食の意識を高める! 栄養教諭・保護者と連携する食育指導

コロナ禍の今こそ、子供たちの「食に対する意識」を高めたいもの。各教科などにおける食に関する指導と相互に関連付けるなどし、今だからできることを活動計画や内容に取り入れながら、効果的な指導をしていきましょう。

執筆/神奈川県公立小学校教諭・石川まゆみ

食欲の秋だからこそ食育

感染症予防を心がける生活が長く続き、子供たちは、健康な生活を送ることの大切さを実感していることと思います。一方で、生活が制限され規則正しい生活を送ることが難しくなっている子供もいるかもしれません。

そんな今だからこそ、食育の観点から、自分の生活をふり返り、リズムのある生活を送ろうとする意欲を高めていくことが大切です。子供が自分の食生活を見直し、自ら改善し、望ましい食習慣や食生活を実現しようとする子供を育てていきましょう。

また以前とは違い、感染症予防のため、給食時間などは「黙食」「個食」になっています。このような状況だからこそ、子供たちの「食に対する意識」を高めたいもの。各教科などにおける食に関する指導と相互に関連付けるなどし、今だからできることを活動計画や内容に取り入れながら、効果的な指導をしていきましょう。

食に関することは、子供たちの生活を反映します。学習や活動を充実させることによって、子供にとって自己理解を深めるものになるとともに教師にとって児童理解を深めるためのものにしていきたいですね。

栄養教諭等との連携

指導に当たっては、栄養教諭等の専門性を生かしつつ、協力して指導に当たることが大切です。授業の構想などの相談はもちろんですが、子供たちが自分の課題を解決するための資料を、栄養教諭や養護教諭などと一緒に作成するとよいでしょう。子供の実態をよく知った担任と、専門性がある栄養教諭等がそれぞれの役割を意識して、授業づくりを行いましょう。

家庭との連携

食に関することは家庭との連携なくしては、十分な効果を得ることができません。学年だよりや学級だよりなどを通じて、学習の様子を伝えるとともに、家庭での実践についても協力をお願いしましょう。

学級活動内容(2)として

食に関する活動を、学級活動内容(2)として取り組むことが考えられます。子供たちが自分の食生活をふり返ることができるよう、事前の活動でどのようなことをするかが大切です。

活動例

事前

  • 自分の食生活をふり返るアンケートをとる。
  • 意欲を高めるために、食に関する本や紙芝居の読み聞かせをする。
  • 題材に関することについて、日々の給食の時間に声をかけておく。

本時

  • 自分たちの現状が分かる資料を準備する。
    (例)
    ・アンケートの集計結果
    ・一日の生活時間など
  • 栄養教諭等に専門性を生かした資料を依頼する。
    (例)
    ・食べ物のはたらきがわかるイラスト
    ・きいろ・赤・みどりの食品など
  • 栄養教諭等との授業準備をする。
  • 他教科などとの関連を考える。

事後

  • 実践時間を確保する。
  • 家庭での実践をお願いする。
  • 栄養教諭等が称賛する場の設定をする。
  • 実践のふり返りの時間を確保する。
  • 活動が終わった後も、係の活動などを通して、継続していけるようにする。

三年生の授業アイデア

題材「リズムのある生活」

①アンケートから分かった、学級の実態や自分の生活をふり返る。

体育の保健「健康な生活」と関連させて学習を進めると効果的です。

②めあてを確認する。

リズムのある生活をするために、どのようなことに気をつけたらよいのだろう。

③朝ごはんを食べなかったり、寝る時間が遅くなったりする理由を考える。

④なぜ朝ごはんが大切なのかを考える。

  • この場面では、子供たちが解決したいという思いをもつことができるような資料の提示が大切です。
  • また、子供の考えについて、栄養教諭等などが専門的な説明を加えることで、考えが深まります。一方的な説明にならないよう、事前に打ち合わせをしておきましょう。

⑤リズムのある生活をするために大切なことについて話し合い、自分に合っためあてを意思決定する。

イラスト/山本郁子

『教育技術 小三小四』2021年10/11月号より

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