11月の学級経営のポイントとは【小三小四】
小三・小四、11月の学級経営では、心を整える時間をつくることを意識しましょう。
執筆/東京都公立小学校主任教諭・佐々木陽子
目次
行事の準備を計画的に進める
コロナウイルスの感染拡大で、学芸会や音楽会、展覧会など大きな行事が中止になったり、縮小されたりと各学校の対応もさまざまです。
実施する場合は、学校行事の目標や内容を、学年で具体化して準備を進めていきます。子供の実態に応じて無理のない範囲で活動計画を立てましょう。
図工や音楽専科の教員がいる場合は、事前に打ち合わせをして滞りなく活動が進められるようにしましょう。
お互いを認め合う雰囲気を
学校行事は、目標に向かって学級や学年、学校全体で協力して取り組みます。個人の頑張りも素晴らしいことですが、友達や周囲の人々の協力があってこその活動です。
そこに目が向けられるように導くことも、大切な指導です。子供のよさやがんばりを、先生や友達が見付け紹介していくと、全体の士気が高まります。さらにお互いが認め合う雰囲気をつくることで、居心地のよい温かな教室になっていきます。
教室環境を整える
大きな行事が近付くと、子供たちも活動の忙しさや疲れが重なり余裕がなくなっていきます。すると、それに連動して教室環境も乱れていきます。落とし物があっても誰も気が付かない。もしくは気が付いても拾おうとしない、といった姿が目立つようになります。
また、床にプリントや消しゴムのカスがたくさん落ちたままになったり、掃除がいい加減になったりします。
環境の乱れは心の乱れです。ちょっとした汚れにも気付かせて、教室環境を整えていきましょう。
リラックスタイムの活用
11月は、子供のいじめが発生しやすい時期と言われています。だからこそ、学芸会や展覧会などの大きな行事を行うことは、みんなの心を一つにさせるよい機会にもなります。
行事だけではなく、学級や学年で楽しむイベントを企画して、よりよい人間関係を構築していくのもよいでしょう。
しかし、行事やイベントごとが多く、慌ただしくなればなるほど、トラブルや怪我も発生します。 臨機応変に無理のない範囲で、次のようなリラックスタイムを取り入れてみてはいかがでしょうか?
- 授業の最初の5分間、机の上に伏して目を閉じる。
- 先生の本の読み聞かせを行う。
- 安らぎを感じる音楽(川の流れる音や鳥の声など)を流す。
- 先生からクイズやなぞなぞ、ミニゲームを提案する。 など…
ちょっとした息抜きも、大きな行事を乗り越える原動力になりますよ。
SNSの使い方
ゲーム機やスマホを持っている子が、年々増えてきています。思わぬトラブルに巻き込まれないためにも、実際にあった事例や身近なトラブルを子供たちに話して、みんなで一緒に考える時間を設けることは大切なことです。
起きやすいトラブルを確認しながら、子供同士で話し合ってみましょう。
❶ゲームや動画に時間を使いすぎて、宿題ができない。
❷ゲームに夢中になり、高額課金してしまう。
❸不適切なサイトを閲覧してしまう。
❹SNSで知らない人とつながり、犯罪に巻き込まれる。
❺無許可の映像や音楽のアップロード&ダウンロードをし、著作権を侵害する。
❻悪ふざけの写真やデマ、悪口の書き込みを友達に送る。
❼個人が特定できる情報を流す。
これらは学校で話し合うだけではなく、各家庭でどのようにルールを定めればよいか、子供と話し合ってもらいましょう。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2020年11月号より