子供が落ち着いて主体的に学ぶことができる教室環境の工夫

学期末に向かうとともに、まとめの時期に近付きます。子供たちが落ち着いて過ごし、学習に集中できる環境づくりができているか見直していきましょう。

執筆/神奈川県公立小学校教諭・西田あすか

子供が主体的に学ぶ環境づくり

座席の配置

席替えを楽しみにしている子供はたくさんいます。席替えの方法はいろいろありますが、座席は授業を行ううえでとても重要です。どの子供も授業に参加できる快適な学習環境になっているかを確認しましょう。

視力・身長・学力の配慮

視力の低い子や身長の低い子、学習で支援が必要な子は、黒板に近い、前方の席にします。黒板が見えなければ、授業に集中することもできません。また、教師が個別に支援しやすい席にすることも大切です。

音の配慮

音に大きく反応してしまう子は、窓や廊下から離れた席にします。外の景色や音、廊下の話し声などに反応してしまうからです。水槽がある教室は、水槽の音にも注意しましょう。

何より大事なのは、年間を通して、子供たちが友達全員と関われるような座席を組むことです。人間関係や子供たちの実態に応じて、座席の配置も工夫していきましょう。

特別教室の座席のアイデア

座席に番号を付ける

低学年で、図書室などの特別教室を利用することがあります。教室とは違う机の配置になるので、毎回自分の席を見付けられなかったり、戸惑ったりする子供もいます。そこで、学校司書や専科の教員にも協力してもらい、座席に番号を付けておきます。そうすると、自分の出席番号を自分で探して座ることができます。また、図工室や音楽室なども、同じように番号を付けておくと、低学年だけではなく、どの学年でも視覚的に自分の席が分かりやすくなります。

番号が付いた座席を見る教師
「僕は、2番だからこの席だ!」

一日の流れを視覚的に示す

前日に、次の日の予定を連絡帳に書くと思いますが、子供たちは、その日、その時間に何をするのか気になります。「先生、国語は何をしますか?」「今日の体育は何をするんですか?」などと、聞きに来る子供もいます。そこで、一日の流れを視覚的に示すとともに、内容を伝えると見通しをもつことができます。

予定を書いたボード

終わったものは消しましょう。残りの時間が分かり、安心して過ごすことがで きます。

ユニバーサルデザインの視点による授業づくりでは、どの子も「分かる」「できる」ことが大切です。特別な支援を必要としている子供には「なくては困る支援」ですが、どの子供にとっても、「あると便利な支援」になります。

ユニバーサルデザインの視点を取り入れた授業を工夫し、一人ひとりの学びを充実したものにしましょう。

板書の工夫

短い言葉でまとめる

長い文章がたくさん並んでいたり、文字が多かったりすると、情報量が多すぎて頭の中に入ってこない場合があります。黒板には、必要以上に書かないことも大切です。子供の意見をまとめて、短い言葉を板書していくようにしましょう。色チョークで囲んだり、矢印を使ったりすることも効果的です。

色のチョークに配慮する

色覚特性をもつ子供は、黒板に色分けされたチョークの文字の色を認識することが困難です。子供の情報を事前に把握することはもちろんですが、使う用途を決めておくことも大切です。例えば、めあては黄色、まとめは赤色など、約束事として決めておくと、言われなくても自分たちでまとめていくことができます。

授業内容を構造化する

板書

ワークシートの活用

学習の内容によっては、ワークシートを活用します。その場合は、罫線やマス目を書いたものを準備しましょう。字が大きくなったり、斜めになったりすることなく、見やすく、そして、子供自身も書きやすくなります。

ワークシート

視聴覚機器の活用

言葉で説明するのは難しく、伝わりづらい内容もあります。その場合、実物があると分かりやすくなります。実物投影機でテレビに映して見せたり、実物が用意できない場合は、タブレット端末で写真や動画などを見せたりと、視聴覚機器を活用しましょう。

座席によっては、見にくい子供もいるので、「見やすいところに移動してもいいよ」と声をかけたり、教師自身が見て確認したりすることが大切です。

視聴覚機器を活用する教師
「実際にテレビに映して見せよう」

イラスト/佐藤雅枝

教育技術 小一小二』2021年2月号より

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