フランスからのゲストティーチャー【4年3組学級経営物語9】

7月②「総合的な学習」にレッツ・トライだ!
文/濱川昌人(よりよい学級経営を考える大阪教師の会)
絵/伊原シゲカツ
4年3組担任の新任教師・渡来勉先生……通称「トライだ先生」の学級経営ストーリー。イワオジの教師力の原点を聞き、自身の未熟さを反省をする渡来先生。そんな姿を見たイワオジは、7月に行う総合的な学習のゲストティーチャーとの打ち合わせを、渡来先生に任せることにしました。
目次
<登場人物>

主人公。教職1年目。教師になる熱意に燃えて、西華小学校に赴任。 やる気とパワーは人一倍あるものの、時には突っ走り過ぎるのが玉にキズ。しばしば飛び出す口癖から「トライだ先生」と 呼ばれるようになる。4年3組担任。

教職20 年の経験豊富な学年主任。4年1組担任。一見いかついが、 温かく見守りながら的確なアドバイスをしてくれ、 頼れる存在。ジャグリングなど意外な特技も。

教職3年目。4年2組担任。新採のトライだ先生を励ましつつも一 歩リード。きまじめな性格で、ドライな印象を与えてしまうことも。音楽好きでピアノが得意。
ゲストティーチャーはフランスからの留学生
翌日の放課後、会議室の前に立つ渡来先生。
『ゲストティーチャーはジャンヌ、フランスの留学生だ。フランスについて子どもたちが質問し、日本のことを伝える…。異文化交流を通じ、地球市民としての意識を高める調べ学習だ』。
昨日の主任の言葉を思い出し、胸がドキンドキン。
『フランス語しゃべれないけど…、でもトライだ!』

思い切って開けたドアの向こうに座っていたのは、フランス人形に似た美しい瞳の女性。
「ボ…、ボンジュール。マドモアゼル、ええと…」
完全に舞い上がってしまった渡来先生。
立ち上がるジャンヌ、フワリと揺れる長い髪。
「コンニチワ、ハジメマシテ、トライだ先生!」
「えーっ、日本語上手じゃないですかぁ!」
「オジイサン、日本大好キ。ダカラ、ワタシモ日本文化ニ興味ヲ持ッタノ。コノ春カラ大学デ勉強シテマス。ヨロシクネ!」
ピエールじいさんの孫娘、ジャンヌが優雅に手を差し伸べてきました。