次への自信につながる低学年のふり返り
「できるようになった!」を増やすために、ふり返りを充実させるポイントを紹介します。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・阿部美弥

目次
一年生のふり返り
一年生は、何事も初めての連続です。そのなかで、「できるようになりたい」「分かるようになりたい」という願いや意欲をたくさんもっています。その意欲を生かし、めあてを立てて活動し、ふり返るという一連の流れをしっかりと教師が価値付けすることで、子供たちは「できるようになった」「分からないことが分かるようになった」という自信をもつことができます。
このような経験を積み重ね、学校生活を充実させていきたいものです。
一学期のふり返り
学期の締めくくりには、これまでの学校生活を思い起こし、自分の立てためあてに近付けたかどうかをふり返ります。
一年生は、何をどうがんばったかを言葉や文章で表現することは難しいので、「がんばった数だけ、色を付けようね」と色塗りをしたり、「△○◎のどれかに○をしよう」と記号で表したり、子供のがんばり具合を到達度などで記す工夫を考えるとよいでしょう。

- 学級目標や学年目標をタイトルにするのもよいでしょう。
- がんばりの到達度を、色塗りすることで表します。学級目標にちなんだマークやクラスのキャラクターなど、子供たちに親しみのあるマークを使う工夫も考えられます。
- 「次はどんなことをがんばりたいかな」と教師が聞き取り、記入できるようにしましょう。文字を書くことが難しい場合は、子供と対話をしながら、教師が鉛筆で薄く文字を書いて、その上を子供がなぞるなどの工夫や配慮があるとよいでしょう。
- 二学期からの励みになるよう、子供のがんばりや成長を、教師がコメントで価値付けをします。
このように、めあてを立てる→活動する→ふり返るというサイクルを繰り返すことによって、子供自身が「めあてをもってがんばると力が付く」ということを少しずつ実感できるようになり、次の活動に意欲をもつことができます。「次にがんばりたいこと」を教師も見とり、二学期のスタートに声をかけるようにすると、子供も二学期のめあてを立てやすくなるでしょう。