基本がわかる!家庭科指導のポイント《用具の使い方指導の基本》

家庭科の授業において、学級旗やバッグなどの製作は、子供たちにとって楽しい学習のひとつです。安全に楽しく活動することができるように気を付けたい指導のポイントや学習環境について紹介します。まず今回は基本編。子供が手縫いやミシン縫いに必要な用具の安全な使い方を理解し、基本的な技能を身に付けることができるようにします。

執筆/神奈川県公立小学校教諭・小笠原由紀
監修/前・文部科学省教科調査官・筒井恭子

用具の安全な取扱い方から始めよう

手縫い① 縫い糸の長さの目安を示す

家庭科室で行う製作の学習では、隣や前の子供との距離が近くなります。誤って針の事故が起きないよう、適切な糸の長さの目安を確認し、糸が長すぎて近くの子供に危険が及ばないようにします。

体を使って適切な糸の長さを測る
体を使って適切な糸の長さを測る

手縫い② 机上を整理・整頓し、ペアで使用前後の用具の数を確認する

活動前に、本時の学習で必要な用具のみを机上に準備する習慣をつけます。机上を整理しておけば、針の紛失を防ぐことができます。また、ペアで使用前後の用具の数を確認することも有効です。

用具の整理

ミシン縫い① 安全チェックシートを活用する

安全チェックシートを準備し、ミシンを使う前にペアで安全チェックができるようにしておきます。

ミシンの安全チェックシート

ミシン縫い② ミシンを運ぶ際の動線を確保する

ミシンを運ぶときは2人一組で行います。ミシンの収納棚から作業机までを一方通行にし、子供同士が接触しないようにします。

ミシンを運ぶ子供 動線の確保

整理・整頓された教室環境をつくる

ミシン縫い① ミシンと机の番号を一致させる

ミシンと収納棚、作業机に同一の番号をつけることで、自分が使うミシンが分かり、片付けもしやすくなります。

ミシンと収納棚

ミシン縫い② 一目で分かる整理・整頓された環境を用意する

用具が棚のどこにあるかが一目で分かるようにしておくことで、子供自身で探したり、片付けしたりしやすくします。

ミシンや政策に必要な用具棚

個に応じた指導 教材の工夫

★見通しがもてる掲示物を提示する

手縫い・ミシン縫いともに、活動の流れが一目で分かる資料を提示することで、見通しをもって活動に取り組めるように支援します。

活動の流れ 掲示例
活動の流れ 掲示例

ミシン縫い① ボビンを正しくセットできるようにする

ボビンを正しくセットできるように、上面には赤い色を塗る等、視覚的にボビンの上下が分かるような工夫をしておきます。

ボビン 上下の区別

ミシン縫い② 上糸・下糸のかけ方図を用意する

上糸のかけ方図、下糸のかけ方図をペアに一枚ずつ用意しておき、糸かけの仕方をいつでも確認することができるようにします。(下写真の説明資料には、表面に上糸のかけ方図、裏面に下糸のかけ方図を掲載しています。)

上糸・下糸のかけ方図

『教育技術 小五小六』2019年7/8 月号より

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