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夏休み有効活用のためにしておきたい事前指導11

2019/6/20

中学年の夏休みは、生活が乱れやすくなるだけでなく、行動範囲が広がり、様々なトラブルも起こりがちです。生活面や学習面で子どもや保護者にはどのような事前指導をすべきなのか、東京都八王子市立公立小学校校長 清水弘美先生にお話を聞きました。

夏休みのこどもたちのイメージ

生活面での8つの指導

1.事故を防ぐ指導

夏休み前に、子どもたちに休み中特に気を付けるべきこと、起きやすい事故について指導します。子どもには、「夏休みの火の事故は花火で起きやすい」など、具体的なシチュエーションを交えて解説することで伝わりやすくなり、どうすればよいか自覚するようになります。また、「こうゆうスイカ」など、覚えやすい言葉で指導すると、ポイントが記憶に残ります。

こうゆうスイカ」に気を付ける
こう→交通事故
ゆう→誘拐
スイ→水の事故
→火の事故

子どもだけでなく、保護者にも夏休みに起きやすい事故についてしっかり伝えることが重要です。特に自転車の事故。4年生になると、子どもだけで自転車で移動して遊ぶこともあります。自転車の事故は被害者になるだけでなく、加害者になることもあるため、具体的な指導が必要です。自転車で歩道を走ると、お年寄りや小さい子どもにぶつかる危険もあることをしっかり伝えましょう。また小学生はヘルメット着用が義務付けられていることも改めて指導しておきましょう。

2.お金のトラブルを防ぐ指導

お金のトラブルを防ぐ指導
「あれ、やろうぜ」
「僕、もうお金ないし・・・」
「オレが払うよ、行こうぜ」
「でも、お母さんに・・・」
イラスト/宇和島太郎

夏休み期間は、地域のお祭りがたくさんあり、子ども同士で出かける機会が増えます。そういう時こそ、お金のトラブルが起きやすくなります。地域のイベントには積極的に参加するよう促しつつ、お金のことには十分気を付けるよう、子どもにも保護者にも伝えておきましょう。

3.生活習慣をくずさない指導

夏休みはつい夜ふかしをさせてしまったり、外出からの帰宅が遅くなったりすることもありますが、注意が必要です。例えば東京都の条例では、夜の11時以降は、保護者の同意なく、または正当な理由なく、深夜に子どもを連れ出したり、同伴させたり、留めた場合は罰せられます。保護者には、子どもには夜になったら理由のない外出をさせないように伝えます。また、夏休みの終盤になると、「学校に行きたくない」と言い出すなど、登校しぶりになる子どもも出てきます。宿題が終わっていない子はますますそういう気持ちになるため、計画的に過ごしつつ、夏休み終盤には生活をきちんと立て直すよう伝えます。

4.帰宅時刻を決めさせる

友達の家に遊びに行く際には、帰る時間を必ず決めさせましょう。帰宅時刻を決めないで友達同士で遊ぶと、保護者間のトラブルになるケースもあります。「うちのお母さんは帰ってないから、何時まで遊んでもいいんだ」と言って、ずっと友達の家にいる場合、その子はよくても、招待した家庭は迷惑です。そうした場合は「うちは5時までだから帰ってね」と言って帰ってもらうようにします。

5.子どもを犯罪者にしないために

3,4年生という年齢は、悪いことが少し格好よく見える時期です。以前、走っている車に子どもたちが石を投げるといういたずらをして問題になったことがありました。子どもたちは度胸試しのつもりでいたずらをするのですが、それが犯罪になる場合もあります。夏休み前には、保護者の目の届かないところで、子どもはいろいろな行動をしているものだということを保護者の方にも伝え、意識してもらうことが大切です。例えば、夕飯の時などに、「今日は何をしたの?」「誰と遊んだの?」などと、親子の会話を増やすことで、子どもたちの行動を把握するようにお願いしましょう。

6.女子の保護者には服装の指導を

夏休みだからと言って、子どもがセクシーな服を着るのを容認しがちですが、保護者がきちんと意識して子どもの服装の選択をする必要があります。最近流行の、肩を見せるタイプのトップスや、ものすごく短い短パンなど、タレントなどが着ている服装に子どもも保護者も憧れるため、一度は着せてあげたいと思うものですが、避けたほうがよいでしょう。自分がかわいいと思うことは、他の男の人もかわいいと思うものだということを自覚する必要があります。夏休みの間だけ髪を染めることにも注意喚起をします。

7.自然体験や宿泊体験を促す

夏休みにはぜひ、自然体験をさせてほしいものです。山を歩いたり、川で泳いだりするなど、自然に直接手で触れられるような体験が、この時期に非常に大事であることを保護者に伝えるとよいでしょう。また、親元を離れて宿泊させる経験もぜひさせたいものです。保護者がいなくても生活できることを意識させ、少しずつ自立する気持ちを育ててあげましょう。帰宅した子どもたちから思い出話を聞くと、意外な面をたくさん発見できるため、キャンプは特におすすめです。

8.お手伝いをさせる

中学年になったら、積極的にお手伝いをさせるようにしましょう。例えば、洗濯物を干して取り込む、食器を洗う、拭いて片付けるというお手伝いもよいでしょう。夏休み前に、「お手伝いをしてお家の人を喜ばせてあげましょうね」と言って、活動記録を付けさせるのもよいでしょう。保護者には、例え子どもがあまり上手にできなくても、大げさに喜んであげてください、と伝えます。反対に約束したお手伝いをしなかった場合は、怒るのではなく、悲しむ様子を見せることが効果的であることも伝えましょう。

学習面での3つの指導

1.勉強のスケジュールを自分で決めさせる

勉強のスケジュール
〇「あれ、9時過ぎてるね。今日は何時にやるのかな?」
×「もう9時過ぎているじゃない!勉強しなさい!」
イラスト/宇和島太郎

3,4年生はまだ勉強の管理が必要です。一日のスケジュールを子どもと一緒に相談して、いつ勉強するのか子どもに決めさせましょう。例えば、子どもが「9時から始めて午前中に勉強を終わらせる」という約束を決め、もし約束の時間になっても勉強しない場合、「9時だから勉強しなさい」と言うのではなく、「勉強する時間は何時だったかな?」と始める時間を子どもに決めさせます。これは、自分が決めたことに対して責任を持たせるのです。決めたことができなかった時の罰則も、子どもと相談して決めておきます。昼間のうちに宿題が終わっていなかった場合には、夜はテレビを見ない、ゲームはやらせないなど、ルールを決めましょう。このルールの徹底には家族の協力が必要です。お母さんだけでなく、お父さんにもきちんと注意してもらいましょう。

2.漢字は重点的に取り組ませる

学校で出される基礎的な宿題は早めに終わらせるよう伝えましょう。3,4年生は1年間で200文字程度の漢字を習います。人生で一番漢字をたくさん覚えるのが、3年と4年です。日本人の教養として、きちんと漢字を覚えるべき時期なので、漢字練習は重点的に取り組ませましょう。

3.コンクールに参加させる

夏休みはいろいろな募集がたくさんあります。例えば、読書感想文コンクールや、郵便局主催の郵便ポスト工作の募集など、さまざまな募集のお知らせが学校から配付されるので、ぜひチャレンジさせるよう保護者に伝えましょう。

取材・文/出浦文絵

『小四教育技術』2018年7/8月号より

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