中学年一学期のふり返りのポイント
中学年の一学期にふり返りを行う際のポイントを紹介します。
執筆/東京都公立小学校教諭・桐川瞳、 東京都公立小学校教諭・小田友美
目次
三年のふり返りポイント
「ふり返り」は夏休みと二学期との大切なかけ橋!
一学期が終わり、夏休みが始まります。子供たちにとって夏休みは特別な期間です。気持ちよく夏休みを迎えるためにふり返りは欠かせません。
多くの学校では、一学期のめあてを子供たち一人ひとりが考え、画用紙に書くなどして掲示をしているはずです。せっかく立てためあてをふり返ることをせずに一学期を終えてしまっては、意味がありません。ふり返りをすることで、自分はどのくらい努力できたのか、どのような課題があるのかを子供たち自身が考えることができます。
実りある夏休み、二学期につなげるためにもていねいに準備をしましょう。
一学期ふり返りカードを作り、ふり返りを「見える化」しよう!
「めあてをふり返りましょう」と言っても、どのようにふり返ればよいのかが分からないのが三年生。そこでふり返りカードを作り、自分ができたこと、課題があることを「見える化」してあげることをおすすめします。
カードには、①学習面、②生活面、③自由記述の三つの欄を作ります。
①と②については◎、○、△の三段階で自己評価させます。
①学習面の項目について、例えば、
- 相手の目を見て、話を聞くことができた。
- 自分から手をあげて、発表することができた。
- 友達と話合いをして学習することができた。
など、学習に取り組む姿勢に関する項目を表にしておきます。空欄部分を一行つくり、子供たちそれぞれの学習に関するめあてを書き込ませてふり返りをさせます。
②生活面のふり返りについては、通知表の生活面に関する項目を参考に作成すると、通知表作成の資料にもなり便利です。
- 忘れ物をしなかったか。
- 学校のきまりを守ることができたか。
- ていねいな言葉遣いをしていたか。
など、子供が理解しやすい簡単な言葉でまとめてあげましょう。こちらにも自分のめあてがふり返れるようにスペースを作っておくとよいでしょう。
また、係や当番活動についてふり返る項目を作っておくと、所見作成のアイデアにもなります。
子供の言葉から知る発見がいっぱいのふり返りに
学習面と生活面について三段階でふり返ることで、項目によって◎が付くもの、△が付くものが出てきます。
自由記述欄では、言葉で表現することで、より深くふり返りをしていきます。
ここでポイントなのは、できなかったことだけでなく、できたことも書かせることです。
また、めあてを立てたからには全く取り組んでいないことはないので、「〜ができなかった」ではなく、「〜をやってみたけれど〜だった。だから〜していきたい」といった前向きな言葉で書くように伝えます。
ふり返りはできなかったことを見付けるためのものではなく、次にどうしたいかを考えるきっかけになるものです。一学期のふり返りを通して、子供たちが次の目標に向かってがんばろう! と思えるような時間にしたいですね。
(東京都公立小学校教諭・桐川 瞳)
四年のふり返りポイント
一学期も間もなく終わりを迎え、学習や生活のまとめを行う時期に入ります。四年生も三年生と同じく、一学期の初めに書かせためあてカードや作文を基に、一学期のふり返りを行いましょう。
また、ふり返りカードを作成して、学習や生活で重点にした指導項目を一つひとつふり返る方法もあります。実態に合わせてふり返りを行いましょう。
何がどれくらい達成できたか、考えさせるようにします。達成できていなかったことや新たにめあてにしたほうがよいことを二学期のめあてにするよう声かけをしましょう。
ふり返りカードは、通知表の行動の項目や教科への関心、意欲などの指導に対しても参考となる資料にもなります。また、個人面談などの資料としても役立てることもできます。
( 東京都公立小学校教諭・小田友美)
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2020年7/8月号より