6月の教室環境
子供たちが学級生活に慣れ、活発になってくるこの時期に、1年間、自分たちの成長を日々感じられるような教室環境づくりをしたいものです。掲示物を通して、子供同士が交流できるように工夫しましょう。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・塚本裕美
目次
学級のあゆみ(歴史)を残す
学級のあゆみを掲示すると、自分たちの成長や思い出の記録となります。一つひとつ積み重ねていくと、学期末や学年末に学級をふり返るときに資料となります。
❶年間の予定と合わせて掲示する
3月までの予定や行事は、あらかじめ教師が掲示しておきます。そして、日々の生活の中での学級の成長や思い出を、その都度増やしていきます。
そのときの写真や子供のコメントもあると楽しくなります。コメントは係の仕事や実行委員の役割にしてもよいですね。
❷月ごとのカレンダーに記入する
帰りの会などで「今日のよかったこと」のコーナーをつくり、一日をふり返ります。その言葉をカレンダーに日々残していくと、それが学級のあゆみとなります。終わった月のものは、教室の上窓などに掲示しておくと、ふり返りに活用できたり、自分たちの成長を実感できたりします。
5×5の25マスを書くと、どの月でも使えます。模造紙半分程度の大きさが使いやすいでしょう。年間を通して、無理なく続けられることをすることが大切です!
学級と個人のふり返り
❶学級目標のふり返り
自分たちがめざす姿に近付いているのかを視覚的に分かるように工夫してあると、目標に沿ったふり返りがしやすくなります。例えば、学級のキャラクターがゴールに向かって進んでいくようなものであれば、今どこまで進んでいるのかを、学級のあゆみやカレンダーと照らし合わせて、具体的な姿を取り上げながら、確認することができます。
❷個人のふり返り
4月に書いた個人プロフィールがそのままになっていませんか。定期的に、自分のめあてをふり返るようにしましょう。できるようになったこと、がんばったこと、これから取り組みたいことなど、次につながるふり返りができるとよいですね。キャリアパスポートを活用することもできます。一人ひとりのクリアファイルに入れ、ふり返りをするたびにファイルの手前に入れていくと、過去のふり返りも見返すことができます。
係活動コーナーを活用する工夫
6月は梅雨の時期で雨の日が多くなります。子供たちが衛生的に生活し、転んでけがなどをしないような安全面での指導や環境づくりが必要です。
また、外遊びができず、教室内で動き回って遊んでいるようであれば、「外遊びができない日は、係活動の日」と設定し、係活動を充実させる機会としましょう。
1 雨の日の過ごし方について各係が取り組みを考え、「係活動コーナー」に掲示する
自分たちの実態を知り、実態をよくしていくためにはどうしたらよいか、具体的なアイデアを出し合います。
❷情報交換コーナー
係活動のよかったところやアドバイスをするコーナーを作ることで、みんなで情報を共有することができます。互いにやりとりできることで、友達の活動に関心をもつようになります。
梅雨どきの健康・安全に配慮した環境づくり
熱中症・感染症予防のための換気
休み時間、給食前、掃除中などの時間に、窓を開けて換気をしましょう。日直当番の仕事にしてもよいでしょう。
濡れた床に注意
湿気で床が滑りやすくなっています。廊下を走らないなど安全面でのルールを確認したり、濡れていたら雑巾で拭き取ったりするように指導しましょう。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2021年6/7月号より