トラブル発生時、保護者と連絡をとる3ステップ
保護者とつながるにはどうすれば? いじめや不登校が起こってしまったら? 保護者対応のポイントを解説します。
執筆/広島県公立小学校校長・寺戸典子
目次
1 保護者は子供の一番の味方です
子供が育ってきたこれまでの10年余り。保護者の気持ちに思いを馳せてみましょう。
2 つながるチャンスはどこにでもあります
①家庭訪問
- 学年始めには、住居の場所やどのような環境で生活しているのかを確認します。通学路なども把握しておきましょう。
- 3日以上休みが続いたときには電話をかけて、伺ってもいいかを尋ねましょう。
- いじめや子供同士のトラブルによるけがのときには、電話後、家庭訪問をするほうがよいですね。
②学級通信
担任の学級目標等(どんな子供を育てたいか)をもとに、日ごろの学級の出来事や担任の思いを伝えておくと、理解や信頼を得られます。
③連絡帳
- 休みの連絡には丁寧に返事を書きましょう。私たちが思っているよりも、ずっと子供も保護者も先生からのひと言を待っています。
体調が悪いとき、体育を見学するときなどは、子供の学校での様子を1日よく見ておき、帰りに連絡帳に書くとよいです。
素早い対応が必要な場合や相手がいるトラブルの場合は、学年主任、管理職の先生に知らせ、返事は連絡帳ではなく、電話をするようにしましょう。
④電話
手っ取り早い連絡手段ですが、相手の顔が見えないので、丁寧な対応が必要です。
- 家庭訪問に行くほどではないけれど、連絡帳に書くだけでは心配な場合には電話をしましょう(わからないときには必ず誰かに相談しましょう)。
3 万が一のときにもスタンスは同じです
いじめや不登校等の生徒指導上の問題が起きたとしても、スタンスは変わりません。
ともに子供を育てる大人として、真摯な態度で保護者に向き合い、一緒に考えていきたいというメッセージを伝えましょう。
いじめ
こちらの気持ちを理解してもらえず、対応が難しくなる場合もあります。そのときには、ひとりで悩まず、必ず誰かに相談しましょう。
不登校
学校に行けなくなる原因は、学校生活への不適応以外に、家庭での問題や「いじめ」の場合など、数限りなくあります。
原因を突き止めたり誰かのせいにしたりするよりも、日ごろから保護者とだけではなく、子供との信頼関係をつくっていくことが重要です。
また、心理的、身体的な問題が原因となっている場合も考えられるため、ひとりで考えず、カウンセラーや医療機関等とも連携するようにしましょう。
イラスト/種田瑞子
『教育技術 小五小六』2021年6/7月号より