道具いらずで子どもを集中させる室内あそび4つ【心ほぐしの運動あそび】
第2回 「惹きつけあそび」で集中力を高めよう
『心ほぐしの運動あそび』は、あそびを通して身のこなしを向上させつつ、ドキドキ感、わくわく感を感じることで気持ちを解きほぐす要素をプラスした、運動あそびです。出張授業などであそびの指導をしている「あそびのせんせい」高橋大介さんが、すぐに取り組める「心ほぐしあそび」を紹介します。
今回は、かんたんなあそび方で子どもたちが集中して楽しめる「惹きつけあそび」を紹介します。
執筆/あそびのせんせい・高橋大介
高橋大介●たかはしだいすけ あそびのせんせいlabo主宰。体操、レクリエーション、工作、野外活動、イベントなど、あそびに関わる活動を多岐にわたって行っている。
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目次
「心ほぐしの運動あそび」でクラスの一体感が生まれる! 学校が好きになる!
こんにちは、「あそびのせんせい」こと大介先生です。「心ほぐしの運動あそび」をクラスで行うことで、
- 「共感」「共有」「一体感」が得られる。
- ドキドキしたり、大声で笑ったり、時には悔しがったり。自然と気持ちが解放される。
- あそびを通じて「学校って楽しい!」と再認識できる。
など、学級経営に大きなプラスになります。
今回は、道具などが不要で短時間でいつでも取り組めるあそびを紹介します。
あそび1 指揮者ゲーム
先生が指揮者になって、先生の合図で子どもたちが大声を出したりストップしたりするゲームです。集中力を求められながらも、声を出すことで気分を発散することができます。先生が指揮者になりきって大げさなポーズで行うと、楽しさ百倍です。
あそび方
① 先生は指揮者が構えたように静止して構えます。腕を振り上げるなど合図をしたら、子どもたちは「ワーッ」などの大きな声を出します。
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② 先生が、ストップの合図を出したら、子どもたちはピタッと声を止めます。瞬時に声を止めることができたら成功です。
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③ 先生が、フェイントのポーズをしたり、連続で声の出し止めの合図をするなどして、子どもたちのミスを誘うと、一層盛り上がります。
【楽しくあそぶポイント】
・ただの大騒ぎにならないよう、テンポよく合図を出すようにします。
・訓練やしつけ的な要素が強まると、心ほぐしになりません。ゲーム的な楽しい雰囲気をつくりだしましょう。
・汚い言葉や悪口などを言ってはいけないルールであることを、事前に説明しておきましょう。
あそび2 いきなりあっち向いてホイ!
普通の「あっち向いてホイ」ではジャンケンをしますが、「いきなりあっち向いてホイ」は先生が指差しをして、子どもたちと勝負します。どの学年でも楽しめる、簡単なゲームです。
あそび方
① 先生がクラス全員に向かって「あっち向いてホイ!」と言いながら、天地左右いずれかの方向を指差します(ジャンケンしないで)。
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② 子どもたちは一斉に、先生の「ホイ!」の掛け声に合わせて、顔を天地左右いずれかに向けます。
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【慣れてきたらアレンジしよう】
「ホイ!」の部分を連続で繰り返すと、さらに盛り上がります。勝負は最後の「ホイ!」で決まります。
・2回で「あっち向いてホイ!ホイ!」
・3回で「あっち向いてホイ!ホイ!ホイ!」
など。
【楽しくあそぶポイント】
子どもの動きが大きくなって、机にぶつかったり、イスから転げ落ちたりしないように注意しましょう。
あそび3 グリコでめざせ教壇!
ジャンケンあそびの「グリコ」を使って、先生と子どもたちが対決するゲームです。先生は、教室の後ろのドアから入り、子どもたちと順番にグリコジャンケンをして、教壇まで進みます。先生が教壇までたどり着けば、授業スタート! 子どもたちは、先生に勝とうと一致団結し連帯感が生まれる、楽しいあそびです。
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あそび方
◎グリコジャンケンのルール
グーで勝ったら「グリコ」で3歩、チョキで勝ったら「チヨコレイト」で6歩、パーで勝ったら「パイナツプル」で6歩進みます。負けたら、相手の出したジャンケンの分、後退します。
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① 先生は教室の後ろのドアのところからスタートします。一番後ろの席の子どもとジャンケンし、勝ったら前に進みます。
② 負けたら、勝った子どもの出したジャンケンの歩数を下がります。
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【楽しくあそぶポイント】
・縦1列の子どもとジャンケン勝負するゲームなので、ローテーションで全員と勝負できるように配慮しましょう。
・人数の少ない学級などでは、普通のジャンケンをして1歩ずつ進むなど、工夫してください。
あそび4 なんでもウォッチング
手を双眼鏡の形にして、先生が出したお題のものを素早く見つけるゲームです。視野が狭くなるので、思ったより探すのがたいへん。高学年でも楽しめます。
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あそび方
① 子どもたちは、手で双眼鏡のような形をつくって覗くようにします。
② 先生が「〇〇〇!」と教室内にあるものをお題に出し、早く見つけた子どもが勝ちです。
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【楽しくあそぶポイント】
・はじめは「時計」「ホワイトボード」など簡単なものから始め、だんだん難しくしていくとよいでしょう。
・暗号やメッセージを書いたカードを事前に壁に貼っておくと、ゲーム性がアップ! お題も出しやすくなります。
・眼鏡をかけている子どもには、手でつくる覗き穴を大きくしてよいことにするなど、配慮します。また、視力の弱い子どもには特に配慮してください。
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イラスト/みどり丸