小6国語「君たちに伝えたいこと/春に」指導アイデア

教材名:「君たちに伝えたいこと/春に」東京書籍

指導事項:〔知識及び技能〕(1) ケ〔思考力、判断力、表現力等〕C(1)オ・カ 
言語活動:ア

執筆/京都府公立小学校教諭・深田知子
編集委員/前・文部科学省初等中等教育局教科調査官・菊池英慈、京都市総合教育センター研修主事・藤本鈴香

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

小学校生活最後となる本単元は、小学校六年間で培ってきた力を確かめるとともに、その力を活用して文章を読んでいくようにします。そして、中学校へ、未来へと向かっていく気持ちを友達と共有し、次のステージへと向かう意欲を高めていきたいものです。

まず、文章と詩を読み、自分の経験や小学校生活を振り返ることで、自分の考えを広げたり深めたりすることを目指します。そして、文章を読んでそれぞれが考えたことを友達と伝え合って共有する力の育成を目指します。

②言語活動とその特徴

本単元では、文章と詩を読んで考えたことを共有することで、さらに自分の考えを深めることを目指しています。そのため、文章と詩を読んで自分の考えをもつという活動を位置付けます。

考えを共有するためには、自分の考えをもつことが必要です。文章のどこに自分が心惹かれたのかを明らかにした上で友達と交流することにより、互いの意見や感想の違いを明らかにしたり、互いの意見や感想のよさを認め合ったりすることを大切にします。そして、共有したことを一人一人の考えを広げたり深めたりすることにつなげていきましょう。

単元の展開(4時間扱い)

主な学習活動

第一次(1時)

①これまでの学習を振り返って学習課題を明確にし、学習の計画を立てる。
→アイデア1 対話的な学び

【学習課題】これまで身に付けた力を振り返って文章を読み、考えたことを友達と伝え合って考えを深めよう

第二次(2・3時)

②「君たちに伝えたいこと」を読み、筆者のメッセージについて考え、考えたことを友達と伝え合う。
→アイデア2 主体的な学び

③「春に」を読み、作品からどのようなことを感じたり考えたりしたかを確かめる。

第三次(6時)

④二つの作品を読んで考えたことを文章にまとめて伝え合い、単元の学習を振り返る。
→アイデア3 深い学び

アイデア1 これまでの国語の学習で印象に残っていることを話し合おう

対話的な学び

はじめに、これまでの学習で身に付いた力を振り返り、その力を自覚的に活用していくことが大切です。六年生最後の単元ですので、身に付いた力を活用して学習に向かうことを目指しましょう。これまでのノートやワークシート、作品などを見直しながら、対話を通して学習を振り返ることで、自分たちの学びを自分たちで確かめられるようにします。

話し合う子ども

このとき、一年間でどのようなことを学習してきたかを振り返ることができるように、教科書巻頭の目次を活用します。身に付いた力やできるようになったこと、印象に残ったことなどを話しながら付箋紙に書き出し、目次に貼っていくようにします。

▼教科書目次の活用例

イラスト/斉木のりこ 横井智美

『教育技術 小五小六』2021年3月号より

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