みんなの思いをかなえる 小1小2の学級会アイデア
学級会を進めながら、議題や提案理由、発言のしかたなどを学びましょう。
執筆/東京都県公立小学校主任教諭・東 奈奈子
目次
思いや願いをみんなでかなえる場
学級会は、
みんながもっと仲よく
もっと楽しいクラスにするために
みんなでやりたいことを
みんなで話し合って
みんなで決めて
みんなでやる時間
をかなえる場です。
低学年では、教師の助言を受けながら、発言のしかたや意見の聞き方など基本的な話合いの進め方を身に付けるようにします。また、学級会で決定したことをすぐに実践することで、「みんなで決めてよかったな」と感じることができます。
最初は、1時間の中で、前半の時間で話し合い、後半の時間で決めたことを実践するのがよいでしょう。「みんなでやって楽しかったな」「またやりたいな」という経験をたくさんさせましょう。
学級会を始めよう! オリエンテーションをしよう
学級会ってどんなもの?
初めての、学級会。学級会とはどのようなものか、なぜ学級会をするのかを説明します。
こんな役割があるよ
話合いをするには、司会グループが必要になります。
ワンポイント①〜役割の工夫〜
発達段階に合わせて、副司会を「さしやさん」とすることもできます。手を挙げている友達を指名する役割です。
また、入学当初の子供が黒板に意見を書くのは、難しいものです。そこで、短冊を用意し、教師が短冊に出た意見を書き、それを貼るのが「はりやさん」の役割です。
ネーミングの工夫で、仕事内容がより明確になります。
最初の学級会では、司会グループの役割をすべて教師が行うとよいでしょう。子供たちが話合いの進め方を実際に見て、理解できるようにすることが大切です。見ている子供たちは、きっと司会グループをやりたくなるはずです。学級会を重ねていくなかで、少しずつ役割を子供たちに引き継いでいくとよいでしょう。
第1回学級会をしよう
学級会を進めながら、議題や提案理由、発言のしかたなどを学んでいきます。
議題と提案理由を確認したら、やりたい遊びを出していきます。手を挙げて指名されてから発言する、友達が発言しているときは最後まで黙って聞くなど、基本的なことも確認しながら進めます。
また、理由が言えない子には、「どうしてその遊びがやりたいの?」と問いかけることで、意見と一緒に理由も言うことができるようになります。
声かけをしなくても、理由が言えた子、黙って手を挙げている子などを、その場でほめることも有効です。
ワンポイント②〜学級会の前に〜
クラス遊びを決める際に、遊びの経験が少なかったり、遊び方を知らなかったりすると話合いが途中で止まってしまうことがあります。学級会前に、休み時間などで教師が遊びを紹介し、クラス全員で実際にやってみることが大切です。慣れてきたら、子供たちが知っている遊びも取り入れると、さらに広がります。たくさんの遊びを全体で共有したうえで、学級会に臨むことが、学級会をスムーズに進めるコツです。
意見をまとめよう
次に、出された意見の中から、今日やる遊びを決めていきます。意見が分かれたとき、どのように決定するかは難しい問題です。みんなが納得できる意見を見付けていきましょう。
学級会では、自分と違う意見や少数意見も大切にし、できるだけ多くの意見のよさを生かす方法を考えていくことが大切です。友達の意見を聞いて、自分の意見が変わったり、深まったりするのも、学級会の面白さです。
決まったことを実践しよう
決まった遊びは、みんなで楽しみましょう。
ふり返りをしよう
遊びが終わったら、今日のふり返りをします。がんばりを認め、大いにほめることで、次への意欲が、着実に高まります。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2021年4/5月号より