教室が笑顔になる7月のラッキーアイテム「オリジナル指さし棒」
教室に「あるとイイな♪」を紹介する連載記事。今月は授業にアクセントをつける、おすすめアイテムを紹介します。授業が楽しく分かりやすくなるだけでなく、子供たちが「先生のように」説明や発表をしたくなる魔法のアイテムです。ぜひご活用ください。
目次
7月のラッキーアイテム
「ポイント付き指さし棒&枝さし棒」
Point1 視線を集める魔法の杖
「教師=さし棒を持って教壇に立つ」、そのような先生像を抱く方も多いのではないでしょうか。そんな教師の相棒とも言えるさし棒を、自分なりにアレンジして授業に活かしました。
作り方もいたって簡単。百円ショップなどで売っている指さし棒のその指の先に、赤いテープを巻くだけ。すると、人間の本能なのでしょうか、その赤い色に子供たちの視線が引き寄せられるのです。それはまさに魔法の杖。授業の山場や振り返り場面など、ここぞという時に威力を発揮します。
子供たちが黒板の前で発表や説明をする場面では、
この魔法の杖を使って考えを発表してみたい人!
はいはーい!
この図を見てください(指さし棒でパシッと示す)
不思議なことに、魔法の杖を装備した子からは自信とたくましさを感じます。説明を聞く方も自然と前のめりに。私が長年愛用しているアイテムの一つです。今でも、あの時のあの子の発表する姿が鮮やかに心に残っています。
Point2 好機到来!意外な物が教具に変身
次に紹介するのは「枝さし棒」です。休み時間に、校庭から木の枝を教室に持ち込んできてしまう子がいたりしませんか。これは、実際そのような場面に出くわした時に生まれたアイテムです。叱ることや注意することも大切ですが、ユーモアを交えて指導に当たりたいものです。
先生~。木の枝を持ってきちゃいました。
こらこら、木の枝なんて危ないですよ。怪我はないですか。先生が責任をもって預かります。そして適切に処分します。
おや、これはもしかして、アレに使えるかも…⁉
といって、枝の先に色紙で矢印マークを作り、さし棒と同様に授業で使用しました。いつもとは違うさし棒の登場に子供たちの反応も良く、授業への集中が高まったように感じます。教室に木の枝を持ち込んでしまってバツが悪かった子も、思わずニッコリでした。ただし、枝さし棒を使用するのは教師のみ。子供には使わせないようにしました。
授業の最後に念押しとして、「もう、危険なものを持ち込んではダメですよ。」と確認しておくことも忘れずにしたいものです。
皆さんも日々の生活の中で、思いもよらない困った出来事に遭遇した経験はあるのではないでしょうか。そのような時こそ「チャンス!」です。機転を利かす教師の姿勢は、子供たちを安心させ、ピンチをチャンスに変える心を育むきっかけになるのではないでしょうか。
八神進祐(やがみしんすけ)●1988年、愛知県生まれ。愛知教育大学卒業。教育サークルMOVE代表。子どもたちの“ありのまま”を大切にした教育実践に取り組んでいる。
著書「今すぐ真似したくなる教室のひみつ道具図鑑」、教育論文入賞多数、第5回・第7回「全国授業の鉄人コンクール」優秀賞、フォレスタネットグランプリ初代MVP。
YouTubeでは小学館「みんなの教育技術」より、授業力アップ動画を、Twitterでは「だいじょーぶ先生」(@teacher16694123)としてアイデア溢れる教育実践を発信中。