・我那覇ゆり子

ジェンダーギャップが深刻な日本

あなたは、このような学校の一場面を、どう感じますか?

次代を担う子供たちが、性別にとらわれず、男女ともに多様な選択ができ、自分のよさを発揮して生きていくことができる社会でなければなりません。

しかし、日本のジェンダーギャップは深刻です。

下の表は、世界経済フォーラムが発表した、各国における男女格差を測るジェンダーギャップ指数です。

ジェンダーギャップ指数(2021)上位国及び主な国の順位

ジェンダーギャップ指数(2021)上位国及び主な国の順位

「0」が完全不平等、「1」が完全平等を示しています。2021年の日本の順位は156か国中120位でした。先進国の中で最低レベル、アジア諸国の中で韓国、中国、ASEAN諸国より低い結果となりました。

ジェンダーギャップを解消するために、学校は大きな役割を果たします。では、教師にはどのような視点が必要なのでしょうか。

「男女仲良く」に隠された偏見!?

「男女仲良く」という場面は、学校生活でよく見られると思います。

しかし、この考えは、「アンコンシャスバイアス(無意識の偏ったものの見方)」によるものかもしれません。

「男女仲がよいクラスにしましょう」という声かけが、「男女間には差があり対立しあうもの」と子供たちに偏見を植えつけ、男女間のギャップを助長しているかもしれません。

教室のジェンダーバイアスに気づこう

では、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。まずは、アンコンシャスバイアスに「気づく」ことが大切です。

「女子は家庭的であるべき、男子はたくましく」と社会的な性差を押しつけていませんか。「男子は」「女子は」とひとくくりに指導していませんか。

教師の言動が、ジェンダーバイアス(性差による偏見)を植えつけたり、生きづらさをもたらしたりしているかもしれません。男女という線引きでまとめるのではなく、一人一人の個性を大切にしていきましょう。

教室のジェンダーバイアスをチェックしてみましょう。性差に関する偏見の解消、固定観念を打破し、一人一人がいきいきと過ごせる教室にしましょう。

その教室環境が、ジェンダー、LGBTQ、人種などの多様性を認め合う社会の形成につながっていきます。

当てはまる項目にチェックしてみましょう

イラスト/高橋正輝 、種田瑞子

『教育技術 小五小六』2021年10/11号より

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