教師の助言で学級会をバージョンアップ !!
学級会をバージョンアップさせる、教師の助言のポイントを紹介します。
執筆/東京都公立小学校主任教諭・東奈奈子
目次
指導のポイントはこの3つ!
①笑顔
子供たちが安心して自分の意見を言える温かい雰囲気をつくるために必要なのは、話合いを見守る「教師の笑顔」です。
②司会グループへの手助け
しっかり準備をしていても、慣れないうちは進行がうまくいかないこともあります。そのときは、司会グループだけに聞こえる小さな声で言うのではなく、全体の前でアドバイスをします。
そのアドバイスを聞いて、周りの子供たちも話合いの進め方を覚えていきます。
③具体的にほめる
話合いが終わったら、先生の出番です。子供たちのがんばりを認め、大いにほめ、自信を与えましょう。何をほめられたのかが分かるように、具体的に伝えましょう。
助言のポイント①~話合いの中で~
学級会は、子供たちが心を合わせて話し合う時間です。教師は活動を見守りつつ、状況を適切に把握し、機会をとらえて助言をします。
話合いが進まないときは?
こんなときはちょっとストップ
児童の自治的な活動の範囲を超えたとき(児童に任せられないもの)は一時話合いを中断し、指導することが必要です。
- 授業の時間や学校のきまり、施設利用に関すること
- 金銭に関すること
- 安全や衛生に関すること
このような内容が出た場合は、その場で適切に指導することが大切です。
話し合うことができない内容や友達を傷付ける発言をしないことなど、学級会オリエンテーションで最初に伝えておくことが大切です。また、三密を避けて工夫して活動しなくてはいけないことも、事前に伝えておくとよいでしょう。
助言のポイント②~終末の助言~
「終末の助言」は、学級会の最後に、先生が子供たちの活動を評価する時間です。終末の一言は、以後の話合い活動に大きく影響します。
子供たちが満足感や達成感を味わえるような学級活動にするためにも、教師にとって大事なポイントです。次のような視点で子供たちを見ていくとよいでしょう。
1 クラスや友達の思いを大切にした意見や態度への称賛
友達の思いや発言を大切にしたり、みんなのために自分の意見を譲ったり変えたりできた子を大いにほめることで、子供たちに自信を与え、モデル化していきます。
2 話合いの進行を助ける意見への称賛
司会グループが困っているときに、教師が助言するだけでなく、自分たちで助けようとする「助け合う」雰囲気を学級に生み出します。
3 見通しをもった意見への称賛
子供たちに「自分たちで解決した」「実現した」という思いをもたせるために、実現不可能な意見に気付く子供を育てることも大切です。
4 初めて発言した子やがんばった子への称賛
日頃あまり意見を言わない子が意見を言ったときは、すかさずほめましょう。自信がなく不安でいっぱいな子供にこそ、自信を与え、みんなが意見を言える雰囲気をつくります。
5 司会グループへの称賛
司会グループの計画から話合いまでのがんばりをしっかりほめましょう。輪番制なので、必ず全員をほめることができます。
ほめられたことへの喜びが、次への意欲となり、話合いの活性化につながります。前回の学級会と比べてわずかな進歩でも、見逃さずにほめるようにしましょう。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2020年12月号より