児童の転入、転校を機に関係性を考える学級経営のポイント
転入や転校はとても大きな出来事です。その子の思いや気持ちに寄り添いながら、いろいろな取組につなげていきましょう。教師の関わり方で学級の子供たちの意識が高まります。
執筆/福岡県公立小学校教諭・西村仁志
目次
転入生が来る
新しい仲間の気持ちを考えさせる
新しい仲間が来ることを伝える。その子が今、どんな思いを持って過ごしているのかについてみんなで話し合いましょう。
子供たちの思いをもとにして出迎える集会へ
計画を立て、学級会でどのように新しい仲間を迎えるのかを話し合います。
話合いで決まったことをみんなで準備し、当日を迎えましょう。
学級、学校生活への適応を支援する
- 個別の関わりを行う。
- 子供同士のつながりを観察する。
どの子とつながりができているのかを観察します。よく声をかけ、気にかけてくれている子供には、「あなたがいてくれてよかったです。ありがとう」の言葉も忘れないようにかけましょう。
もっと関わりたいという子供たちの思いから、次の学級会の議題につながる可能性もあります。
転校する仲間がいる
仲間とのつながりを思い起こさせる
子供たちに転校する仲間がいることを伝えます。これまでの活躍や一人一人との関わりを振り返らせ、転校する子には今の気持ちを書かせます。
子供たちの思いをもとにして送り出す集会へ
子供たちの思いから目的を設定し、集会活動の計画を立てます。
学級会で集会の実践につながる話合いをします。
話し合う内容は「転校する友達へ何をプレゼントするか」「プログラムをどうするか」「集会で何をするか」などが考えられます。
集会の実践を行います。
こんな取組もあります
- 係活動で転校する友達に向けた取組
- 転校先へ〇〇さんのよさを知らせる取組
転校する友達のよさ、頑張っていること、新しい友達になってほしいことなど伝える思いを手紙や動画などで送ることもできます。
突発的な転出入における注意点
学級の子供たちにいつ、どれくらいの情報を伝えていいのかについては保護者に確認をとりましょう。学級の子供たちには、自分からは転出入の事情を尋ねるべきではないという指導も必要です。
転出入というきっかけを生かして、子供たちの相手を思いやる気持ちを引き出し、よりよい人間関係を築く力を育てていきましょう。
イラスト/種田瑞子
『教育技術 小五小六』2020年10月号より