今すぐできる! 教室のユニバーサルデザイン化
教室にはさまざまなタイプの子供たちがいます。支援を必要とする子には具体的な支援を考えます。しかし、一見支援が必要ないだろうと先生が思っていても、実は困り感を抱えている子もいます。どの子も安心して学校生活を送り、分かりやすい授業を受けられるよう、教室の環境づくりを工夫しましょう。
執筆/東京都公立小学校教諭・桐川瞳
目次
提出ボックスのユニバーサルデザイン化
複数の提出物(宿題など)を「先生の机に出して!」と指示したとします。しかし、子供たちは何をどこに出したらよいのか迷ってしまいます。そこで提出ボックスをグループ数分用意します。1グループ5人くらい、出席番号で区切るとよいでしょう。グループカラーを決め、次に宿題ノートや音読カードにビニールテープや丸シールを貼って色分けをします。宿題をしたら、自分のグループの色の箱に宿題を入れるだけです。提出先が1つなので、やるべきことが明確になります。
黒板掲示物のユニバーサルデザイン化
黒板に貼ってあるものは、子供たちにとっては刺激になることがあります。掲示したいものはできるだけ、前黒板の周りではなく、側面か教室の後ろの壁や黒板に貼るようにします。
しかし、常に貼っておかなければならないものもあります。例えば日付カード。どの子も分かりやすいものにするには、くっきりと大きく示すことが必要。パソコンで打って印刷したものをラミネートしておけば、長く使うことができて便利です。背景を黒板と同じ深緑色にしておくと、黒板に馴染んで刺激になりづらいのでおすすめです。
時間割もラミネートカードにしておくと、当番活動で子供たちが活用できます。時間割は毎日確認するものなので、フォントをユニバーサルデザインにするだけでなく、教科ごとに色分けをしておくと、視覚的支援にもなります。マグネットケースを用意して、しまう場所も明確にすると分かりやすいでしょう。
忘れ物対応のユニバーサルデザイン化
忘れ物をした子に、すぐに貸し出せるよう貸出コーナーをつくっておくと便利です。貸出コーナーには、各教科のノートのコピーや貸し出し文具セットなどを常備し、引き出しごとに分類して明示しておくと分かりやすいでしょう。
忘れ物をしたら先生に伝え、引き出しから必要なものを取り出す、という流れをつくっておくことで授業への不安を解消することができます。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2021年2月号より