心ほぐしミニゲーム【いじめ対策】

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八巻寛治

少し緊張感が続いた4~5月を経て、6月になると不安と緊張が取れ、互いに意見を言いやすい雰囲気になり、相手を尊重しない言動も見られ、トラブルが起こりやすくなります。例えば「仲間はずれ」や「いじめ」。最近よく問題視されるいじめ問題は、互いの意識のずれからくるケースが多いのです。

そこで、ロールプレイを活用して、当事者同士の意識のずれに気付き、それぞれの感情の認識を経て行動の修正につなげていきましょう。ロールプレイは、いじめ予防に限らず、話し合いの解決に向ける際など様々な場面で活用できます。

教室イメージ
撮影/大庭正美

問題を自分たちで解決できる学級を目指して

いじめやトラブルが起きたと聞くと、問題のある学級と思われないか、指導が甘いと指摘されるのではないか、などと不安になり、慌てて対応・対処しようと思いがちです。しかし、二年生は、人間関係において未経験なこともあると認識し、トラブルやもめごとはあって当たり前「想定内」と捉えて、学び直しをするつもりで取り組みましょう。よい学級とは、問題のない学級ではなく、「問題を自分たちのことと捉え、解決しようとする学級です。「失敗」や「間違い」は、自分たちにとって「新しい課題」であることを認識できるように配慮して取り組みましょう。

ロールプレイを通して具体的にどう対応するかを学ぶ

最近の子どもたちは、人とかかわる経験が少ないために、トラブルが起こった際、具体的にどのように対応してよいかが分からない子が多いようです。そこで、シミュレーション的に体験したり、いざというときに役立つ場面を想定してコミュニケーション能力を高めたりするような「気付き」をもとにしながら、相手のつらさや痛みを感じて、実感を伴っていじめを抑止するようにしたいものです。

では実際に進めていきましょう。

<やまかん流 ミニロールプレイの進め方>
一般的なロールプレイには、次のような5つの要素が求められます。
①舞台 ②監督 ③補助自我 ④演者 ⑤観客
やまかん流として、次の要素を基本に実施することをオススメしています。
≪ミニロールプレイの4つの進め方≫
1.ウォーミングアップ
2.再現(役割の決定)
3.ロールプレイ
4.シェアリング

いじめ対応 心ほぐしミニゲーム
「仲間はずれ」のロールプレイ

ロールプレイイメージ
イラスト/たなかあさこ

【ねらい】
休み時間にありがちないくつかの場面の中から「仲間はずれ」の場面を例にロールプレイし、『する側とされる側』との意識のずれに気付き、いじめをしない自分づくりの一助にする。

1.問題の意識化

「最近気になること」のアンケートから、「いじわるを言う側と言われる側」に意識の違い(ずれ)があることに気付く。自分が言われて嫌なことには気付きやすく、言う側になるとあまり相手を意識していない場合が多いこと。言われると痛みやつらさを感じやすいことに触れる。

2.原因の追究・把握

<状況設定のシナリオ例>
休み時間のドッジボールに混ぜてもらおうとして、混ぜてもらえた子と混ぜてもらえなかった子がいた。
※展開はある程度演者に任せる

3.シナリオをもとにロールプレイする

仲間はずれにされる側、した側、一緒にいた人(傍観者)、周囲で見ていた人(観察者)など、それぞれの立場でロールプレイをし、演じた後、その立場で感想を話し合う。
○仲間はずれにされた人
どうして自分だけ混ぜてもらえないのか分からなくて泣きたくなった。
○仲間はずれにした人A
特に何も思わなかったけど、泣きたくなったと聞いて悪かったなぁと思った。
○仲間はずれにした人B
悪いなぁと思ったけど劇なのでそのままやった、けどちょっと嫌な気持ちになった。
○自分だけ混ぜてもらえた人
自分だけ混ぜてもらったけどあまり嬉しくなかった。わるいなぁと思った。
○周りにいた人
よくないと思ったけど、自分が仲間からはずされるのが嫌で、混ぜてあげたらと言えなかった。
○ロールプレイを観察していた人
一人だけ混ぜてあげないのはよくないと思った。自分がされたらくやしくて、もうその人たちとは遊ばないと思う。

4.意識のずれに気付く

「仲間はずれにする側」は、いじめのようとは思っていなくても、相手のことを考えないで言ってしまうので気を付けなければならないこと、「仲間はずれにされる側」は、嫌な気持ちになったことを相手に伝えることが大切であることに気付くようにまとめる。
・ 振り返りをもとに、「自分もよく相手もよい解決の方法」を確認し、自分がそのような場面にあったら、どのように対応・対処するかを確かめる。「やってはいけないからしない」のではなく、「相手の人が嫌な思いをするからしない」と、相手のつらさを共感的に実感できるように指導したい。

奈良教育大学の池島氏は、ロールプレイを使っていじめられる子どものつらさ、悲しさを心から分かろうとする「共感性」を促進することが、いじめ克服の原動力になるとしています。私も「する側とされる側」の意識のずれをきっかけに、いじめをしない自分づくりと共に、自分もよく相手もよい、心地よい関係づくりの一つになればと思います。

文/八巻 寛治

ガイダンスを学級づくりに活用する会代表。上級教育カウンセラー・ガイダンスカウンセラー・小学校教員ほか。エンカウンターミニエクササイズ、心ほぐしミニゲーム、課題解決のカウンセリングなどを活用した実践を紹介している。

『小二教育技術』2018年6月号より

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