基本がわかる!家庭科指導のポイント《5年:学級旗を作る》
今回は、フェルトを使った小物作りを行うことで、手縫いに必要な用具の安全な使い方を理解し、手縫いの基本的な技能を身につけられるようにします。
クラスの思い出になる学級旗などの制作で、大いに盛り上がりましょう。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・小笠原由紀
監修/前・文部科学省教科調査官・筒井恭子
目次
針と糸で手縫いに挑戦
全8時間の指導計画は上記の通りです。
ポイント:ICTの活用(1時間目)
ボタン付けや玉止め、玉結びなど、細かな手先の作業は伝えるのが難しいもの。積極的にICTを活用しましょう。写真資料だけでなく動画資料も用意し、タブレット端末に動画資料を入れておくことで、子どもが繰り返し確認することができるようになります。
タブレットのプレゼンテーション機能を活用すれば、操作も簡単です。
ポイント:掲示物の工夫 ネームワッペン製作(2~3時間目)
ひとりひとりの技能の定着のために
ネームワッペンの製作では「ボタン付け」をします。手元を写した拡大写真やイラストを使った掲示物を用意し、ボタン付けのポイントが理解できるようにします。
ポイント:フェルトを使った小物づくり(6~7時間目)
いよいよ 手縫いを使った学習です。簡単なマスコットづくりも考えられますが、全員で思い思いにパッチワークして、クラス旗を作るのもおすすめです。子供の実態を考慮し、何を製作するかを考えるとよいでしょう。
目的に合わせて、なみ縫い、半返し縫い、本返し縫い、かがり縫いを用いて、パッチワークの作品づくりをすることもできます。(下の画像は、クラス全員の作品を一枚の布に貼り合わせたクラス旗)
縫って、使って、わくわくミシン
手縫いに続いて、ミシンに挑戦します。こちらの指導計画は9時間。ランチョンマットの製作に取り組みます。
ポイント:「縫いしろの必要性」を理解する(1時間目)
ランチョンマットの製作では、でき上がりの大きさに、縫いしろを加える必要性があることを理解できるようにします。その際、下の画像のようなコースターの試しづくりをすることで、実感を伴って理解できるようにします。
「10㎝×10㎝のコースターを作るためには、何㎝×何㎝の布が必要だろうか?」と問いかけ、グループで話し合いながら試しづくりをしましょう。
『教育技術 小五小六』2019年7/8月号より