二学期の個人目標、自分の成長を実感できるようなめあてにするポイント
二学期のスタート時には、子供たちのやる気を行動に生かしていくことができるような、よりよいめあてを立てられるように支援しましょう。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・山本恭兵
目次
一学期のふり返りを基に
一学期末に行ったふり返りを基に、二学期のめあてを考えるようにします。この際、ふり返りカードやキャリアパスポート、行事や集会の写真、掲示物など、実際に使ったものをもう一度見返すようにするとよいでしょう。
話合いを通して意思決定する
自分のめあてを決める際に、学級での話合いを通して意思決定をするとよいでしょう。話合いの中で、友達の考えと比較したり、友達の考えのよいところを取り入れたりして、よりよいめあてを立てることができます。
❶問題の確認
一学期のふり返りを基に、自分が成長したこと、がんばっていることを確認し、二学期にがんばりたい、これからの課題に気付くようにします。
❷解決方法の話合い
何人かの課題を全体に紹介し、その解決方法についてみんなで意見を出し合います。ここでのポイントは、解決方法について多様な意見が出ることと、実態に沿った具体的な方法が出ることです。
❸解決方法の決定
話合いで出た意見を基に、子供一人ひとりがなりたい自分の姿に近付くためにめあてを決めるようにします(意思決定)。
このときに配慮したいのが、「○○ができるようになる」という「結果に焦点を当てためあての立て方」ではなく、「○○ができるようになるために、△△をする」という「過程に焦点を当てためあての立て方」になるようにすることです。
前者は「できた・できない」の結果でしかふり返ることができません。
しかし後者は「ここまではできた」と以前からの変容に目を向けることができ、自分の成長を実感することができます。
また、子供がめあてを決めるときに、教師が助言することも大切です。一人ひとりの一学期の取組を見て、その子のがんばりを価値付け、具体的なめあてを考えることができるように助言しましょう。
❹実践・ふり返り
個人のめあてが決まったら、一週間程度の期間を決めて、学級みんなで取り組んでみましょう。個人のめあては教室内に掲示し、互いのめあてを見合うことができるようにすると、より意識が高まります。
毎日簡単にめあての「△△をする」のふり返りをして、期間が終わったら自分の取組についてしっかりとふり返る場を設定します。少しでも達成できた子供は大いに称賛し、達成できなかった子供には「△△をする」をどのように修正するのか具体的に考えさせるようにします。
このようにスモールステップで具体的に「△△をする」の改善に取り組んでいくことで、二学期のめあてを達成できるようにしましょう。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2021年8/9月号より