【ことば遊び】早口言葉や絵かき歌で言葉のセンスを磨こう!

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弁慶が長刀

弁慶が長刀

文章は、読点を間違うととんでもない意味になることがあります。たとえば、「弁慶が、なぎなたを、ふりまわし、ふりまわし」という文を、読点をこんなふうに間違うと「弁慶がな、ぎなたをふ、りまわしふ、りまわし」となってしまうという有名な話があります。源義経の家来、武勇にすぐれた武蔵坊弁慶の話です。この、句読点で止まらずに読んだり、間違って読点を入れたりする読み方のことを、「弁慶が長刀読み」「弁慶読み」「なぎなた読み」といいます。

次のような高札が立てられたことから始まります。

べんけいがな
ぎなたをもってさ
しころしたるもの
のみのうちは
とどけいづべし六はら

この高札の意味は「弁慶が 長刀を以て刺し殺したる者の身の内は届け出づべし/六波羅」と、ときの探題によるお触れなのですが、「弁慶がなァ」「ぎなたを持ってさァ」となってしまったのです。ことば遊びにも、これを使っているものがあります。句読点の位置をかえることでとんでもない意味の違いが生まれたり、同じ文でもいろいろな意味にかわったりする楽しさを追求できます。

句点の位置を間違えやすい言葉
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① おれはげたか……
② ここにほん……
③ いるかいないか……
④ がっこうへいこう……
⑤ きょうじゅうにたべましょう……
⑥ わたしはかない……
⑦ みんなもえろほんきになって……

答え

①❶オレは、ゲタか ❷オレ、ハゲタカ/②❶ここ、日本 ❷ここに、本/③❶イルカ、いないか? ❷いるか? いないか?/④❶学校へ、行こう! ❷学校閉校/⑤❶教授、ウニ食べましょう❷今日中に、食べましょう/⑥❶私、はかない ❷私、墓無い ❸私、履かない ❹私は、家内/⑦❶みんな燃えろ、本気になって ❷みんなも、エロ本、気になって

しりとり

しりとり

子どものときに、しりとりをしたことのない人はまずいないでしょう。しりとりは、相手の言ったことばの一番最後の〝音〟を自分が言うことばの冒頭にもってきて、続けてことばを言う遊びです。たとえば、ねこ → こま → まり → りんご→ ゴリラ → ランドセル → るす → すし →しかいしゃ → しゃかい などと続けていきます。

しりとり遊びのルール

①「ん」のつくことばは言えません。(あとが続かないので)「かん」「ライオン」などのことばはアウトです。
②ほかの人が言ったことばは言えません。
③意味のないことばも×です。みんなが知っていることばを言います。
④ものの名前(名詞)だけか、動詞や形容詞もOK かを最初に決めておきます。何回かやっているうちに、どのようにすれば、しりとりに勝つことができるか、わかるようになります。

【必勝パターン ❶】

「る」のつく言葉は少ないことを利用して、最後に「る」のつく言葉を意識的に言う。「まる」「つる」など。「ルール」は形勢逆転の言葉であることも覚えておくとよい。外来語には案外「る」のつく言葉があることも参考になる。「ルーマニア」「ルーレット」「ルビー」など。

【必勝パターン ❷】

「ほれ、ほれ、首の長〜い、しましま模様のあの動物。」などとおせっかいなヒントを与えると、「ああ、キリン!」などと言って、墓穴を掘る人もいる。おせっかいなヒントを言い合うのも楽しい。「黄色い色のくだもので、一つずつ袋に入っているあれ、あれ!」と言うと、思わず「みかん!」と言ってしまう。

バージョンアップ版 二文字しりとり

文字どおり、二文字ずつしりとりをしていきます。ということは、三文字以上の言葉を言わなければなりません。この場合、最後に「ん」がついても支障はありませんが、やはり「ん」をつけてはいけないことにしたほうがおもしろいでしょう。

などとつながります。

しかし、これはかなり難しい言葉(熟語や抽象語や外来語など)を知っていないと勝てません。普通のしりとりが具体的なものの名前中心に展開するのに対して、やや高度な名詞を知っている小学校中学年から高学年にならないと、おもしろくないバージョンです。しりとりは、一番単純で一番簡単な「語彙」を増やしていく遊び、言葉を多く知っている人が有利な遊びなのです。

答えに制限を加えると、さらに新しいバージョンが生まれます。たとえば「たべものしりとり」は、かき → きのこ → こまつな → なし → しまうま(えっ?しまうまは … ライオンの食べ物です、などと言うと、また違った楽しさもあります)→ まつたけ となります。

おなじく「どうぶつしりとり」では、コアラ → ラッコ → コマドリ → リス → スズメ →メダカ → カメ → メジロ などと続けていきます。このあと「ロシアオオカミ」などと、いるかいないかわからない動物名を言う子が出てくると、さらに楽しくなります。

連想しりとり

連想しりとりは、文字でなくイメージをしりとりしていく遊びです。「さよなら三角」の歌のようになんとなく節をつけて続けていきますが、「さよなら三角」という歌を、子どものころにうたった記憶がありません。絵本で知りました。私が知っているのは、「ダイヤモンド高い、高いはエントツ、エントツは…」と続いていくものでした。では、まず「さよなら三角」を紹介します。

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さよなら三角 → またきて四角 → 四角はとうふ → とうふは白い → 白いはうさぎ → うさぎははねる → はねるはカエル → カエルは青い → 青いはやなぎ → やなぎはゆうれい → ゆうれいは消える → きえるは電気 → 電気は光る → 光はおやじのはげあたま

私のクラスの子どもは、かぞえ歌から入っています。
「ひとつ、ふたつ、さんまの、しっぽ、ごりらの、むすこ、はっぱ、なっぱ、くさった、とうふ」に続けて、連想しりとりが始まります。とうふは 白い → 白いは うさぎ → うさぎは はねる → はねるは かえる →かえるは みどり → みどりは きゅうり → きゅうりは いたい → いたいは 注射 → 注射は こわい → こわいは ゆうれい → ゆうれいは きえる → きえるは 電気 → 電気は 光る → 光るは おやじのはげあたま

連想しりとり歌をつくってみる

まず、最初の題です。たとえば、「リンゴ」にしましょう。

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リンゴは赤い → 赤いは消防車 → 消防車は走る → 走るはチーター → チーターは速い → 速いは飛行機 → 飛行機はとぶ → とぶはカラス → カラスは黒い

などとつくっていきます。

「連想しりとり歌」を続けるコツは、色や形が共通するものを探すこと(形容詞)、動きを表すことばで共通するものを探すこと(動詞)などがあります。さらに、それらに思いがけない共通点が見つけられると、もっと楽しくなりますなれてきたら、リズムをとって、二回、パンパンと手をたたきながら回したりする遊びもできます。即興でおもしろい答えが出てくると、楽しさが一気にアップします。

執筆/小宮山 繁
イラスト/林 幸・渡井しおり

compact64『ことば遊びアラカルト』より

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